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『京都新聞』2004年3月2日付 大学評価の方法や基準 論議 京で国内初の学会 28日設立 4月から全国すべての大学に第三者評価が義務付けられるのを前に、大学教 員や市民有志が、大学の評価方法について論議する国内初の学会を28日、京 都で設立する。経営の視点が問われる国立大法人化も控え、大学評価は今後の 大学づくりの重要なテーマだけに、教育内容や長期的研究をどう評価するかな ど難しい課題について学問的に研究していくという。 田中昌人京都大名誉教授や池内了名古屋大教授らが中心となり、昨年12月 に「大学評価学会」設立準備委員会を設けた。これまでに発起人130人を集 め、さらに全国の大学関係者や市民に参加を呼びかけている。 予定している主な活動は、適切な評価基準や諸外国の実情などの研究発表、 大学評価に関する年報の編集発行など。大会や研究会も開催する。 今春から義務化される大学評価では、文部科学省の認証した評価機関が一定 期間ごとに国公私立すべての大学を評価する。教育研究活動の改善や納税者へ の説明責任が狙いだが、一部の識者から「学問の自由や大学自治の根幹にかか わる事態」と反発する声も出ている。 準備委事務局長を務める重本直利龍谷大教授は「国家が評価基準の中身まで 定めるなど国際的にみても驚くべき制度だ。大学人が積極的に議論する場にし たい」と話す。 設立総会と記念シンポは28日午後1時半から、京都市下京区のキャンパス プラザ京都で。益川敏英京都産業大教授や海部宣男国立天文台台長らが、大学 評価の課題や展望などについて講演、討論する。参加費500円。同事務局 Tel:075(645)8630。 |