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新首都圏ネットワーク


緊急抗議声明

都立大学総長に対する恫喝「通知書」に断乎抗議する

 東京都は3月8日、西沢潤一学長予定者および山口一久大学管理本部長名で
茂木俊彦都立大学総長に「通知書」を渡した。この「通知書」は、「石原都知
事にはまったく新しい大学として『首都大学東京』をつくる」との「強い思い
がある」とし、「改革である以上、現大学との対話、協議に基づく妥協はあり
えない」と述べている。

 私たち東京私大教連は大学で教育・研究・労働に携わる者として、東京都に
よるかかる常軌を逸した行為に対し、満身の憤りを表明するものである。

 第一に、大学は都知事個人の「思い」などで左右されるべきものではない。

 第二に、「現大学との対話、協議」を行わない「改革」など、「大学改革」
の名に値するものではありえない。この「通知書」は、石原都知事と大学管理
本部が、都立大学条例をはじめとする関連法規を踏みにじり、大学改革には不
可欠な都立大学及び教職員との対話・協議を一切拒否することを改めて宣言し
たものであり、私たちはこのような非常識な手法を断じて容認することはでき
ない。石原都知事と大学管理本部によって「問答無用」のやり方でつくられる
大学は、通知書が言う「そこに学ぶ学生や東京で活躍するさまざまな人々のた
め」の大学になろうはずもない。

 第三に、「批判を繰り返」す教員は「新大学には参加すべきでない」と恫喝
したことは、石原都知事の独裁者的なやり方に反対している都立大学の教職員、
学生、院生の排除をねらい、大学の豊かな発展の前提とも言える批判的精神を
頭から敵視するものであり、私たちは怒りを禁ずることができない。

 第四に、「総長、学部長(研究科長)、教授クラスの教員」に対し、「混乱
を招いた社会的、道義的責任を自覚すべきである」などと言っているが、何を
か言わんやである。「混乱」を引き起こしたのは、いったい誰なのか。石原都
知事と大学管理本部にあることは誰の目にも明らかである。

 私たちは、石原都知事と大学管理本部のかかる異常な恫喝「通知書」に断乎
として抗議する。石原都知事と大学管理本部が自らの責任を正視し、直ちにこ
の「通知書」を撤回するとともに、今回の恫喝行為について都立大学と都民・
国民に謝罪することを強く要求するものである。

 2004年3月11日

 東京私大教連中央執行委員会
 (東京地区私立大学教職員組合連合)
                     
 東京都知事 石原慎太郎 殿