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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Academia e-Network Letter No 79 (2004.03.22 Mon) http://letter.ac-net.org/04/03/22-79.php ━┫AcNet Letter 79 目次┣━━━━━━━━━ 2004.03.22 ━━━━ 【1】情報操作を続ける都知事に対する当事者の怒り 【1-1】東京都立大学独文学専攻全専任教員から都知事への要望書 http://www.bcomp.metro-u.ac.jp/dokubun/dk-okv2.html 【1-2】東京都立大学仏文学専攻全専任教員から東京都への公開書簡 http://members.jcom.home.ne.jp/frsect_metro-u/nombre%20d'etudiants.html 【2】首都大学東京問題 非協力教員を"差別"−−都側、強硬姿勢を明言 東京新聞(2004.3.21) 【3】東京都立大学文系助手会から管理本部宛の公開要望書 2004.3.19 http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Lounge/5201/b_joshu3.html 【4】 福岡教育大学教員有志から大学関係者へのメッセージ http://www.shutoken-net.jp/web040319_3fukukyodai.html 【4-1】公開質問状「福岡教育大学松尾祐作学長の大学運営について問う」 2004.3.19 http://www.shutoken-net.jp/web040319_3fukukyodai.html ─────────────────────────────── #(選挙で当選したら次の選挙の数ヶ月前だけ選挙民の気に入るよ うに注意する以外は何をしても大丈夫と考える人たちが日本を支配 しているが、そういった人たちの暴走を、法律群で補強された憲法 がかろうじて止めてきた。それが、いかに大きな働きをしてきたか は、国立大学制度の実体である法律群がすべて廃止され、公立大学 制度を実質廃止する地方独立行政法人法が可決されてみて明かになっ たように思われる。可決直後に、理性への憎悪を明からさまにし虚 偽も厭わず牙を剥きだし【2】にして都立大学の乗っ取りを公然と 開始した、東京都大学管理本部と、それに指示を与えている都知事 とが、それを鮮明に示しつつある。 嘘を平気で繰りかえし大学を貶めようとする都知事に対する都立大 学の方々の怒り【1】は大学界全体の怒りでもある。大学関係者だ けではあるまい。それを知る人で怒りを感じない者がどれだけいる のだろうか。) ━ AcNet Letter 79 【1】━━━━━━━━━━ 2004.03.22 ━━━ 情報操作を続ける都知事に対する当事者の怒り ─────────────────────────────── 【1-1】東京都立大学独文学専攻全専任教員から都知事への要望書 2004.3.10 http://www.bcomp.metro-u.ac.jp/dokubun/dk-okv2.html ─────────────────────────────── 東京都知事 石原慎太郎殿 東京都大学管理本部長 山口一久殿 要望書 誤った数字を何度も使うことに厳重に抗議するとともに,貴ホーム ページより当該数字の削除を求める 本年2月4日に大学管理本部ホームページに示された国際文化コース の案の中に,都立大学人文学部独文専攻が,仏文専攻と並んで「希 望者のいない専攻」に名指しされ「進学希望者2(A類)」と記さ れています。この数字は,昨年12月24日の記者会見における都知事 発言の中で使われたものと同じであり,人文学部全体に関わる誤っ た数字を持ち込んだものとして,南雲人文学部長が12月25日に「不 正な情報操作を即刻中止するよう強く要望する」抗議を行いました。 また12月27日には,「開かれた大学改革を求める会」が,その数値 の取捨選択は不正確かつ恣意的であり,データの捏造とすら呼び得 るものとして「都庁記者クラブ内マスコミ各社に対する声明」を発 表しています。それにもかかわらず,上記ホームページには本年2 月,再度その数字が用いられ,さらには3月2日の都議会でも,石原 都知事が再び事実を歪曲する数字を繰り返して答弁しています。こ こで現実の数字を再度確認し,誤解に基づく単一の数字のみを繰り 返し挙げることに厳重に抗議するとともに,貴ホームページより当 該数字の削除を求めるものです。 2003年度の独文進学者はA類で2名でしたが,B類は3名で合計5 名でした。2004年度は,受け入れ上限人数9名のところ8名が独文 専攻に入ってくる予定になっています。 A類 B類 合計 4年生: 8名 2名 10名 3年生: 7名 4名 11名 2年生: 2名 3名 5名 次年度2年生:6名 2名 8名 情報操作であると主張する根拠は,単年度のA類のみの数字を挙げ て,あたかも全体の学生数のように強調している点です。それに基 づき「社会的ニーズの低下した分野」と断定することは,間違った 資料解釈に基づく判断です。上の表の2という数字は単年度の,一 つの枠(A類)に関するものでしかありません。ちなみに現在の独 文専攻の在学者総数は,学部学生26名,大学院生23名です。 このような事実と再三に渡る抗議にもかかわらず,同じ歪曲して解 釈した数字を使い続けることに,都立大学独文専攻では強い怒りを 感ずるとともに,都政を司る者はその責任をわきまえ,間違った資 料解釈に基づく判断であることを認めて陳謝し,直ちに貴ホームペー ジの当該数字を削除するようにあらためて要望します。 2004年3月12日 東京都立大学人文学部 文学科独文学専攻 専任教員一同 ─────────────────────────────── 【1-2】東京都立大学仏文学専攻全専任教員から東京都への公開書簡 http://members.jcom.home.ne.jp/frsect_metro-u/nombre%20d'etudiants.html ─────────────────────────────── 東京都知事 石原慎太郎殿 東京都大学管理本部長 山口一久殿 冠省 大学管理本部ホームページに示された国際文化コースの案の中に、 わたくしたち都立大学人文学部仏文専攻につき、「進学希望者0 (A類)」との表示がなされています。この数字は最初昨年12月 24日の都知事記者会見において都知事自身の発言の中で示された もので、その発言に関しては、人文学部全体にかかわるいくつかの 誤った数字を特に取り上げて人文学部長がメディア上で抗議を行い ました。また「開かれた大学改革を求める会」が、当該の数字をあ げつらう都の意図について明確に批判する文書を公けにしました。 こうしたことにもかかわらず、上記ホームページには本年2月その 数字が表示され、さらには最近3月2日の都議会においても、都知 事の口からそれがふたたび発せられる事態を見ました。 ・・・・・・ こうしたことがらを全体として視野に入れず、事実に基づいた指摘 や抗議を受けながら、単一の数字のみを繰り返し挙げて大学に対す る侮蔑的態度をいや増しにする振る舞いを目の当たりにし、わたく したちは深い失望と怒りを感ずるものです。 よってここに、厳重に抗議するとともに、貴ホームページより当該 数字を削除下さいますよう、要求いたします。 平成16年3月12日 東京都立大学人文学部 文学科仏文学専攻 専任教員一同 ━ AcNet Letter 79 【2】━━━━━━━━━━ 2004.03.22 ━━━━━ 首都大学東京問題 非協力教員を"差別"−−都側、強硬姿勢を明言 東京新聞(2004.3.21) ─────────────────────────────── 都が来年4月開設を目指す「首都大学東京」の問題が18日、都議 会の文教委員会で審議された。都側は4大学教員に提出を求めてい る「意思確認書」に関して、2月中の提出者と、3月以降の提出者 とを区別する考えを表明した。都に非協力的な教員に対する”差別 待遇”が、公の場で明言されたのは初めて。 都大学管理本部は、文部科学省への設置申請の都合上、教員の意思 確認を必要としているが、都立大教員の約6割は「都側は協議に応 じようとしていない」として確認書提出を拒んできた。しかし、対 話姿勢を示した理事長予定者に促され、3月になってから提出した 教員も多かった。 この日の文教委で都側は「事務手続き上の遅れを始めとする混乱を 招いたことに、社会的道義的責任を自覚していただく必要がある」 と答弁し、確認書提出が遅れた教員には「何らかの仕切り」を設け る考えを示した。また、これまでに記者会見で批判声明を出してき た教員らに対しては、「批判的な行動を繰り返した人たちが『新大 学に行く』と急に表明されても、建設的に参加するのかどうか。学 長予定者らが納得ができる何らかの担保が必要だ」として、新大学 への参加を拒否する方針を明らかにした。暗に公式の謝罪を求めた ものとみられる。 委員らからの批判に対しても、管理本部側は「改革である以上、現 大学の評議会、教授会と協議し妥協することは構造的にありえない」 と答弁し、強硬姿勢を崩さなかった。【奥村隆】(毎日新聞3月19日) ━ AcNet Letter 79 【4】━━━━━━━━━━ 2004.03.22 ━━━━━ 福岡教育大学教員有志から大学関係者へのメッセージ 2004.3.19 http://www.shutoken-net.jp/web040319_3fukukyodai.html ─────────────────────────────── みなさま 突然メールを差し上げる失礼をお許し下さい。私たちは、福岡教育 大学の教員有志です。 いずれの国立大学も、法人化を目前にして、いろいろな課題に直面 しているものと思われます。福岡教育大学では、昨年からの法人移 行プロセスにおいて様々な問題が噴出し、これらが今もなお未解決 のままとなっております。去る2月20日には、教員有志により辞職 要求声明が出される事態までに発展し、地元のマスコミも、この ニュースを取り上げました。私たち教員有志は、現在の状況を打開 し、大学運営を正常化するため、このたび、現福岡教育大学学長で あり、文部科学大臣から法人化後の学長予定者としての指名を受け ている松尾祐作氏に対して、以下のような公開質問状を提出しまし た。 福岡教育大学の抱える問題は、単に一地方国立大学の問題ではなく、 多かれ少なかれ国立大学全体に関わってくると思います。私たちは、 法人化後もなお「横並び意識」が抜けないであろう国立大学のなか にあって、福岡教育大学が法人化の好ましからざる先例として他大 学に悪影響を与えることを避けたいとも考えております。 国立大学を含む日本の大学全体のよりよい発展を期する見地から、 みなさまには、ぜひ私たちの立場をご理解いただくとともに、ご声 援やご助言をいただきたく存じます。どうぞよろしくお願いいたし ます。 福岡教育大学教員有志 追伸 上記の挨拶文および以下の公開質問状につきましては、転送・ 転載を歓迎いたします。 ─────────────────────────────── 【4-1】公開質問状「福岡教育大学松尾祐作学長の大学運営につい て問う」2004.3.19 http://www.shutoken-net.jp/web040319_3fukukyodai.html ─────────────────────────────── ・・・・・・ 【質問2】2月20日〜28日頃に行われた学長を支持する署名には、 学長も関与されたのでしょうか。また、この署名集めの段階で人権 上問題と考えられる動きが、学内に数多くあったことを学長はご存 知でしょうか。 (質問趣旨)2月20日に教官有志による「学長の辞職を要求する」旨 の声明と相前後して、学長を支持するための署名活動が展開されま した。署名が個人の自由意志によってなされるなら、それ自体に問 題はありません。しかし、この学長支持署名運動が展開されるなか で、おそらくは呼びかけ人の意図にも反して、署名者の人権に関わ る問題が数多く生じました。 この署名活動において、学長を頂点とする大学上層部からの指示が あったことが明らかになっています。例えば、いくつかの附属学校 においては学校長や副校長が主導で署名集めが行われ、全員署名が 達成されたところもあると聞きます。また、大学事務局では、管理 職から事務職員ひとりひとりに署名が求められ、署名に応じなかっ た方はほとんどいませんでした。このように組織内の上下関係を利 用して署名をとることは、職権の濫用ですし、パワー・ハラスメン トと考えられます。一方、教員層に対しても、執行部やその周辺の 教員による署名集めがなされたと聞きます。人事や予算配分の最小 単位である講座の中で若手教官に圧力を加えたとしたら、それは人 権を無視した行為であり、典型的なアカデミック・ハラスメントと 言えますが、こういったケースも少なからず存在したようです。 さらに、この署名においては、趣意書の一瞥を許されただけで考え る余裕を与えられなかったことを圧力と感じた人もいたようです。 このようにして集められた署名が、いくら数が多いとしても、本当 に全学の意見と言えるでしょうか。 ・・・・・・ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 編集発行人連絡先:admin@letter.ac-net.org ログ:http://letter.ac-net.org/log.php 趣旨:http://letter.ac-net.org/index.php #( )の中は編集人コメント、「・・・・・」は編集時省略部分 スパム対策としてアドレスの一部を全角表示。使用時は半角に。 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