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『科学新聞』2004年2月20日付 運営費交付金　旧帝大中心に配分 　国立大学法人の平成16年度運営費交付金と教職員数（推定値）を調査した結 果、地方大学と旧帝国大学の格差はいまだ大きいが、一部の大学は教職員一人 あたりの運営費交付金額で逆転していることが分かった。運営費交付金はこれ まで通り、旧帝国大学を中心に配分されており、医学部を持つ総合大学でも10 倍近い格差があるものの、教職員一人あたりの運営費交付金額をみると、政策 研究大学院大学が他の法人を圧倒して大きな金額を獲得していることが分かっ た。また、運営費交付金が100億円を超える大学は、全89大学のうち38校にと どまった（詳細な表は７面に掲載）。 16年度分　100億以上は38大学 一人当たりでは逆転も 　今回の調査では、運営費交付金は平成16年度予算案から、教職員数は15年度 に発行した各大学のパンフレットから抽出した。 　運営費交付金と教職員一人あたりの運営費交付金ランキングをまとめた結果、 運営費交付金ランキングでは、旧帝国大学を中心に総合大学が上位を占めてい るが、単科大学として東京工業大学が11位、東京医科歯科大学が13位に食い込 んでいる。 　運営費交付金は、平成14年度決算額（15年10月31日号）を比較した時、地方 の医科大学と総合大学の統合が進んだため、地方大学が上位に入ってきたもの の、まだその格差は大きい。例えば、１位の東京大学と宮崎医科大学と統合し た宮崎大学を比較すると、予算規模で9.8倍、教員数で6.6倍と大きな差がある。 　教職員数で運営費交付金を単純に割った、一人あたりの運営費交付金額は全 国平均で932万7180円となった。政策研究大学院大学は2838万9273円と圧倒的に 多く、２位の北陸先端科学技術大学院大学1965万3756円を大きく引き離した。 また、平均値を上回る大学は38校のみで、残り51校は１人あたりの平均値を下 回った。いわゆる地方の総合大学は、平均金額以下になっているものが多い。 運営費交付金トップ10大学の中で平均値を下回ったのは広島大学のみで、旧帝 国大学は平均値以上になっている。 　教職員数は全大学合計で12万3421人、うち教員は６万1821人となった。教員 数1000人以上の大学は16大学で、そのうち東大、京大、東北大、阪大、九大、 北大が2000人以上の教員を抱えている。一方、一人あたりの運営費交付金トッ プ大学である政策研究大学院大学は54人で最下位となっている。 　運営費交付金は、決算額などに比べ、より実態を反映しているものと思われ る。これまで国立学校特別会計の中に組み込まれていた施設整備費が、一般会 計の補助金に変わったため、施設整備によって一時的に予算規模が膨らむとい うことがないためだ。 　各大学の運営費交付金の格差は大きいものの、競争的資金等の外部資金を各 大学が獲得できれば、一部のランキングは逆転可能になる。今後、各大学がど のような戦略を打ち出し、組織として活動するのか、16年度は試金石となる。 運営費交付金トップ25校 順位 大学名 1東京大学 2京都大学 3東北大学 4大阪大学 5九州大学 6北海道大学 7筑波大学 8名古屋大学 9広島大学 10神戸大学 11東京工業大学 12岡山大学 13東京医科歯 科大学 14千葉大学 15金沢大学 16新潟大学 17長崎大学 18信州大学 19鹿児島 大学 20 熊本大学 21徳島大学 22琉球大学 23愛媛大学 24山口大学 25岐阜大学 １人あたり金額トップ25校順位 大学名1政策研究大学院大学 2北陸先端科学技 術大学大学院大学 3東京芸術大学 4奈良先端科学技術大学院大学 5東京工業大 学 6東京医科歯科大学 7帯広畜産大学8高岡短期大学 9東京大学 10筑波技術短 期大学 11京都大学 12大阪大学 13東京海洋大学 14京都工芸繊維大学 15鹿屋体 育大学 16奈良教育大学 17北海道大学 18東北大学 19筑波大学 20京都教育大学 21お茶の水女子大学 22丘庫教育大学 23九州大学 24名古屋大学 25豊橋技術科 学大学 教員数が1000人を超える大学 順位 大学名 教員 1東京大学4,055 2京都大学2,906 3東北大学2,589 4大阪大学2,501 5九州大学 2,333 6北海道大学2,135 7名古屋大学1,809 8広島大学1,658 9筑波大学1,653 10神戸大学1,420 11岡山大学1,336 12千葉大学1,247 13新潟大学1,172 14東京 工業大学1,147 15鹿児島大学1,077 16金沢大学1,052