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新首都圏ネットワーク


時事通信配信記事 2004年5月12日付

【中期目標関連】 国試、特許、科研費・・・=数値目標で決意表明


 医師国家試験合格率90%以上、特許取得数倍増、科学研究費補助金(科研
費)採択50%増?素案では、ごく少数の大学しか掲げなかった数値目標が、1
1日了承された中期目標原案・中期計画案では多くの大学で盛り込まれた。改
革を断行する各大学の「決意表明」と言えるが、同じような内容での設定や似
た数字も多く、横並び意識も見え隠れする。

 入学する学生にとって気になる国家試験などの合格率。素案段階で滋賀医科
大が「医師国家試験合格率95%以上」などを挙げていたが、具体的な数字を
示す大学は例外的だった。

 ところが今回は、医師国家試験で筑波大が「合格率90%以上」としたほか、
東京学芸大、横浜国立大、兵庫教育大などが「教員就職率」で「60%」程度
を設定。4月にスタートした法科大学院関係でも、司法試験合格率を「70%
程度」(横浜国立大)、「全国平均を上回る合格率」(熊本大)と掲げた。

 少子化で教員就職率の低迷に悩む教員養成系大学では、大卒者や教員の再教
育にも力が入る。「2005年度をめどに大卒者のための小学校教員免許取得
コースを設ける」(愛知教育大)「大学院入学定員のうち25%以上の現職教
員受け入れ」(奈良教育大)などの例が目立つ。

 素案では具体的内容に欠ける大学がほとんどだった「外部資金の調達」も、
今回は九州工業大が「50%増」、北見工業大が「10%増」などの目標値を
設定。外部資金獲得につながる知的財産権の取得では、「取得倍増」(静岡大)
「2007年度までに150件出願」(九州大)などの目標が。優れた研究に
支給される科研費の申請・採択増を目指す大学も多く、学芸大、琉球大などが
「50%増」とした。

 一方、当初「中期目標・計画に数値目標はふさわしくない」としていた東京
大は「教員ポストの総長裁量枠200人確保」「幹部職員の学内登用は公募1
00%」などの大胆な数値目標を挙げた。(了)