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新首都圏ネットワーク


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Academia e-Network Letter No 72 (2004.03.12 Fri)
http://letter.ac-net.org/04/03/12-72.php

━┫AcNet Letter 72 目次┣━━━━━━━━━ 2004.03.12 ━━━━

【1】「毎日新聞3/7コラムの問題 川勝平太氏の素性 
   都からの月報は35万1千円」
(一都民である事務局員より)
「意見広告の会」ニュース112[4] 2004.3.10 より

【2】「2.28日比谷集会のご報告ならびに御礼」
「都立の大学を考える都民の会」事務局より

【3】**本日** NHK札幌3月12日午後7時半より
「流氷レーダ廃止の波紋−大学改革と地域貢献ー」

【4】近畿附属交流集会 3/7 の概要

 【4-1】近畿内の全労働各支部書記長連絡先

【5】豊島耕一氏「学則の「目的」条項」
[he-forum 6785] Date: Wed, 10 Mar 2004


━ AcNet Letter 72 【1】━━━━━━━━━━ 2004.03.12 ━━━

「毎日新聞3/7コラムの問題 川勝平太氏の素性 
   都からの月報は35万1千円」
(一都民である事務局員より)
「意見広告の会」ニュース112[4] 2004.3.10 より
(登録:qahoujin@magellan.c.u-tokyo.ac.jp)
───────────────────────────────

3/7「毎日新聞」のコラム「時代の風」は、明らかに
報道の客観性・公正性に反しています。報道機関のモラ
ルが改めて問い直される記事と言ってよいでしょう。

川勝氏の無内容で一部事実に反する記述については、い
まは何も申しますまい。その最大の問題は、筆者の川勝
平太氏が石原知事、管理本部が作り上げようとしている
「新大学」設計の中心にいる人物でありながら、あたか
も第三者的立場から発言しているかのように、新聞も本
人も事態を隠蔽している点にあります。

言論の自由の下、もちろん署名コラムで、筆者は自由な
発言を行う権利があります。しかしながら公人は、当然
公人としてのスタンスが明確にされてしかるべきでしょ
う。

新聞では川勝氏は、「首都大学東京の試み=川勝平太・
国際日本文化研究センター教授」と紹介されています。
この「…教授」という肩書きからは、よほど事情に精通
している人間でない限り、川勝氏が「新大学」問題の第
三者であるとしか考えられないものと思われます。

しかし川勝氏は、次のように「新大学」の「教育研究」
制度設計の中心人物であり、「コラム」は云うならば自
画自賛にほかなりません。「国際日本文化センター教授」
という肩書きはそれ自体としては事実であっても、「新
大学」の「外部専門委員」たる身分が示されていないな
らば、一方の身分の隠れ蓑としてしか機能しないのです。

以下は「都民の会」の公文書開示請求の結果に依ってい
ます。

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「新大学の教育研究に関する検討会」構成員
【座長】
 西澤潤一(岩手県立大学学長)
【委員】
 川勝平太(国際日本文化センター教授)
 富田勝(慶應義塾大学先端生命科学研究所所長)
 荻上紘一(大学評価・学位授与機構教授)
 原島文雄(東京電機大学教授)

「教学準備委員会」構成員
【座長】
 西澤潤一(岩手県立大学学長)
【外部専門委員】
 川勝平太(国際日本文化センター教授)
 富田勝(慶應義塾大学先端生命科学研究所所長)
 荻上紘一(大学評価・学位授与機構教授)
 原島文雄(東京電機大学教授)
【学内委員】
 石島辰太郎(都立科学技術大学学長)
 米本恭三(都立保健科学大学学長)
 南雲智(都立大学人文学部長)
 前田雅英(都立大学法学部長)
 中塚利直(都立大学経済学部長)
 佐藤英行(都立大学理学研究科長)
 鈴木浩平(都立大学工学研究科長)

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開示請求書内容

(2003/11/25) 新しい大学の設立構想及び産業科学技術振興戦
略に関する専門委員への報酬等の金額が記載された文書(報酬
基準と実績)

通知書内容
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Lounge/3113/jouhou_list.html#KYOUIKU_HOUSYUU
(2003/12/9) 平成15年度新大学の設立構想及び産業科学技術
振興戦略に関する専門委員報酬の支出について(支払額調書9
月分、10 月分、11月分含む) 開示      

*コメント(都民の会) これは、「教学準備委員会」 構成員
のうちの、「座長」及び「外部専門委員」の報酬等です。
(第一種報酬月額\351,000)

 ────────────────────

以上から明らかなように、川勝氏は都民の税金から月額
35万1千円の報酬を受け取る「公人」であり、しかも
新制度設計の中心にいる人物であります。

しかも驚いたことに、川勝氏は次のような事柄を平然と
記しているのです。

「すでに首都大学東京は、新しい学部として「都市教養
学部」「都市環境学部」「システムデザイン学部」(い
ずれも仮称)などを打ち出しており、首都東京の立地を
生かし、首都独自の地域学とでもいうべき学問を柱にし
たカリキュラムを固めたようである。」

「ようである」は無いでしょう、川勝さん。

しかしながら川勝氏の「ようである」も、やむを得ない
かも知れません。川勝氏は、「専門委員」の立場で月額
35万1千円を(その他出張費も)受け取りながら、教
学準備委員会には一度も出席せず、時にメールで「意見」
を述べていると伝えられます。(違うというのであれば、
どうか一度「外部専門委員」の委員会出席状況も開示し
てください。)

ですから詳しい「専門」的なことは何も知らないわけで、
「ようである」も仕方がないものと思われます。ならば
私も東京都民だから申しますが、私からも吸い上げてい
る月額35万1千円はどうぞ東京都にご返還ください。
 (一都民である事務局員)

━ AcNet Letter 72 【2】━━━━━━━━━━ 2004.03.12 ━━━

「2.28日比谷集会のご報告ならびに御礼」
「都立の大学を考える都民の会」事務局より 2004.3.7

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#(転載)

「東京都の教育「改革」で、いま起こっていること−これでい
いのか?都立の大学「改革」−」2.28日比谷集会のご報告並び
にご協力・ご支援御礼

既にお聞き及びかと存じますが、「都立の大学を考える都民の
会」主催の上記2.28日比谷集会は、会場をほぼ埋め尽くす1800
名(これは殆ど実数です)の参加者を得て、おかげさまで成功
裡に終了することができました。集会の終了後には、各方面か
ら、“人数もさることながら、その内容、数々の発言も非常に
よかった”との声が本当に数多く寄せられており、なお様々な
運営上の反省点はあるものの、多くの発言者・団体のご協力で、
内容面でもよい集会をつくれたように考えております。また集
会当日には166万円あまりのカンパもお寄せいただきました。1
月半ば以来集会開催までに事前に寄せられた分とこれらを合わ
せますと、集会カンパ額は約500万円に達しています。このよ
うに、大変多くの方々の強い思いが寄せ集まり、成功に導かれ
た集会となりましたことを、まずはご報告申し上げます。

このように、集会が成功のうちに終えられましたのも、皆様方
からの、準備期間以来の一方ならぬご協力・ご支援あればこそ
です。集会賛同人・協賛団体としてのご協力、当日の発言者・
団体としてのご協力、集会チラシの配布や参加者組織、あるい
は様々なメーリングリスト・メールニュースなどで集会参加や
カンパ呼びかけなどをしてくださった団体・個人の皆様、そし
て申すまでもなく、当日会場へ足を運んでくださり、あるいは
その代わりに応援のカンパを振り込んでくださった皆様に、あ
らためまして心からの御礼を申し上げる次第です。

今回の集会の一つの意義は、都立の大学「改革」問題を具体的
焦点に据えながら、同時にそれを、都政問題や大学問題、そし
て最後の小森さん、金子さん、池上さんのコメントにありまし
たように、国や世界レベルで広がるナショナリズムやあらたな
帝国主義化といった問題の広がりと連関の中に、位置づけてと
らえる視点をもてたことではないかと考えています。また、こ
うした土俵を設定したとき、そこに結集しようと考える諸主体
がこの地域・社会にぶ厚くつくられつつあることも多少なりと
明らかにできたかとも考えます。集会の感想でも「この問題の
背景や文脈がとてもつかめる内容だった」といったものが多く
寄せられており、今後、それぞれの現場での個別の取り組みと
同時に、今回のような相互の連関と同根性を認識できるような
共同の場をつくっていくことが重要かつ必要だと認識をあらた
にさせられました。今回の集会でつながりあえた皆様との今後
なお一層の連帯と相互協力を強く願うところです。

また今回の取り組みを通して、教授会や教職員組合といった狭
義の当事者団体ではない、いわば市民団体が大学のあり方に関
わり発言していく可能性や意義についても一つの問題提起をな
しえたかと考えています。本集会でも学内諸団体や個人の皆様
から多大な支援・協力をいただきましたが、なお私たちは、現
役学生から退職後の名誉教授、卒業生や他大学関係者、都民な
ど年代も立場も実に多様な者たちで構成される、自律的な組織
です。今後の流動的な事態の推移のなかで、私たちが果たしう
る役割は単純ではないと考えておりますが、自律的な組織であ
ることのメリットを生かしながら、会発足当初からの趣旨にあ
りますように、大学改革をめぐるまっとうな公論の形成に尽く
していきたいと考えております。この点に、今後も変わらぬご
支援・ご意見をいただければありがたい次第です。

都立の大学をめぐる事態は、集会後も益々その緊迫性を増し、
私たちの次なる展開にも慎重で柔軟な見極めが必要な状況です。
今後の具体的活動につきましてはあらためてご連絡やお願いに
あがることになるかと存じますが、まずは、失礼ながら書面に
て、とりいそぎの集会ご報告とお礼まで申し上げます。

2004年3月7日
都立の大学を考える都民の会 世話人会
ganbare_toritudai@yahoo.co.jp
───────────────────────────────

「「都民の会」の賛同人に登録下さいますと、今後の情報を会
のメイルニュースなどで送信いたします。ご意志のある方は、
このメイルへの返信でご連絡下さい(*)。その際には、集会時
のご賛同と同様に、

 お名前 ・ 記載を希望されるご所属(○○大学 など)
 お名前・ご所属のHP公表可否 につきご連絡をお願いします。

また、追ってで結構ですので、賛同費一口1000円以上をお願い
します。

 振込先 郵便局口座名義 都立の大学を考える都民の会
           口座番号 00190−5−481324


(*)ganbare_toritudai@yahoo.co.jp
#(アドレスは半角にして送信ください)


━ AcNet Letter 72 【3】━━━━━━━━━━ 2004.03.12 ━━

NHK3月12日「流氷レーダ廃止の波紋−大学改革と地域貢献ー」

──────────────────────────────
番組名:北海道クローズアップ 
(毎週金曜日 夜7:30−(25分間)放送中)
副題:「流氷レーダ 廃止の波紋 −大学改革と地域貢献ー」(仮)
放送日:平成16年3月12日(金) 19:30-19:55 
(緊急時、変更あり)
───────────────────────────────
#(北大低温研の白澤氏から以下の案内がありました。)

流氷研究施設(紋別市)は1969年から枝幸、紋別、網走の3局の流
氷レーダによる北海道オホーツク海沿岸域約60kmの範囲の流氷
分布を連続して観測してきました。しかし、網走局はすでに運用停
止、今流氷シーズンは枝幸と紋別の2局により運用しているが、こ
の2局も今期を最後に廃止されます。また、流氷研究施設自体本年
3月31日で廃止され、4月1日に発足する法人化の北海道大学低
温科学研究所に設置される環オホーツク観測研究センター(札幌市)
に移行となります。この度NHK札幌放送局が下記の番組にて「流
氷レーダ廃止の波紋」を取り上げ、放送を予定してますのでお知ら
せします。


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過去の関連記事:
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「どうなる今後の流氷研究」2003.6.25
白澤邦男氏(北海道大学低温科学研究所)
「希望の虹」(北大生協発行2003.6.25)
http://ac-net.org/dgh/03/625-shirosawa.html
───────────────────────────────
「多面的な評価制度をーー基礎研究軽視に懸念」
北海道新聞2003年7月21日付け 記者の視点
報道本部 岩本進氏
http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000014.html


━ AcNet Letter 72 【4】━━━━━━━━━━ 2004.03.12 ━━━

近畿附属交流集会 3/7 の概要
http://www.shutoken-net.jp/web040310_3kinki.html

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#(山室氏より)

「3月7日(日)、全大教近畿では、近畿附属交流集会を開きま
した。各校園の状況と、主に「変形労働時間制」問題について
意見交換しました。以下、集会の内容などをお知らせします。

1.参加附属学校組合
 大阪教育大,奈良女子大,奈良教育大,神戸大の4単組

2.討議内容

(i)法人化を前にした各学校の就業規則・組合員拡大・過半数
代表者・諸手当・非常勤職員雇い止め等の問題ととりくみ。

(ii)附属学校の「変形労働時間制」や多忙性,公立学校に劣る
賃金・労働条件改善の課題(人事交流問題とも関わる),とり
わけ4%の教職調整額の継続支給と引き替えに導入されようと
している「変形労働時間制」の問題について。

(iii)今後の交流の強化について

全国259国立大学附属学校の内,近畿には40校(※下記参
照)が有り,法人下では交流と連携を強めていくことが大切に
なる。そこで,全大教附属学校部会委員(奈教大・山室、神戸
大養護・西堂)が近畿の世話役となり、必要に応じて交流会議
開催呼びかけ等をしていく。

また,全大教附属学校部会で準備中の「附属学校部メーリング
リスト」を活用する。

次回は,6月頃(未定)に予定している全大教近畿の職種別交
流会時に附属学校分科会を企画する。

3.お知らせ

附属学校に押しつけられようとしている「変形労働時間制」と
はどういうものであるのか。

具体的な勤務時間割り振り時に生起する諸問題や大学当局側の
ねらい等々の事柄が(急に提案されてきているもとで)学校,
教員間で十分理解されていない状況にあると思われます。

そこで,全大教近畿としては国家公務員労働組合近畿ブロック
(国公労近畿ブロック)の援助を得て,全労働省労働組合(全
労働)から労働基準監督官の講師派遣をお願いすることにしま
した。

つきましては,附属学校の職場,同じ地域など教員が集まりや
すい形で「学習会」を持っていただけたらと存じます。講師派
遣は,直接,次の各府県の全労働支部書記長に依頼してくださ
い。

───────────────────────────────
【4-1】近畿内の全労働各支部書記長連絡先
http://www.shutoken-net.jp/web040310_3kinki.html


━ AcNet Letter 72 【5】━━━━━━━━━━ 2004.03.12 ━━━

豊島耕一氏「学則の「目的」条項」
[he-forum 6785] Date: Wed, 10 Mar 2004

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佐賀大学の豊島です.

各大学で大量の諸規則の制定作業が続けられていると思います
が,その中には当然「学則」もあるはずです.その条文の冒頭
付近に見られる「目的」条項は,単なるお飾りではなく,学内
でのいろんな言論において引用される可能性があり,また諸規
則や大学運営の思想的基盤を与えることも考えられるので,決
しておろそかにはできないと思います.

そこで,この条項に高等教育の「グローバルスタンダード」と
も言うべきユネスコが98年に出した高等教育世界宣言の内容
を少しでも取り込んだらどうでしょうか.つまりその重要キー
ワードをいくつか盛り込むことを提案をしたいと思います.

ユネスコ98年宣言の重要キーワード
民主主義/平和/批判的で進歩的な機能/学問の自由および自律性 etc.

昨日私が所属の教授会で学則案が審議されましたが,そこでの
私の提案(*)を次に掲示しています.ご参考にしていただけ
れば幸いです.
http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/UniversityIssues/faculty/gakusokuart2.html

840-8502 佐賀市本庄町1
佐賀大学理工学部  豊島耕一
http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp
職場電話/ファクス 0952-28-8845
───────────────────────────────
(*)代替案(大学規則13条,学則第2条,185文字)

本学は,教育基本法(昭和22年法律第25号)の精神に則り,
国際的視野を有し,豊かな教養と深い専門知識を生かして社会
で自立できる個人を育成するとともに,高度の学術的研究を行
い,それらを通じて民主主義および平和を確固たるものとする
ことに貢献し,さらに,批判的で進歩的な機能を発展させ,学
問の自由を享受しつつ,地域社会及び国際社会の発展に寄与す
ることを目的とする。

大学規則第13条 原案(182文字)

本学は,教育基本法(昭和22年法律第25号)の精神に則り,
国際的視野を有し,豊かな教養と深い専門知識を生かして社会
で自立できる個人を育成するとともに,高度の学術的研究を行
い,さらに,地域の知的拠点として,地域及び諸外国との文化,
健康,社会,科学技術に関する連携交流を通して学術的,文化
的貢献を果たすことにより,地域社会及び国際社会の発展に寄
与することを目的とする。

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編集発行人:辻下 徹 admin@letter.ac-net.org
ログ:http://letter.ac-net.org/log.php
趣旨:http://letter.ac-net.org/index.php
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