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国立大学法人、非常勤職員の待遇改善へ


朝日新聞ニュース速報

 大阪大や東京工業大、名古屋大などの国立大学が、今月から国立大学法人に移
 行したのを機に、非常勤職員の待遇改善に乗り出した。1年だった雇用契約期
 間を3〜5年に延ばしたり、育児休業などを取得できるようにしたりしている。
 法人化で新たに労働基準法の適用対象となったのを受けた動きだが、今後の大
 学間競争に備えて、優秀な人材を確保できる雇用環境を整えるのが狙いという。

 国立大学で働く非常勤職員は、講師や医師、事務職員など全国に7万3千人い
 る。先月まで、その労働条件は国家公務員法と人事院規則の適用を受けていた
 が、法人化に伴って労働基準法に沿った就業規則を各大学が定める必要が生じ
 た。

 職員の3分の1の2400人が非常勤扱いとなっている阪大は4月から、非常
 勤職員の契約期間を従来の1年から、3年契約にできる制度に変えた。さらに
 常勤職員にしか認めていなかった3年間の育児休業(無給)、介護休業(同)、
 子どもの看護休暇制度(有給)も認めた。

 名大と九州大は育児・介護休業の対象を一部の非常勤職員にも拡大する。東工
 大は非常勤教員について5年契約を可能とした。本蔵義守・東工大副学長は
 「教員の質を向上させ、大学の競争力を高めたい」と話す。

 週40時間働いて事実上、常勤状態でありながら雇用契約は1日ごとに更新す
 る形になっている「日々雇用」についても、各大学は「説明がつかない待遇格
 差を見直す」として廃止する。

 ただ、限られた財源の中で、一気に非常勤職員の労働条件を見直すことは簡単
 ではない。このため、待遇改善に手をつけない状態で、就業規則を作っている
 国立大学法人も少なくない。
[2004-04-14-15:48]