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大阪外大の非常勤講師に関する問題について 高等教育フォーラム各位 こんにちは、私は大阪外大の非常勤講師で、(旧)阪神圏大学非常勤講師労働組合執行 委員長の新屋敷という者です。 現在は、大阪外大の非常勤講師問題に関する意見・情報を共有するための専任・兼業 非常勤・専業非常勤講師のグループ、「大阪外国語大学非常勤講師ネットワーク」の ML管理者と、阪神圏大学非常勤組合と京滋地区私立大学非常勤講師組合とが 3月14日付で合併し結成された、「関西圏大学非常勤講師組合」の執行委員長をして います。 今日このメールを出させていただいたのは、大阪外大の非常勤講師に関する問題について 大阪外大非常勤講師ネットワーク・関西圏大学非常勤講師組合連名で、大阪外大に対し 団体交渉の申し入れをしたことを広く知っていただくいただくためです。 以下に申し入れ文を載せますので、この件に関しご意見・情報等お寄せください。 3月22日 新屋敷健 mail: BQE06513@nifty.ne.jp ************************************ **** 大阪外国語大学長 是永 駿 殿 大阪外国語大学非常勤講師ネットワーク 関西圏大学非常勤講師組合 執行委員長 新屋敷 健 下記事項について、学長との交渉を3月29日から31日までに行なうことを 要求します。国立大学法人法附帯決議21には「法人への移行に際しては、『良 好な労働関係』という観点から、関係職員団体等と十分協議が行われるよう配慮 すること。」とありますから、この附帯決議に従って誠実に、交渉日時について 3月26日までに回答されるよう申し入れます。なお回答先は以下の住所へお願 いします。 611-0014 宇治市明星町3−11−196 新屋敷 健 tel & fax: 0774-23-2676 (1)各非常勤講師と労働契約を結ぶこと。 平成16年3月15日付の文部科学省大臣官房人事課からの「法人化後におけ る非常勤講師の給与について」という通知の中で、非常勤講師にはパートタイム 労働法が適用されることが明記されています。従って、法人化後における非常勤 講師の法的身分はパート労働者となりますから、大学側が各非常勤講師と労働契 約を結ぶことを要求します。なお参考までに上記の通知文を文末に添付します。 (2)非常勤講師の就業規則を作成すること。 2003年9月29日の「国立大学法人化に関する説明(第9回)」において 副学長の松田氏が東淀川労働基準局から「非常勤講師の就業規則を作るよう指導 された」ことを述べた上でその作成を明言されたのですから、大学側が非常勤講 師の就業規則を作成することを要求します。又就業規則作成に当たっては、「事 業主が講ずべき短時間労働者の雇用管理の改善等のための措置に関する指針」 <http://www.mhlw.go.jp/shingi/2003/09/s0910-2b.html>の規定に従って、「短 時間労働者の過半数を代表する者」を選出しその者の意見を事前に聞くこととそ れを就業規則の内容に反映させることを要求します。 (3)非常勤講師を対象とした説明会を開くこと。 私達非常勤講師は法人化後の自分達の法的身分や給与や就業規則に関して、何 も知らされていません。従って、専任教職員と同様に、法人化後の法的身分や給 与や就業規則に関する非常勤講師を対象とした説明会を大学側が開くことを要求 します。 ************************************ 15文科人第326号 平成16年3月15日 各国立大学事務局長(事務部長) 各国立高等専門学校事務部長 各共同利用機関管理局長(管理部長) 殿 大学評価・学位授与機構副機構長 国立学校財務センター管理部長 文部科学省大臣官房人事課長 板 東 久美子 (公印省略) 法人化後における非常勤講師の給与について(通知) 非常勤講師については、法人化後「短時間労働者の雇用管理の改善等に関す る法律」(いわゆる「パートタイム労働法」)の適用を受けることになります ので、法人化後における非常勤講師の給与については、労働基準法及び短時間 労働者の雇用管理の改善等に関する法律等(別紙1)の規定に則り、また、非 常勤講師の給与に関する現行の取り扱い及び最近の動向(別紙2)を十分に踏 まえ、適切に対応願います。 担当 文部科学者大臣官房人事課給与班給与第三係 電話 03−5253−4111(内線)2139 ---------------------------------------------------------------------- 別紙1 関 係 法 令 ○短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(平成5年法律第76号)(抄) (事業主等の責務) 第3条 事業主は、その雇用する短時間労働者について、その就業の実態、通 常の労働者との均衡等を考慮して、適正な労働条件の確保および教育訓練の実 施、福利厚生の充実その他の雇用管理の改善(以下「雇用管理の改善等」とい う。)を図るために必要な措置を講ずることにより、当該短時間労働者がその 有する能力を有効に発揮することができるように努めるものとする。 (指針) 第8条 厚生労働大臣は、前2条に定めるもののほか、第3条第1項の事業主が講 ずべき雇用管理の改善等のための措置に関し、その適切かつ有効な実施を図る ために必要な措置(以下この節において「指針」という。)を定めるものとす る。 ○事業主が講ずべき短時間労働者の雇用管理の改善等のための措置に関する指 針(抄) 平成5年12月1日労働省告示第118号 改正:平成15年8月25日厚生労働省告示第297号【改正概要:別添】 第2 事業主が講ずべき短時間労働者の雇用管理の改善等のための措置を講ず るに当たっての基本的考え方 事業主は、短時間労働者について、労働基準法(昭和22年法律第49号)、最 低賃金法(昭和34年法律第137号)、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号) 、 労働働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)、雇用の分野における男女の 均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(昭和47年法律第113号)、育児休業、 介筆休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律菓 76号)、雇用保険法(昭和49年法律第116号)等の労働者保護法令を遵守すると ともに、その就業の実態、通常の労働者との均衡等を考慮して処遇するべきであ る。中でも、その業務が通常の労働者と同じ短時間労働者について、通常の労働 者との均衡を考慮するに当たっては、事業主は、次に掲げる考え方を踏まえるべ きである。 1 人事異動の幅及び頻度、役割の変化、人材育成の在り方その他の労働者の 人材活用の仕組み、運用等(2において「人材活用の仕組み、運用等」という。) について、通常の労働者と実質的に異ならない状態にある短時間労働者につい ては、当該短時間労働者と通常の労働者との問の処遇の決定の方法を合わせる 等の措置を講じた上で、当該短時間労働者の意欲、能力、経験、成果等に応じ て処遇することにより、通常の労働者との均衡の確保を図るように努めるもの とすること。 2 人材活用の仕組み、運用等について、通常の労働者と異なる状態にある短 時間労働者については、その程度を踏まえつつ、当該短時間労働者の意欲、能 力、経験、成果等に応じた処遇に係る措置等を講ずることにより、通常の労働 者との均衡を図るように努めるものとすること。 第3 事業主が講ずべき短時間労働者の雇用管理の改善等のための措置 事業主は、第2の基本的考え方に立って、特に、次の点について適切な措置 を講ずるべきである。 1 短時間労働者の適正な労働条件の確保 (8)賃金、賞与及び退職金 事業主は、短時間労働者の賃金、賞与及び退職金については、その就業の実 態、通常の労働者との均衡等を考慮して定めるように努めるものとする。 ---------------------------------------------------------------------- 別添 パートタイム労働法に基づく指針の改正について パートタイム労働指針(事業主が講ずべき短時間労働者の層用管理の改善等 のための措置に関する指針)が平成15年日8月25日に改正され、平成15年10月1 日に適用されました。その概要は以下の通りです。 1 改正の背景 労働政策審議会雇用均等分科会(雇用均等分科会)において、通常の労働者 とパートタイム労働者の間の公正な処遇問題を中心に、今後のパートタイム労 働対策の方向について、平成14年9月から検討が行われてきましたが、通常の 労働者との均衡を考慮した処遇の考え方を具件的にパートタイム労働法に基づ く指針(「事業主が講ずべき短時間労働者の雇用管理の改善等のための措置に 関する指針」)に示すことにより、その考え方の社会的な浸透・定着を図って いくことが必要である等との提言を内容とする報告が取りまとめられました( 平成15年3月)。 本改正は、この雇用均等分科会の提言を踏まえ、行ったものです。 2 改正の概要 (1)事業主が、パートタイム労働者の雇用管理の改善等のための措置を講ず る際の就業の実態、均衡等を考慮して処遇するとの基本的考え方を具体的に示 しました。 1 職務が通常の労働者と同じであり、人材活用の仕組みや運用等も通常の労 働者と実質的に異ならないパートタイム労働者については、同一の処遇決定方 式等により均衡の確保を図るように努めるものとすること (同一の処遇決定方式:例えば同じ賃金表を適用する、賃金の支給、査定や考 課の基準を合わせることである) 2 職務は通常の労働者と同じであるが、人材活用の仕組みや運用等が通常の 労働者と異なるパートタイム労働者については、意欲、能力、経験、成果等に 応じた処遇に係る措置等を溝ずることにより、均衡を図るように努めるものと すること (2)事業主に対し、(1)の基本的考え方に立って、雇用管理の改害等のため の措置を講ずることを求めることとしますが、新たに以下の措置を講ずるよう 努めることを示しました。 1 通常の労働者への転換に関する条件の整備 2 職務の内容、意欲、能力、経験、成果等に応じた処遇に係る措置の実施 3 労使の話合いの促進のための措置の実地 ・パートタイム労働者の求めに応じた処遇についての説明 ・パートタイム労働者の音見を聴く機会を設けるための適当な方法の工夫 ・事業所内の苦情処理の仕組みの活用等苦情の自主的な解決 【厚生労働省ホームページより抜粋】 ---------------------------------------------------------------------- 別紙2 非常勤講師の給与に関する最近の動向 1.国会関係 (1)第156回 参・文教科学委員会(平成15年6月5日)議事録抜粋 【国立大学法人法等関連6法案質疑】 ○神本美恵子君(民主党・新緑風会) それで、非常勤職員、公務の場における非常勤職員の方はいわゆる民間法、 これから民間労働法制が適用されることになるわけですけれども、パート労働 、 いわゆる短時間労働者に関して、今、パート労働法の見直しが厚労省の方で行 われておりまして、労働政策審議会での議論を受けて二月に出された報告では 、 通常の労働者との均衡を考慮した処遇の考え方を指針で示すというふうな報告 が出され、お聞きしましたところ、厚労省の方ではその指針を速やかに作ると いうことで今作業が進められているというふうにお聞きしたんですが、これは 非常勤職員だけではなくて、ごめんなさい、非常勤の職員だけではなくて非常 勤の教員にも通用されることになると考えております。 そこで、その指針が示されれば当然これに従うことになると思いますが、文 部科学省として、この民間労働法制のこういう動きも含めて、その適用に関し てしっかりと大学法人の方に説明していく責務があるというふうに思います。 また、必要な予算措置も行う責務があると思います。七万人を超える非常勤の 教職員にかかわる生活上の問題でありますし、この問題については先日、決算 委員会で私もお聞きしていたんですが、河村副大臣がお答えになっております ので、是非ともしっかりとした対応についての御答弁をお願いしたいと思いま す。 ○副大臣(河村建夫君) ............非常勤講師の手当については、御案内のように、一般職の職員 の給与に関する法律第二十二条第二項にそのことがあっておりまして、常勤を 要しない職員については、各庁の長は、常勤の職員の給与との権衡、バランス 、 これはバランスのことでありますが、考慮して、予算の範囲内で給与を支給す ると、こういうことによって予算の範囲内で各大学が決定をしてきておるわけ でございます。 今度、国立大学の法人化をいたしますと、非常勤講師についてはいわゆるパ ート労働法といいますか、短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律、こ の適用になっていくわけでございますから、同法によりますと、今度は「事業 主は」と、こうなってきておりますが、通常の労働者との均衡等を考慮して適 正な労働条件を確保すると、こうなっておるわけでございます。国立大学法人 の非常勤講師の給与については、この趣旨にのっとって、この趣旨にのっとっ て各国立大学法人においてそれぞれの自主性、自律性の下に決定をすると、こ ういうことになっていくわけでございます。 (2)第156回 参・内閣委員会(平成15年6月12日)議事録抜粋 【一般質疑】 ○川橋幸子君(民主党・新緑風会) ‥‥... 国公立の大学の場合は今独法化が進んでおりまして、文教委員会 の方で審議中なわけですが、いずれ通るでしょう。それが実施されると、今度 は民間の労働者となるわけでございますね。そうしますと、パートタイム労働 者等の法律がそのまま適用される。ですから、格差、均衡処遇を確保するため のガイドラインが厚生労働省から出た場合には、それはそっくりその非常勤講 師の方々も適用されて、専任の講師、まさか教授と比べろとは言いません、類 似の労働者ですから、専任の講師の方と非常勤で幾つか大学掛け持ちなさる方 との賃金、これは均衡を保たなければいけないというガイドラインに沿った指 導は文科省として当然なさるということですね、ということ。 プラスして、私学は今でも適用があるわけでございますが、具体的なガイド ラインがなかったということでございますけれども、具体的なガイドラインが できれば即、独法化というようなその機構改正を待たずに適用される問題でご ざいますね。お願いいたします。 ○副大臣(河村建夫君) ............現時点では、いわゆる時間給は、一般職の職員の給与に関する 法律があるわけでございます。これに基づいて当該職員を常勤講師として採用 した場合に受けることとなる月給ですね、いわゆる俸給ですが、この予算の範 囲内で非常勤講師の給与も決めていると。この単価、単価は時間給という形で ありますけれども。ただ、この場合に、講義時間以外にも講義のための準備や 学生に対する研究指導等も行うということもございますものですから、単純に 常勤講師を時間で割ってというような形ではなくて、高めにといいますか、大 体三倍弱でありますが、経験年数という、いろいろ計算式はあるようでござい ますけれども、そのものを差し上げているという状況でございます。 そこで、御指摘のいわゆる法人化後でございますが、いわゆるパート労働法 の適用を受けるわけでございまして、通常の労働者との均衡等を考慮して適正 な労働条件を確保するようにと、こうなっておるわけでございますので、法人 化後において非常勤講師の給与はこの趣旨にのっとっていくということでござ いまして、これは、各国立大学法人においてそれぞれ自主的に、自律的に決め ていただくと、こういうことになっておりますし、これは、国立大学法人に今 度なりますと、運営交付金が算定して渡されるわけでございます。この枠の中 でやるわけでございますが、法人化になった途端にどんと下がるというような ことはあり得ないことであります。そんなことがあってはならぬわけでござい まして、当然、今までの支給実績というものがまずありますから、それを踏ま えて対応していかなきゃならぬと、こういうことになるわけでございます。そ の点は十分、今回、新しく今検討されておりますが、その趣旨を受けて対応す るようにということでございます。 2.首都圏大学非常勤講師組合等陳情(平成16年2月23日) 金田誠一(衆・民主)、川橋幸子(衆・民主)、井上美代(参・共産) 同席 ○要求(要望) 1 A国立大学において、2004年度から非常勤講師の給与を一律25%値下げする としているが、この妥当性について 2 法人化後の常勤講師の給与の減額がないにもかかわらず、非常勤講師のみ にこのような急激な値下げを行うことの正当性について ○回答 国立大学法人化後においては、「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する 法律」に従い、非常勤講師の給与額を決定する必要がある。 (以上=2004年3月下旬に文書情報を得てほぼ同じに復元) |