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新首都圏ネットワーク


 『朝日新聞』2004年4月23日付 声欄
 
 公的でない?国立大学法人
 大学院生 高橋 幸裕 (東京都国立市 25歳)


 4月から国立大学は国立大学法人となりました。私は国立大学法人の大学院に
進学をしましたが、困ったことが起きました。

 私自身、国立大学が法人化しても当面大きな問題はないと思っていました。
しかし、銀行で口座の開設をしようとした際に行員から「国立大学の学生証は
国から発行された公的なものでしたが、国立大学法人の発行したものは公的な
ものではなく、身分証明にはなりません。口座を開設することはできません」
と言われたのです。

 身分証を求められるのは「本人確認法」と呼ばれる法律によるそうです。し
かし国立大学の法人化に伴って、このような事態が生じることを知る人は少な
いのではないでしょうか。

 免許証などの公的証明書を持っていないと大変不便を強いられるということ
がわかりました。

 国立大学法人の社会的位置づけとはどういうものなのでしょうか。国立大学
法人とは公的な存在ではないのでしょうか。大学の法人化には賛否両論があり
ましたが、法人化されました。それによって「公的」ではなくなったというこ
とがどうしても理解できません。