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新首都圏ネットワーク

『毎日新聞』2004年3月29日付

大学:評価学会が設立 多様性考慮し独自評価

 文部科学相の認証を受けた第三者機関による各大学の評価が、4月から法的
に義務づけられることに対し、政府や産業界から独立して大学側が主体的に評
価する「大学評価学会」(代表、田中昌人・京都大名誉教授)が28日、設立
された。学会は今後、大学評価学を創設し、大学の多様性を考慮した独自の評
価などを行う。

 京都市下京区で開かれた設立大会には、大学関係者や市民約115人が参加。
素粒子論の第一人者、益川敏英・京都産業大教授や、海部宣男・国立天文台長
らが講演や報告を行った後、「もう一つの『大学評価』宣言」を採択した。

 宣言は「大学評価は学問の自由の根幹にかかわる。しかし、現在の評価は経
済的視点が強調されている」と産業的利益を生まない研究が切り捨てられる懸
念を表明。「高等教育機関はすべての市民のために存在する。多様で多元的な
視点からの評価が必要だ」と訴えている。【横田美晴】