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新首都圏ネットワーク

***都立の大学を考える都民の会ニュース***
***入会など返信はganbare_toritudai@yahoo.co.jpまでお願いします。***
都立の大学を考える都民の会ニュース4号(2004年3月15日)

目次
 1 2.28日比谷集会開催ご報告並びにご協力お礼
 2 2.28日比谷集会報告
 3 2.28日比谷集会アピール
 4 最近の動きから
    【資料1 大学管理本部長・学長予定者から都立大への文書】
    【資料2 都立大学評議会による見解】
    【資料1及び2に関する教職員組合のコメント】

 5 「都民の声」「文科省」への意見フォーマット(未掲載)


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1 「東京都の教育「改革」で、いま起こっていること 〜これでいいの
か?都立の大学「改革」〜」2.28日比谷集会のご報告並びにご協力・ご支
援御礼
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 ご報告が遅くなり既にお聞き及びと存じますが、「都立の大学を考える
都民の会」主催の2.28日比谷集会は、会場をほぼ埋め尽くす1800名(これ
はほとんど実数です)の参加者を得て、おかげさまで成功裡に終了するこ
とできました。集会の終了後には、各方面から、”人数もさることながら
、その内容、数々の発言も非常によかった”との声が本当に数多く寄せら
れており、なお様々な反省点もあるものの、多くの発言者・団体のご協力
で、内容面でもよい集会をつくれたように考えております。また集会当日
には166万円あまりのカンパもお寄せいただき、1月半ば以来集会開催まで
に寄せられた事前の分と合わせますと、集会カンパ額は約500万円に達し
ています。私たちの予想を遙かに超える応援をいただきました。このよう
に、大変多くの方々の強い思いが寄せ集まり、成功に導かれた集会となり
ましたことを、まずはご報告申し上げます。
 このように、集会が成功のうちに終えられましたのは、多くの方々から
の、準備期間以来の一方ならぬご協力・ご支援があってのことと考えます
。集会賛同人・協賛団体としてのご協力、当日の発言者・団体としてのご
協力、集会チラシの配布や参加者組織、あるいは様々なメーリング・リス
トなどで集会参加やカンパ呼びかけなどの応援、本当にありがとうござい
ました。そして申すまでもなく、当日会場へ足を運んでくださり、あるい
は参加できなくとも応援のカンパを振り込んでくださった皆様にも、あら
ためて心からの御礼を申し上げる次第です。
 今回の集会の一つの意義は、都立の大学「改革」問題を具体的焦点に据
えながら、同時にそれを、都政問題や大学問題、そして最後の小森さん、
金子さん、池上さんのコメントにありましたように、国や世界レベルで広
がるナショナリズムやあらたな帝国主義化といった問題の広がりと連関の
中に、位置づけてとらえる視点をもてたことではないかと考えています。
また、こうした土俵を設定したとき、そこに結集しようと考える諸主体が
これだけ厚くつくられつつあることも多少なりと明らかにできたかとも考
えます。集会の感想でも「この問題の背景や文脈がとてもつかめる内容だ
った」といったものが多く寄せられました。今後、それぞれの現場での個
別の取り組みと同時に、今回のような相互の連関と同根性を認識できるよ
うな共同の場をつくっていくことが、大変重要かつ必要だとの認識をあら
たにさせられました。今回の集会でつながりあえた、様々な領域の皆様方
との今後なお一層の連帯と相互協力を強く願うところです。
 また今回の取り組みを通して、教授会や教職員組合以外の、いわば市民
団体が大学のあり方に関わり発言していく可能性や意義についても一つの
問題提起をなしえたかと考えています。本集会でも学内諸団体や個人の皆
様から多大な支援・協力をいただきましたが、なお私たちは、現役学生か
ら退職後の名誉教授、卒業生や他大学関係者、都民など年代も立場も実に
多様な者たちで構成される、大学からは自律的な組織です。今後の流動的
な事態の推移のなかで、私たちが果たしうる役割は単純ではないと考えて
おりますが、自律的な組織であることのメリットを生かしながら、会発足
当初からの趣旨にありますように、大学改革をめぐるまっとうな公論の形
成に尽くしていきたいと考えております。この点に、今後も変わらぬご支
援・ご参加をいただければありがたい次第です。
 集会準備の過程でつくられ始めた都立の大学卒業生層のネットワークづ
くりも、この先より本格化していくことと思います。大学を「改革」する
というのであれば、それにあたってはまずもって他の誰よりも、これまで
その場で学んできた(元)学生層から大学への声と評価こそが傾聴されて
然るべきでしょう。都が、不当にもそうした不可欠な手続きを一顧だにし
ないのであれば、私たちの側から卒業生を中心に、都立の大学でこれまで
培われ、そして今後もしっかりと引き継いでほしいと願う「価値」は何で
あるのか?、一方、今後何をこそあらたにしていってほしいと願っている
のか?などの声を寄せ集め、我々の願い求める大学改革ヴィジョンとして
、大学や都に届けていく必要もあるだろうと考えています。

 都立の大学をめぐる事態は、集会後も益々その緊迫性を増し、私たちの
次なる展開にも慎重で柔軟な見極めが必要な状況です。今後の具体的活動
につきましてはあらためてご連絡やお願いにあがることになるかと存じま
すが、まずは、失礼ながら書面にて、とりいそぎの集会ご報告とお礼まで
申し上げます。

2004年3月7日
都立の大学を考える都民の会 世話人会


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2 2.28日比谷集会報告
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 東京都交響楽団演奏によるモーツァルトの調べが、2月28日、日比谷公
会堂に広がった。それは、まぎれもなく生身の人間が長年に渡ってそれぞ
れの個性を互いに紡ぎあわせながら作り上げてきた文化の調べだった。こ
の調べからスタートした集会は、現在の石原都政のもとで強権的に押し進
められている「改革」の中で声を奪われてきた人々の声を交流し、その問
題点を明らかにするために開かれたものである。その中心的なテーマは都
立の大学で断行される「改革」の問題点を訴えるものであったが、その他
、東京の教育・文化・福祉・医療における「改革」の諸問題を訴える内容
を持つものだった。集会には、1800名もの人々が集まり、そこで訴えられ
る一つ一つの声に聞き入った。
 都立の大学「改革」問題は、2003年8月1日、石原都知事によって、それ
まで都立の四大学(都立大、都立短大、科学技術大、保健科学大)と都と
の協議で進められてきた改革案が突如覆され、その後、大学側の公式な見
解を一切受け付けず、上意下達の手法によって「大学改革」を断行し、そ
の構想案に対する教員への「同意書」、新大学への就任の「意思確認書」
提出を強制する中で、そしてそれらに対する都立大学茂木俊彦総長による
声明の発表という経緯の中で顕在化してきた。
 壇上では、教員・学生・院生・卒業生らによってその問題点が明らかに
されていく。都が主張する「協議」機関としての教学準備委員会では、参
加教員は「私人」としての参加を強要され、そこでは秘密裡に「新大学」
構想が決定される。その構想は、文学系の全廃・人文科学の削減、必修科
目を設けない「単位バンク制」、内容不透明な「都市教養学部」(その理
念は大手予備校へ委託)、経済的に不利な学生を排除する危険がある「東
京塾」寮構想、教員のみならず学生・院生の継続的な教育・研究基盤を揺
るがす任期制・年俸制の導入など、大学の責任ある教育・研究の継続基盤
を破壊するものである。現大学の原型を残さないこの「構想」は、「異論
を排除しない、しかし批判精神を認める」システム・伝統としての都立大
学における全構成員自治、その中での協議と対話による人間形成の破壊で
あると。その後、田端邦博氏(国立大学独立行政法人反対首都圏ネットワ
ーク)は、都立の大学「改革」をめぐる動きが国立大学独立行政法人法の
成立直後に起こっていること、遠藤紀明氏(「横浜市立大を考える市民の
会」)は、全く同じ手法の下で、「プラクティカルなリベラルアーツ」な
るものを標榜した大学「改革」が横浜市立大で行われていることを壇上で
指摘している。
 さらに報告は、都の諸「改革」の問題へと広がる。都交響楽団における2
年契約制導入がもたらす約40年かけて作り上げたハーモニーの破壊、都立
図書館の統廃合と図書購入費削減による都民のために作られた区市町村図
書館との緊密なネットワークの破壊と業務縮小、都立病院・保健所の「国
民の健康の保障」から大きく外れ、命を軽視する統廃合=医療機関縮小計
画の進行、「深刻な性被害」に向き合う中で「子どもの内面に寄りそ」い
ながら育まれた七生養護学校性教育実践に対する議会・マスコミのバッシ
ング、それと連動した都教委による教材押収・190名の教職員処分、都立
高校における人事考課制導入による教職員自治の破壊、日の丸・君が代の
強制、および40人学級を維持したままでの統廃合の進行とそれがもたらす
地域で学ぶ教育機会の縮小、小学校における人事考課制導入とそれを給与
へとリンクさせる構想がもたらす教員と子どもの成長・発達のための対話
の減少。
 これら東京における義務教育から大学、福祉・医療・文化領域にわたる
「改革」は、全て石原都政下の上意下達の手法によって断行されている。
報告が明らかにしたのは、この「改革」が、現場で働く多くの人々が育ん
だ集団性と、その集団が対話によって産み出した知恵とそれを発展させる
ためのシステム−−人を育む、命を尊ぶ、文化を創造し伝える、そのこと
に真摯に向き合い、協議し、長い時間をかけて築き上げてきた−−を破壊
しているということである。
 小森陽一東大教授は、この動きを憲法9条・教育基本法の大転換の中で
、国にもできないことを都が率先して行う超法規国家への足がかりとして
、金子勝慶應大教授は、ポスト冷戦期におけるアメリカの「自由と民主主
義」の名による暴力の輸出とセットになった言論弾圧と結びついたものと
して位置づけた。また、池上洋通自治体問題研究所理事は、全力をあげて
都民に奉仕する品格ある地方自治体として、東京の大学でこそ、無償制、
障碍者への手厚い教育、生活者の視点をもった大学の必要性を訴え、同時
に現在の「改革」の諸問題を市区町村で訴えていって欲しい旨を訴えた。
 集会の最後に、集会を主催する「都立の大学を考ええる都民の会」から
集会アピールが提案され、承認された。その内容は、教育、学術、文化の
場になくてはならない自律性と自主的精神を擁護するために、権力からの
干渉を受けずに研究・教育を行うこと、大学改革に関する自由な議論を行
うことを保障することを求め、現行の東京都による一方的な「大学改革」
に反対し、新たな大学像にむけて要望を提出するものだった。要望は以下
のようになる。学生・院生・教職員の意見を反映させた大学づくりを行う
こと。短大夜間部・都立大夜間部(B類)が積み重ねてきた社会人・勤労
学生への大学教育の機会を充実・発展させること。授業料を安くすること
。障害者の大学教育の機会を充実させること。また集会アピールでは、そ
の実現のための行動提起も行われた。都民にとっての真に豊かな教育・文
化・生活を実現するための、討論・協議の場を設け、学習、交流し、政策
づくりに取り組んでいくこと。都民のための大学を実現するために、東京
都の「都民の声」、文部科学省、都議会などへ声を届けていくこと。周囲
に声をかけ、この取り組みを大きなものにしていくことである。
 3月都議会、4月文科省への設置申請、7月設置認可というスケジュール
の中で、石原都政は「新大学構想」を強権的に進めようとしている。報告
したこの集会は、こうした都立の大学「改革」への反対の声が、さらに広
範な領域にわたる「改革」への反対の声と連動しながら都民のための・生
活者のための大学構想へ至る筋道を開こうとしたものであった。
 「都立の大学を考える都民の会」は、今後も都立の大学の発展は、都民
の教育・文化・生活の発展とともにあることを主張の軸としながら、都議
会・文部科学省に対し都立の大学「改革」の問題点を訴え、そして都民、
多くの市民との学習・交流・連帯を強めていこうと考えている。
(文責:会世話人 芳澤拓也)


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3  2.28日比谷集会アピール
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 2月28日、この日比谷公会堂に集まった2000名の私たちは、次の
ことを訴えます。
 石原都政の下で、東京都の教育、学術、文化、生活は大変危うい状態で
す。
 教育、学術、文化の場になくてはならないことは、自律性と自主的精神
です。都立の大学もその一環として、様々な権力から干渉を受けずに研究
・教育を行い、また、大学改革に関する自由な議論が保障されることが必
要です。そうしてこそ、学生に対し、また都に暮らし・働く人々に、質の
高い教育・研究の機会を提供することが出来ます。また、学生たちは、自
主的精神を身につけていくことが出来るのです。
 そこで、私たちは、東京都による一方的な大学改革に反対し、大学教員
の自主的な努力により改革が行なわれることを希望してきました。ところ
が、これを求めた「都立の大学を考える都民の会」の陳情は先の文教委員
会で不採択となりました。これは、採択を拒んだ議員および大学管理本部
の大学への無理解を示すものです。
 石原都知事は、都立大学の夜間部廃止と短大廃止を強制し、大学側もそ
れを受け入れました。そして、両大学の夜間部は廃止されました。働きな
がら学ぶことは、生涯学ぶ機会を都民が得るために必要なはずです。それ
は、進学者が限られるビジネススクールでは代わりにはなりません。
 また、都立大学の教員・学生が遅々としながらも充実させてきた、障害
を持つ人々に対する教育も、都が進める「新大学構想」では、忘れられて
います。
 そこで、つぎのような大学づくりを東京都と都立の大学に要望します。
学生、大学院生、教職員の意見を反映させた大学づくりをおこなうこと。
短大夜間部・都立大夜間部(B類)が積み重ねてきた、社会人・勤労学生
への大学教育の機会を充実・発展させること。多くの人が学べるように授
業料を安くすること。障害者の大学教育の機会を充実させること。父母・
都民に対して積極的に情報を公開し、都民に開かれた大学づくりを行うこ
と。
 
 この集会には、大学関係以外の文化、教育、医療・福祉関係の方々も参
加しています。なぜなら、大学が発展するためには、そこで暮らす人々の
学習関心を育てるための環境が広く必要だからです。小中学校、高校、養
護学校では、生徒の個性に即した教育をのびのびと行う基盤が大切ですし
、東京都交響楽団や都立図書館などにおいても、そこに働く人々の創造的
な、都民に優しい活動が保障され、都民が優れた文化を豊かに利用できる
ことが求められます。大学で安心して学ぶには、すべての人々の生活や仕
事が、豊かに保障されていなければならないはずです。しかるに、今の都
政の方針は、これに全く逆行しているとしか言いようがありません。
 私たちは、都立の大学が都民の教育・文化・生活の発展とともにあるこ
とを強く訴えます。大学、学校に自主を、文化に創造を、生活基盤に豊か
さを、都政には優しさを強く求めます。みなさん、その条件をつくるため
に、輪を大きくして進もうではありませんか。

 最後に、本日の集会を踏まえ、私たちは以下の行動を呼びかけます。
1.都民にとって本当に豊かな教育・文化・生活を実現するため、幅広い
討論と協議の場を設け、学習、交流、そして政策づくりに取り組んでいき
ましょう。
2.都民のための大学を実現するため、積極的に私たちの声を届けましょ
う。
 ●東京都が設けている「都民の声」に私たちの声を寄せましょう(フォ
ーマット付)。
 ●東京都・都議会・文部科学省など関係機関に、働きかけをしていきま
しょう。
 ●一人でも多く、都議会を傍聴しましょう。
3.周囲にも積極的に声をかけ、この取り組みを大きく広げていきましょ
う。

2004年2月28日 日比谷公会堂にて
「東京都の教育「改革」で、いま起こっていること−これでいいのか?都
立の大学「改革」−」集会参加者一同


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4 最近の動きから
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【資料1 大学管理本部長・学長予定者から都立大への文書】

3月8日に都立大学総長に対して大学管理本部長として3点にわたるコメン
トを申し上げました。その内容を、西澤学長予定者にも確かめたところ、
考え方が一致しておりましたのでお知らせいたします。
平成16年3月9日
学長予定者  西澤 潤一
大学管理本部長  山口 一久

1 今後の改革の進め方
 第1回都議会定例会での知事の施政方針のとおり、知事にはまったく新
しい大学として「首都大学東京」を17年度に断固として開学する強い思
いがある。
  改革の本旨に従い、引き続き教学準備委員会を中心に検討・準備を進
める。
  改革に積極的に取り組む先生方とともに、「首都大学東京」を創る。
  改革である以上、現大学との対話、協議に基づく妥協はありえない。
 「首都大学東京」は、東京都がそこに学ぶ学生や東京で活躍するさまざ
まな人々のために設置するものであり、教員のためではないことを再確認
して欲しい。

2 大学院の検討
 大学院の重要性は認識している。
 教学準備委員会の下に、現状追認でない新しい大学院を検討するWGを設
置する。
  ・メンバーは西澤学長予定者が指名する。
  ・第3回教学準備委員会で提示した、座長叩き台案、川勝専門委員案
を出発点に検討を進める。

3 意思確認書提出の取扱い、混乱の責任
  新大学に前向きな姿勢で期限を守って提出頂いた方々と3月に入って
から提出された方々を同様の取扱いとする訳にはいかない。何らかの仕切
が必要である。 
  また、公に改革に批判を繰り返す人たち、意思確認書の提出を妨害す
る人たちには、意思確認書が提出されたからといって、建設的な議論が出
来る保障がない。なんらかの担保がないかぎり、新大学には参加すべきで
ない。
  学内を主導する立場にある、総長、学部長(研究科長)、教授クラス
の教員にあっては、混乱を招いた社会的、道義的責任を自覚すべきである。


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【資料2 都立大学評議会による見解】
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2004年3月9日
東京都立大学評議会

3月8日、総長と大学管理本部長の会見が行われ、本部長は別紙(翌9日
学長予定者との連名で大学宛送付)の内容を基本とする発言を行った。

評議会は、本年1月27日付け評議会の「見解と要請」に照らしても、こ
れを受け入れることはできない。同時に、ここに重ねて、早急に新大学準
備のための開かれた協議を開始するよう求める。

以上。


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【資料1及び2に関する教職員組合のコメント】
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以下、東京都立大学・短期大学教職員組合ニュース『手から手へ』第2268
号(3/11発行)より転載

信じがたい対話拒否と破廉恥な現大学切り捨て
──道理のない管理本部長、学長予定者の対応を糾弾する!!

 3月8日に都立大学茂木総長と管理本部の会談が行われ、添付のような
書類が管理本部側から提示されたと聞いています。都立大学評議会が、こ
の文書の内容に対して「受け入れることができない」との見解を示したこ
とや、「同時に、ここに重ねて、早急に新大学準備のための開かれた協議
を開始するよう」求めたことは、新大学に責任を負うものとしての当然の
態度表明です。
 この管理本部の文章は冷静に読めばすぐわかるように、自己矛盾を多く
含んでいますし、また、真に都民や国民に開かれた新大学を作るために努
力してきた都立の4大学の教員の努力を完全に踏みにじる内容になってい
ます。管理本部側が真剣に「新大学」を作る意思があるのかさえ疑わざる
を得ない内容であり、憤りを通り越して呆れ果ててしまいます。
 1の本文の5行目に「改革である以上、現大学との対話、協議に基づく
妥協はありえない」と言う文章がありますが、これは日本語として意味を
なしません。「改革である以上、...対話、協議に基づく検討が必要」
な筈です。したがって、「現大学との対話、協議に基づく妥協はありえな
い」と言っていのは、もはや「4大学の教員の英知を結集して改革を行う
という気は全くない」と言い放っていることであり、管理本部は4大学が
これまで長年培ってきた英知(教育・研究)を無視し、かつ破壊し、真に
都民や国民に開かれた大学を作る意思がないことを明言しているわけです
。つまりこれは、憲法で保障されている「大学の自治」や「学問の自由」
を敵視し、無視する態度であります。
 2では、新大学の大学院も学部と同様、現行の組織を無視して管理本部
と西澤学長予定者の恣意のままに設計することを宣言し、都立大評議会の
道理ある要望を真っ向から否定しています。
 「意思確認書」に関して、みずから2月18日付けで人文、経済、理の
学部長、研究科長に対して提出を要請したにもかかわらず、3の2行目で
3月になってからの提出を「同様の取り扱いをする訳にはいかない。何ら
かの仕切が必要である。」というのは良い大学を作ろうと譲歩した教員の
意思を完全に踏みにじっています。またその下の「なんらかの担保がない
限り、新大学には参加すべきでない」も具体的にどういう「担保」を期待
しているのか全く理解に苦しむ内容で、低劣なやくざまがいの脅しです。
最後から2行目分はもっと問題です。「総長、学部長(研究科長)、教授
クラスの教員にあっては、混乱を招いた社会的、道義的責任を自覚すべき
である。」とはよくもこういうことが言えると驚かざるを得ません。この
間、真に都民や国民に開かれた大学を作るために誠実に協議を要請し、提
案をしてきたのは、都立大総長であり、学部長(研究科長)であり、かた
くなに協議を拒否し、計画を河合塾に丸投げし、大企業や秋葉原再開発な
どで利益を得るほんの一握りの人たちのために大学を利用する計画を秘密
裏に進めて、「混乱を招いた社会的、道義的責任を自覚すべき」なのはま
さに管理本部の方なのです。
 今重要なのは、管理本部が1月の評議会声明を真摯に受け止め、4大学
と民主的に話し合う機会を再構築すべき点です。
 既に「意思確認書」を提出した教員も、まだ出していない教員も、良い
大学を作ろうという点では思いは同じです。管理本部がこのように乱暴に
現大学を切り捨て、対話の拒否に出ようとしている今こそ、既に出したか
どうかに関わらず一致団結して新大学を作るために奮闘しましょう。


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