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新首都圏ネットワーク


『読売新聞』2004年2月27日付

センター試験の作成者名を公表、透明性確保へ方針転換


 文部科学省と大学入試センターは26日、大学入試センター試験の問題作成
者を2007年度から公表する方針を固めた。1979年に国公立大入試に共
通1次試験が導入されて以降、問題作成者が公表されるのは初めて。これまで
は、問題漏えいにつながる恐れがあるとして非公表だったが、センター入試に
対する透明性を高めるため、方針を転換した。

 文科省などによると、問題作成に携わっているのは、同センターから委嘱さ
れた国公私立大の教員約430人で、任期は2年。1年ごとに問題作成委員の
半数を入れ替える仕組みだ。委員は任期中に、問題作成や、点検、過去の問題
との難易度比較を行い、計3か年分の問題作成に関与する。

 このため、文科省は、今年4月に新たに委嘱される委員について、関係した
試験が終了後、氏名などを公表したいとしている。

 問題作成者をめぐっては、今年1月の大学入試センター試験の世界史の問題
が「強制連行」を取り上げたことに自民党内の一部が「事実かどうか検証でき
ていない」と反発し、今年の問題作成者を明らかにするよう求めていた。しか
し、文科省などは、今年の問題作成者の公表には慎重な姿勢を崩していない。

共同通信配信記事 2004年2月27日付

問題作成者を公表へ センター試験で文科省


 文部科学省は26日、大学入試センター試験の問題作成者について、任期終
了後に公表する方針を決めた。

 これまでは問題漏えい防止などを理由に公表しなかった。しかし、今年のセ
ンター試験の「世界史」の問題で「強制連行」の表現があったことに自民党議
員グループが反発し、公表を要求。文科省がこの日、公表方針を同グループに
伝えた。

 文科省は方針転換の理由を「センターの業務運営の透明性を高めるため」な
どとしている。

 センター試験では、原則として各教科ごとに、大学教員で構成する問題作成
委員会を設置。委員の任期は2年で、毎年約半数ずつ交代する。文科省は、委
員の任期が終了し、作成に関与した試験が終わった後であれば公表することに
した。

 ただ、現在の委員は、「氏名非公表」を前提に就任を要請してきた経緯があ
り、公表の時期や方法はさらに検討する。

asahi.com 2004年2月26日付

センター試験の問題作成者氏名を公表へ 自民の抗議受け

 文部科学省は26日、大学入試センター試験の問題作成者の氏名を、2年の
任期終了後、原則として公表する方針を決めた。これまでは漏洩(ろうえい)
の恐れなどを理由に非公表としてきたが、今年の「世界史」の設問に「強制連
行」という表現が使われたことに反発した自民党議員グループが出題者の公表
を強く求めたため、任期終了後の公表には応じざるをえないと判断した。

 問題作成者の公表を求めていたのは自民党の「日本の前途と歴史教育を考え
る若手議員の会」。26日の会合に文科省高等教育局の戸渡速志学生課長が出
席し、公表の方針を明らかにした。ただ、これまでの問題作成者には「非公表」
を前提に就任を要請してきたため、具体的な公表の仕方については今後検討す
るとしている。

 戸渡課長は方針転換の理由について、「大学入試センターの運営の透明性や
情報公開、問題を作成した教員の実績評価を進める観点から公表に踏み切るこ
とにした」と朝日新聞記者に語った。

『東亜日報』2004年2月15日付

日本自民党「朝鮮人強制連行はなかった」


日本の与党自民党の若手議員らが、日本の植民地統治で朝鮮人を強制連行した
歴史的事実を否定した。

自民党所属の衆・参議員約80人が所属する「日本の前途と歴史教育を考える
若手議員の会」は13日に会議を開いた。2年ぶりに開かれた会で、経済産業
相に就任した中川昭一会長の後任に古屋圭司衆院議員が選出された。

議員らは、1月に実施された「大学入学センター試験」(韓国の大学入学修能
試験に該当)の中で、世界史科目で出題された問題を重点的に論議したと朝日
新聞が14日付で伝えた。

出題された問題は、「次の中で日本統治下で朝鮮で起こったことは何か」とい
う選択問題だった。正解は「第二次世界大戦中、日本への強制連行があった」。

議員たちは、試験問題の中で「強制連行」という表現に問題があるということ
で意見が一致したという。さらに歴史教科書で「強制連行」関連の記述内容を
削除することを求めた。

議員たちのこのような動きは、「植民地支配下の朝鮮人強制連行は捏造された
歴史に過ぎず、事実ではない」と主張してきた国粋主義団体「新しい歴史教科
書を作る会」側の論理と一脈相通じる。同団体は、センター試験後の1月末に
該当の問題を批判し、試験主管機関に対して出題者の実名公開や、問題が出題
された経緯を調査して責任者を処罰する内容の公開質疑書を発表した。