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東北大学の労使協定締結状況 東北大学では、31日に、各事業場の長と過半数代表者が労使協定で合意し ました。1日に正式に発効し、36協定と裁量労働制に関する協定は労働基準監 督署に提出されたはずです。あわせて就業規則に関する過半数代表者からの 意見書も、事業場の数だけ提出されました。 25あるすべての事業場について把握しているわけではありませんが、何カ所 かについては36協定と裁量労働制に関する協定について、組合モデルをベー スに改良を重ねたものを使用しました。大学当局案は、協定書なしの協定届 だけというひどいものだったので、協定書を結ぶようにしました。 *36協定 当局の36協定案は、1日の時間外労働の上限15時間という非常識なものでし た。15時間というのは病院の手術などに対応したもので、それはそれでやむを 得ないのですが、当局は横着にもこの数値を全事業場に提案したのです。 先日ご紹介した組合のモデル協定は1日の時間外労働上限を5時間としてい ました。これは現実的な業務改善の速度を考えて、とりあえず22時以後の夜勤 はしない、というところに設定しようとしたものですが、17時15分の終業時刻以 後、 15分は休憩になるということを執筆者(私)が忘れて、22時までは4時間45分と思 いこんでいました。ご参照いただいた組合の皆様には申し訳ありませんでした。 こちらでは過半数代表者どうしの交流でまちがいに気づいたので、実際にいく つかの事業場で使用した労使協定のひな形では4時間30分といたしました。 これでも長いのですが、一気に短くできそうにないので、「とにかく夜勤はなく せ、 実際の残業にはちゃんと超勤手当を払え」という線にしたものです。従来は、 事務系職場でも夜勤の嵐です。また、副総長には不払い残業についての見解表 明を求め、「サービス残業はあってはならないというのが大原則だ」と全学の過 半 数代表者の前で発言させました。 残業命令を制約することについても、色々と考えたのですが、現状でできそう な 最大限として、「甲(使用者)は、職員が時間外および休日労働に従事すること が できない旨を告知した場合には、その職員と誠実に協議する」という文言を提案 して、これをいくつかの事業場で実現しました。 *労使協議 もともと大学当局は、全学の過半数代表者と事業場長を23日に1度だけ集め て70人ほどで全学労使懇談会をおこない、それで実質的な協議は終わりにして 統一フォーマットでの協定を結ばせようと考えていました。しかし、過半数代表 者 25名中14名から、あまりに不十分であり、再度懇談会を開くべきだとの連署要 求が出て、26日に臨時全学労使懇談会が開催されました。そして、その場で 強く出された要求について、30日に急きょ開催された法人化推進本部第2部会 (人事・財務制度を設計する当局の部会)で審議され、その結果、就業規則が一 部改正されました。主な改正点としては、原案では休息時間が廃止されて実質 的な昼休みが1時間から45分に短縮される予定であったのが、勤務を命じない 時間が15分設定され、事実上、昼休み1時間が維持されたことです。このほか にも休暇等で改善がありました。 *組合の取り組み 組合は、残念ながらどの事情業でも過半数組合ではないので、モデル労使協 定と重点要求を発表して全学の過半数代表を政策的にサポートする姿勢を取り、 また高橋委員長、関本全大教委員長、私を含む一定数の組合員が過半数代表 やそのサポート委員として労使協議に臨みました。 各事業場では、ふだんは組合と接点が少ない人とも労働条件について率直な コミュニケーションができて、過半数代表制をとおした協議もこれはこれで非常 に よい経験になりました。また、過半数代表者の多くは教員でしたが、休み時間の ことや非常勤職員のことを全学協議の場や意見書で積極的に取り上げたり、ド クターがナースの休憩の取りにくさについて訴えるなど、職種や雇用形態の違い を超えて労働条件を議論する、従来の学内論議とは少し違う雰囲気が生まれま した。 要求実現も組織づくりも不十分で、これからが労働組合としての本番の活動で すが、わずかなりとも前進できたことで手応えは感じられました。この機会に、 い つもお世話になっている高等教育フォーラムの皆様、多方面にわたってサポート をいただいている全大教本部の皆様、貴重な情報交流をさせていただいた全大 教東北地区の皆様、労働法の実践的な学習の場をつくってくださっている全大教 関東甲信越と国公労連独法対策部の皆様、その他交流させていただいている 全国の皆様に感謝を申し上げます。 なお、当組合では規約改正が成立しましたので、これをホームページに掲載し ま した。 東北大学職員組合教文部長 川端 望 http://ha5.seikyou.ne.jp/home/touhokudai-syokuso/ |