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新首都圏ネットワーク


『多摩ニュータウンタイムズ』2004年3月1日付

コラム 脚下照顧

 学園都市である多摩ニュータウンの各大学のなかで中心的な役割を果してい
る東京都立大学が、来年4月の再編統合を目前にして今大揺れに揺れている◆
事の起こりは昨年8月、石原東京都知事が都立大、科学技術大、保健科学大、
都立短大を廃止し新大学を造る。また学部も都市教養、都市環境、システムデ
ザイン、保健福祉の4学部に統合すると発表したことに始まる◆さらに9月以
降、4大学の教員定員600名を欠員補充をしない形で、450名に減らす配
置案を提示した。また大学の名称も知事の命名により「首都大学東京」とし、
初代学長も内定するなど都の一方的なトップダウン方式により外堀が埋められ
つつある◆この動きに対し、茂木総長が白紙撤回を求めて声明を発したほか、
教職員組合、教員、学生の大部分が反対運動を展開している現状にある◆都立
大は多摩ニュータウンの知的シンボルであって地域に果たす役割も大きく、都
民カレッジなどを通じて正に住民の精神的な拠り所ともなっている。また南大
沢のまちづくりは、大学の門前町的な雰囲気の下で発展を遂げてきた。地域不
在、住民不在の混乱を早期に解決し、新しい時代に即応した大学が誕生するこ
とを切望する次第である。
(本吉 寿夫)