トップへ戻る   以前の記事は、こちらの更新記事履歴
新首都圏ネットワーク


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

Academia e-Network Letter No 111 (2004.05.18 Tue)
http://letter.ac-net.org/04/05/18-111.php
ログ http://letter.ac-net.org/log.php

━┫AcNet Letter 111 目次┣━━━━━━━━━ 2004.05.18 ━━━━

【1】投稿5/17:「ある大学のある学部では、国立大学時代に任期付
ポストに同意していた95%の教員のうち20%が法人化時に同
  意を撤回し4月1日付で任期のつかない辞令を受けた。」

【2】横浜市による大学改革市民アンケート情報操作疑惑
横浜市立大学の未来を考える『カメリア通信』より

 【2-1】第19号 2004年5月14日
「大学改革市民アンケート情報開示請求顛末記」(その1)
http://www5.big.or.jp/~s-yabuki/doc03/came-19.pdf

 【2-2】第20号 2004年5月17日
大学改革市民アンケート情報開示請求顛末記(その2)
http://www5.big.or.jp/~s-yabuki/doc03/came-20.pdf

【3】ベネズエラ「チャベス政権」を襲ったクーデターの裏側
#(2002年にベネズエラでおきた
「メディアテロ」ーーメディアによる瞬間的国民洗脳)
http://atfox.hp.infoseek.co.jp/xfile/terro/venezuela.htm

───────────────────────────────

#(メディアによる瞬時的国民洗脳により2002年4月にベネズエラ
のチャベス政権はあやうく崩壊するところであった【3】。メディ
アによる瞬時の国民洗脳は「メディアテロ」と呼ばれることがある。

今回の人質バッシング事件はメディアによる瞬時的な大規模国民洗
脳の典型であり、日本でもメディアテロが十分可能であることが確
認された。「本番」に使われないような対策を講じることが日本社
会全体にとっての緊急課題であろう。時間は余りないかも知れない。)

━ AcNet Letter 111 【1】━━━━━━━━━━ 2004.05.18 ━━

投稿:「ある大学のある学部では、国立大学時代に任期付
ポストに同意していた95%の教員のうち20%が法人化時
  に同意を撤回し4月1日付で任期のつかない辞令を受けた。」

関連記事:2004.3.25
[AcNet Letter 81] 任期制についての新たな契約
http://letter.ac-net.org/04/03/25-81.php
──────────────────────────────
ある西日本の国立大学の教職員組合では、4月1日の法人化を前にし
た労使協議における合意事項として、任期制に関する以下の合意を
得ました。

1.プロジェクト型の場合を除き、現在任期制が適用されている教員
が4月1日に同意書を提出しない場合は、期間の定めのない教員とし
て雇用される。なお、任期制に同意しない教員に、不利益を及ぼし
てはならない。

 その後の事態で注目すべきこととして、全教員に対する任期制を
提案し、当初は95 %の教員が同意書を書いて任期制を実施してい
たある学部では、その呼びかけに応じて4月1日に新たな同意書を書
いた人が(当局は言を左右にして実数を言いませんが、噂では)75
%程度に減じました。

 それに先立ち、教職員組合の運動に動揺した学部当局が、同意書
を書くように説明会を3月下旬に開き、100名程度の教員が集まりま
した。しかし、その説明会は当局の思惑に反して、当局に対する糾
弾会となりました。その学部の組合員は10%を切っており、教員の
組織率はもっと低いのです。説明会の始まる前に、少ない数の女性
組合員がいくつか質問しようと震える心で決意していたら、彼女ら
が質問する前に、組合員以外の教員が任期制の本質的欠陥をついた
質問を鋭く浴びせ掛け、その組合員が感動することもありました。
なお、これは京大再生医科学研究所の再任拒否事件の判決前のこと
です。

 同意書を書かなかった人には、4月1日付で任期のつかない辞令が
出ました。その運動の成果としてご報告します。


━ AcNet Letter 111 【2】━━━━━━━━━━ 2004.05.18 ━━━━━━

横浜市による大学改革市民アンケート情報操作の疑惑について

横浜市立大学の未来を考える『カメリア通信』より、
Camellia News by the Committee for Concerned YCU Scholars
編集発行人: 矢吹晋
──────────────────────────────
【2-1】第19号 2004年5月14日
「大学改革市民アンケート情報開示請求顛末記」(その1)
http://www5.big.or.jp/~s-yabuki/doc03/came-19.pdf
──────────────────────────────
2004.5.14 一楽重雄(理学部)

昨年7月から9月にわたって横浜市立大学が実施した市民アンケー
トについては、その結果の一部が公表されている。しかし、そこで
公表されているのは「大学改革市民アンケート調査概要」とされ、
アンケート結果そのものではない。アンケート結果から横浜市が都
合のよい部分だけを抜き出したものではないかと疑わせるものであ
る。いわゆるプロジェクトRの幹事会の内容も、ホームページ上で
「議事概要」として公表されているのをもって情報公開をしている
と主張しているのと踵を一にするものであり、本来の情報公開の精
神とは著しくかけ離れている。

むしろ、横浜市は「情報公開」ではなく「情報操作」を行っている
としか思えない。日本の役所というものが、実は旧態依然としてお
り、それだからこそ、我が中田市長は口を酸っぱくして「情報の共
有」を市民や市役所に向けてプロパガンダしているのだと理解する
のが妥当なのであろうか。一般の商品であっても本当によいものは
あまり宣伝しない、実際には胸を張って言えるほどのことでないこ
とこそ声高に宣伝するのが商売の常であろう。経営の神様と言われ
た松下幸之助もこの点はよく知っていたであろう。

横浜市は、この市民アンケートと大学財政のシミュレーション委託
という名目で、確か1500万円の予算を取っていた筈だが、アンケー
ト結果をこのように使うことは市民の税金の無駄遣いの典型であろ
う、と私は思う。ちなみに、シミュレーション委託については、結
局行われなかったのだろうか、少なくともその結果は公表されてい
ないようである。

このような状況を明確にするために、今年の3月25日に「横浜市の
保有する情報の公開に関する条例」にもとづいて、開示請求を行っ
た。その結果、4月9日付けで一部開示決定通知書が出された。ア
ンケート回答の用紙そのものは全面非開示の決定となり、アンケー
ト結果の集計結果全体が分かる表として請求したものに対してだけ
一部開示の決定がされた。これによって、6種類のアンケートの集
計結果の手にすることができた。しかし、一部開示の決定であり、
個別の意見そのものが書かれた部分は全部黒塗りとされていて、一
般市民や学生などの意見の見えるもっとも面白い部分がまったく黒
塗りとされていた。開示を受けたときの担当者の説明では、アンケー
トの回答者に対して「公表しない約束で御願いしているもの」だか
らというような説明を受け、そういうことも有り得るのかと思い、
多少の疑問は持ちつつもそのまま引き下がって来た。

しかし、しかしである。以前に発表された「横浜市立大学の新たな
大学像の付属資料」の中にアンケート結果も掲載されていて、そこ
ではなんと個別意見が「具体的意見の例」として紹介されているの
である。もちろん、すべての意見ではなく、都合のよい意見だけが
抜き出されているのである。

この一事を持ってしても横浜市のしていることが「情報公開」では
なく「情報操作」であることが明白ではないだろうか。 このよう
な結果であるので、当然、不服申立を行うこととした。以下がその
内容である。

                    平成16年5月13日

横浜市長 中田 宏 殿
                    異議申立人 一楽重雄 印
次のとおり、異議申立てをします。

1.異議申立人の氏名、年齢、住所

一楽重雄、 **歳、 横浜市青葉区***********************

2.異議申立に係わる処分

  横浜市長が、平成16年4月9日付大改2号、及び、大改3号にお
  いて、異議申立人に為した一部非開示決定処分(別添の一部非開示
  決定通知書コピーを参照)のすべて

3.異議申立てに係わる処分があったことを知った年月日
  平成16年4月10日

4.異議申立の趣旨及び理由

  異議申立の趣旨

   異議申立てに係わる処分のうち、非開示決定の部分を取り消
   す、との決定を求める。

  異議申立ての理由

いずれの件においても、アンケート結果は、そのすべてを市民に公
開すべきものであり、都合のよい部分だけを公開するのは、行政と
して本来許されないことである。非開示と決定された個別意見は、
その一部が「大学改革市民アンケート調査概要」(別添)や「横浜
市立大学の新たな大学像、付属資料」において具体的意見の例とし
て、すでに大学当局から発表されており、非開示とする理由がない。
また、一部開示された文書は、アンケート回答そのものではなく、
すでにアンケート結果として編集整理されたものであり、回答者な
どが識別できる可能性は非常に低いと思われる。なおかつ、仮に識
別されたとしても、アンケート内容の性質からして、個人の権利権
益を害したり、市との信頼関係が損なわれるとは思われない。

5.処分庁の教示の有無及びその内容

「この処分に不服があるときは、この処分があったことを知った日
の翌日から起算して60日以内に、横浜市長に異議申立てをするこ
とができます。」との教示があった。

6.添付書類

(1) 一部非開示決定通知書 大改第2号及び大改第3号コピー

(2) 大学改革市民アンケート調査概要コピー


──────────────────────────────
【2-2】第20号 2004年5月17日
大学改革市民アンケート情報開示請求顛末記(その2)
http://www5.big.or.jp/~s-yabuki/doc03/came-20.pdf
──────────────────────────────
2004.5.17 一楽重雄教授(理学部)の情報提供により、編集者作成。

一楽重雄教授(理学部)が「情報開示請求」で入手した6文書のうち
の2文書および『新たな大学像の附属文書031029』を対照させて読
むと、情報操作の過程が歴然とします。

なお、残りの4文書(「オープンスクール参加者アンケート集計結
果」「高校生・予備校生アンケート集計結果」「高校・予備校関係
者アンケート集計結果」「横浜市立大学の改革に関する企業・産業
関係者アンケート調査報告書」)も,同様に,(不都合部分を)全
面黒塗りしてあります。

この奇怪な情報操作に対して、一楽教授は,不服申し立てを再度行っ
て,「黒塗り部分」および「アンケート調査票」を開示するよう請
求しています。ご参考までにお知らせいたします。

横浜市立大学学生アンケートのうち、 学生の意見要望の項目は、
10ページから21ページまで炭塗り公表です。

#(画像省略)

横浜市立大学市民アンケートのうち「意見・要望」は、 18ページか
ら28ページまでは炭塗り公表です。

#(画像省略)

28ページです。

『大学改革市民アンケート調査概要』(9-10ページ)では、以下のよ
うに、内容の一部がつまみ食いされています。

(1)高校生・予備校生アンケートで、期待として記述されたもの
を整理してみると、 「大学改革」に関するもの(7件)、「学部・
学科と募集定員」に関するもの(21 件)、 「入学制度と卒業制度」
に関するもの(9件)などが多く、期待としての記述は55 件を数 え
た。

具体的意見の例

・ 推薦でとる人数を増やして欲しい。・ 看護学部も4年制を作っ
てください・ 国立とも私立とも違う何かを期待します。

(2)高校・予備校関係者(主に進路指導担当)アンケートでは、
「望ましい大学像」として、『地域に開かれた大学・地域に根ざし
た大学』(9件)と『個性、特色ある大学』(7件)という意見に集約
される。 具体的意見の例

・ これまで以上に地域性を活かし、重視したきめ細やかな教育活
動を展開し、「これぞ横 浜市立大学」と言えるような特徴のある
大学作りを期待しております。・ 小規模総合大学、地域に密着し
た大学としての良さを残して欲しい。高校生向けの公開セミナー、
市民向けのセミナーを充実して欲しい(学生による研究発表会の公
開など)。

(3)市民アンケートでは、市民が考える、市立大学の各種の地域
貢献の重要度をみると、「横浜市の市民・納税者に、十分な貢献を
行う」が最も重要度が高く、「とても重要である」が50.8%で過半
となっており、これに「わりと重要である」を加えた重要度比率は
81.7% と高水準にある。

具体的意見の例

・ 市民として市立大学に対する期待は大きい。特に医学治療分野
における市民への貢献お よび生涯教育に対する市民への働きかけ
に大いに期待したい。・ 社会人が働きながら勉強する制度を沢山
作って学生を増す方が良いと思います。その方が社会に貢献するこ
とも市政に意見や興味もでてくる。

(4)企業・産業関係者アンケートでは、市立大学が横浜市の公立
大学として、大学の持つ人的・物的資源を生かして社会的使命を果
たしていくためにはどのような改革・改善案を重視すべきかを尋ね
たところ、「非常に重視する」とした割合から、「高度な専門教育
の充実」(38.2%)、「人格教育への取り組み」(30.0%)、「大学院
教育の拡充(高度な実務専門家養成の修士課程の充実)」(24.1%)、
「産学連携の強化(工学系を含む研究体制の整備)」(24.1%)、「社
会人教育の拡充(学位取得も含む)」(18.2%)が上位5 つに取り上げ
られた。

具体的意見の例

・ 今の学生をみてもがっかりする事が多い、人格を磨く事、社会
に対応できる人が一番大 切。・ 市大の貢献は大と認めます。時代
は自助努力を求めており産業社会研究開発と特色を発 揮し世の為
役立つ事が求められその成果を期待されている。日本企業が世界で
活躍してい るが数としては100程度である。陽のあたらない中
小企業を活性させ各社特徴ある技 術・研究開発等を貴校がとりあ
げて更なる改良開発を推進するならば(利益の分配も含め て)産
学の2 人3 脚で地方と国の発展は確かなものとなる。そこに集中し
てほしい。

                    
━ AcNet Letter 111 【3】━━━━━━━━━━ 2004.05.18 ━━

ベネズエラ「チャベス政権」を襲ったクーデターの裏側
ーー「メディアテロ」
http://atfox.hp.infoseek.co.jp/xfile/terro/venezuela.htm
パワーピクチャーズ製作(アイルランド)2003年
──────────────────────────────
「1998年 チャベスは貧困層からの圧倒的な支持を受けて大統領に
就任。世界有数の産油国ベネズエラで、石油の恩恵を受けていたの
は、国民の極一部だった。チャベスは公平な富の分配を、国民に約
束した。1999年ベネズエラに新しい憲法が制定されて以来、チャベ
ス大統領は国民の持つ権利について説いてきた。・・・」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
編集発行人連絡先: admin@letter.ac-net.org
ログ:http://letter.ac-net.org/log.php
趣旨:http://letter.ac-net.org/index.php
#( )の中は編集人コメント、「・・・・・」は編集時省略部分
一部が全角となっているアドレスは半角にして使用してください。
登録・解除・アドレス変更:http://letter.ac-net.org/s.html