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『毎日新聞』大阪版 2004年5月26日付 キャンパス・イノベーションセンター、入居率は4割以下――大阪CIC /大阪 ◇国立大学・経営センター、追加募集を検討 社会人教育や産官学の連携など国立大学の活動の幅を広げる目的で、文部科 学省が今春、大阪と東京に開設した「キャンパス・イノベーションセンター」 (CIC)の入居率が低調だ。独立行政法人化された国立大学が個性を生かし、 競い合う拠点との狙いだったが、入居は大阪・東京合わせて約半分にとどまり、 大阪は4割に満たない。追加募集を検討せざるを得ない事態に、運営する独立 行政法人は頭を抱えている。 約2年前に独立行政法人化後の国立大学経営をにらみ、文科省がアンケート を実施したところ、入居を希望する回答が多く、建設を計画。大阪のCICは、 北区の一等地に約30億円をかけて開設した。 遠隔講義システムがある「サテライトキャンパス」と、産官学の出会いの場 としての「リエゾンオフィス」を設置し、文科省が1年かけて入居希望の大学 を募集した。ところが、東京と大阪合わせて56室のうち、入居が決まったの は27室のみ。特に大阪は19室中7室しか申し込みがなく、うち1室は文科 省の出先機関だという。 大阪のCICに入居した徳島大は「同じ経済圏で卒業生も多い。東京より3 0万〜100万円も安く、大阪に決めた」と話す。しかし、東京に入居した北 陸先端科学技術大学院大学(石川県辰口町)は「東京はすべての中心で、受講 生も集まりやすい。大阪は検討の対象外だった」とそっけない。 運営する国立大学財務・経営センターは「賃料も周辺の施設と同程度で、借 りにくいということはない。半分以上が空室なのは、各大学が競い合うという 設立の趣旨からも不適切で、追加募集を検討したい」としている。【佐藤岳幸】 |