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『北國新聞』2004年5月12日付

金大は非常勤講師を半減 中期計画原案、「金沢学」推進も


 文部科学省の国立大学法人評価委員会は十一日、法人化した国立大八十九校
が提出した 中期目標・中期計画の原案を了承した。金大は大学院社会環境科学
研究科の部局化や非常勤講師の半減を明記したほか、大学版「金沢学」とも言
える日本文化体験型の教育プログラムを充実させるなど、大学の特性を生かし
た取り組みを新たに加えた。

 金大の予算総額は六年間で二千七百六十六億六千四百万円。文・法・経済学
部教員が兼務する博士課程の大学院社会環境科学研究科に修士課程を加えて区
分制博士課程に改組した後、すべての教員を大学院レベルに引き上げる「部局
化」で研究指向の大学を目指す。外部研究資金は前年度を下回らない額とする
など具体的目標を定めた。

 北陸先端科技大学院大の予算総額は六年間で四百八十三億千三百万円。多様
な人材を受け入れるため二〇〇六年度までに「年四回入学、年四回修了」を実
施する。今年度中に三研究科を横断する学際教育課程を新設し、文章力や自己
啓発力などを磨く教育を開発する。インターネット技術プログラムや知識創造
メディア技術コースなど学内教育研究施設の整備に達成時期を明記。教職員の
定年制の弾力的運用や再雇用制度を導入する。

 中期目標・計画は各国立大の今後六年間の教育・研究と運営の指針で、これ
に基づき二〇〇九年度まで運営に努め、達成状況に対する国の評価を受ける。
評価は国からの運営費交付金額に反映される。昨年秋に提出した素案段階に比
べ、特許取得数や公開授業の時間数などの数値目標を書き込んだ大学が三十七
校増え、目標の達成時期を追加した大学も三十二校に上った。この結果、最終
的に数値目標や達成時期を明記した大学はほぼ半数に達した。

 一方で東大のように「教育や研究には数値目標はなじまない」との姿勢を貫
いた大学もあった。数値だけで達成度を評価されることを避ける狙いもあると
みられる。