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新首都圏ネットワーク

労使協議の持ち方


先日、使用者側が不当な労使協議の持ち方を強要しようとしたことについてその後の報告です。
少し長くなりますが、この時期にこんなことでドタバタしている大学の実態は、公立大学の反面教師になるかもしれないと思ってまとめました。


(1)全学説明会にて(これで7回目)3月26日、組合は労働基準監督署で確認した上で昼に協議の持ち方の一方的な通告には応じられないと文末の申し入れを行いました。

夕方、全学説明会が開かれ、これが最後の全学説明会で、この後は労使の協議に入るということなので、その場で基本的な学長の認識を確認しました。

@就業規則は何のために書くのか?
学長:職務規律を明らかにするため
組合:国が使用者に対して労働者保護のために書かせるもの。
    そして使用者と労働者の義務と権利を明らかにするもの。
学長:そんなことが書いてありましたか?

A就業規則はどのような構成・文章でなければならないか?
学長:すべての職員がわかりやすい文章でなければならない。

(実態:人事管理においては詳細で、使用者の権利については包括的。
    労働者にはわかりにくい。)

B使用者は労働者に就業規則を周知徹底しなければならないが、教員、外国人教師、非常勤講師、客員研究員、職員、事務補佐員、TA,RA、用務員に周知徹底したか?
学長:周知徹底したい。

(実態;常勤の教職員・事務補佐員には全学集会に参加した場合、資料として就業規則案を受け取っているが、すべてには渡っていない。非常勤講師500人には郵送した。他は不明)

C過半数代表が決まったことを周知したか?
事務局長:周知する必要はない。そのようなことは法的根拠がない。
学長:(とまどって無言)
(実態:非常勤講師には通知し、過半数代表に意見を寄せるよう指示している。)

非常勤講師組合:突然就業規則案が500人の非常勤講師に郵送された。
いきなり過半数代表が水田さんであることを知らされたが、選出過程に500人の非常勤講師は参加していない。
労働基準監督署で聞いたところ、非常勤講師の委任状を集めれば問題ない、という。
人事制度班:そのような動きが非常勤講師の中から自主的に出てくれば大変理想的である。

組合:私は個人として過半数代表として選ばれたのではなく、
支持者は組合委員長水田明男に対して支持の署名をしてくれた。
組合委員長として過半数代表になったのである。

D3月31日までの間、国立大学法人法付帯決議21を踏まえ、「良好な労働関係」という観点から過半数代表と充分な協議を行うか?
学長:そのつもりだ。
組合:では、なぜ、一方的に人数制限をするのか?
事務局長:私たちは過半数代表と協議をしたいと思っている。
組合:どのように協議をするかということは、労使間で話し合って決めることである。
学長:人数も含めて協議すればいいと思っている。


(2)これまでの組合の取り組み

このように山形大学の品川書記長の指摘のとおり使用者側の無知がよくわかりました。

組合も今頃わかったのか?ということになりますが、私たちは昨年11月に組合案の就業規則を提出し、協議を要求しましたが、あり方検で決定し、大学運営会議にかけるというプロセスを経ていない段階では学長として就業規則に関する意見を言うことはできないと出席せず、総務課長が回答したので、話になりませんでした。

1月16日、支持署名もあわせて過半数代表者の要件を満たしたので協議に応じるよう学長交渉の申し入れをしましたが、応じず2月6日、再度申し入れをしましたが、応じず、その後、朝夕、総務課に返事をもらいに行きましたが、事務局長とつめができていない、ということで明瞭な回答なし。
2月20日、総務課・事務局長を通さず直接学長と交渉することを通告。

3月2日、急遽学長交渉が行われ、そこでは組合と充分な協議を行うと学長は約束。
しかし、3月15日の文部省通知で、非常勤講師をパート労働者として認めることになり、3月22日、非常勤講師、TA,RAを含む非常勤職員就業規則案が公開される。
というように、組合側は協議のために対案を作ったり、要件を満たしたり、条件を整えているにもかかわらず、
当局は、学長と交渉させない状況を作りだし、最後の全学説明会で正すことになりました。

文部省の顔色、近畿の国立大学、東京外大の様子をうかがいながら実際には職員はすべての規程を準備しているにもかかわらず、公開することが遅れ、そのしわ寄せとして、事務補佐員の雇用継承もいまだ確定していません。
組合の質問に対し、学長は自分の希望としてそうしてほしい、と言っただけです。

(3)全学説明会のあとの事前協議

ここでは
@補佐人の本協議での出席を認めなければ、そちらの副学長、事務局長の出席も認めない。
A支持者は、補佐人も含めて署名したのであるから、学長と過半数代表で協議するにしても
支持者に対してあらためて個別の意志を問う手続きを踏む。と言いました。

当局側は、
@30日、31日の本協議では、協議ではなく、就業規則を認めていただくことを考えている。
A今日26日の事前協議には、補佐人の方々に配慮して、参加を認め意見交換をと考えていた。
B4月1日に労働基準監督署に就業規則を提出するつもりである。

組合は、
@付帯決議21に従い、労使の良好な関係の下、協議のルールを協議して決めたい。
A就業規則案にはまだまだ問題点が残っている。そのまま認めるわけにはいかない。
B就業規則は、施行日に有効となる。施行と届出は別のことである。周知徹底することが届出時の要件である。
C労使協定はまだ何も公開されていない。
あと2回の協議ですべてを決めることは不可能である。
D4月1日にこだわっているが、大事なことは労使で充分協議し、周知徹底することであるから、その後、届出をすればいい。
Eこのようなプロセスを尊重しないなら、就業規則に対する意見書は出さないし、労使協定も締結しない。

ということを主張し、月曜日に回答をえることになりました。

私たち組合は、教職員・事務補佐員の切なる要求をまとめ労使協定締結時に取引することを準備していました。
たった2日の協議で決着するとは思えません。当局は2日間の協議で4月1日の届けに対し
組合も協力してくれると思っていたらしい。悪意というよりも、やはり、無知につきると思いました。

つづく
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<申し入れ>
                                   2004年3月26日
大阪外国語大学長 是永駿殿
                           大阪外国語大学教職員組合
                              執行委員長 水田明男

就業規則等の協議のあり方について

 3月24日、総務課より次のことが伝えられた。
・ 3月30日、31日の就業規則の協議を本協議とするが、これには補佐人の参加を認めず、
  過半数代表1人で参加すること。
・ 使用者側は、松田副学長、大島事務局長、書記として総務課職員が参加すること。

私たちはこの一方的な通知が、次の理由により不当なものだと受け取っている。
 第1に,私たちは、過半数代表としての署名の趣意書に、過半数代表者の氏名だけでなく、補佐人として副委員長古泉清次、小林清二、書記長今岡良子の氏名を列記し、労働者の支持を受けた。
 第2に,使用者と過半数代表の協議に条件を与えたり,限定を加える法的根拠はどこにもない。
 第3に,各大学では労使間で協議の上,協議参加者を決定している。
補佐人を置く山口大学,過半数代表を第一次選挙で選出された労働者代表が補佐する東北大学,組合役員・一般教職員が同席する大阪教育大学,広島大学等。これらの大学で根拠にし,現状で唯一,労使間の問題に触れている法律は,国立大学法人法付帯決議21である。
労働基準監督署も,この付帯決議21が,労使間で良好な話合いの場をもちながら協議のルールを取り決めていく根拠になると言っている。また,3月2日の学長交渉において,学長も付帯決議21にしたがって良好な労働関係を築くことを認めている。
 第4に,もし,使用者である学長が1人,過半数代表が1人で協議に参加する場合も,私たちを支持した労働者は補佐人も含めて就業規則と労使協約の締結を行なうことを前提としているので,改めて労働者の個別の意志を問い直す必要がある。

 以上の理由から,
 私たちは「良好な労働関係」を築く立場から一方的に協議の相手を決定することは不当であると考える。協議の場のルールも,労使対等に話し合って決めるべきである。
私たちは労働者の代表として,過半数代表と補佐人3名は協議(事前協議も,本協議も)に
参加することを前提としている。
これを認めない場合,私たちは、すぐさま協議に応じることが困難である。