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合法的な年休の時間単位での付与について

     寄せられたコメント品川氏補足

各位      2/27/04

      山形大学職員組合書記長 品川敦紀

全国の各大学で、就業規則の策定作業、および、過半数代表などからの意見聴取が進みつ
つあろうかと思います。その中で、年次有給休暇の付与単位について、頭を悩ましている
方も多いと存じます。

実際、私ども山形大学の就業規則に於いても、これまで、時間単位で取得できていた年次
有給休暇が、労基法上違法となる事を理由として、1日単位を原則として、恩恵的に半日
単位の取得ができるという規程となっております。

一部の大学の就業規則には、1時間単位での取得が可能としているものも見られますが、
そういった就業規則は、労基署でチェックされ違法とされる可能性も有ろうかと思います
ので、あまり勧められる方法ではないように思います。

私たち山形大学職員組合も、本来、1時間単位での年休取得は教職員の権利であるから、
付与できるようにすべきだと考えていましたが、当局に、労基法違反の規程を求めるわけ
にも行かず、頭を悩ましていたところでした。

いろいろ頭を悩ましている中で、一つの妙案を思いつきましたので、ご紹介いたします。

労基署に依れば、前年度からの繰り越し分の年休(20日まで)も含めて、労働者に付与
された年休(年20日)は、全て法定年休であるから、労基法に従って一日単位での付与
が原則で、半日単位でも与えられるが、1時間単位での付与は認められないといいます。

さて、前年度からの繰り越しの年休ですが、仮に、前年度から20日の年休繰り越しがあ
ったとして、当該年の年休20日と併せて40日の年休となったとします。その人が、そ
の年20日年休を取得したとします。この場合、これまでは、その取得した年休は前年度
からの繰り越し分の年休とされ、当該年の新規の20日は未使用であるから、翌年に繰り
越せると言うことになっていました。

このやり方は、労働者から見れば当たり前の方法ですが、仮に、その人が、当該年の新規
の年休から取得するとして20日を取得すれば、前年度からの繰り越し分の20日は、2
年の請求期限切れとなって翌年には繰り越せなくなります。この労働者の請求権が期限切
れとなる年休を、法人が独自にもう一年繰り越せると規定すれば、20日繰り越せること
になります。この3年目にくりこされた20日の年休は、法定年休ではありませんから、
時間単位で付与しても何ら差し支えないことになくなります。

つまり、前年度からの繰り越し年休を持っている労働者に、例えば、当該年分と(本来は
期限切れとなって繰り越せない)前年分併せて上限20日を繰り越せるとさえすれば、3
年目の繰り越しとなった部分の年休は時間単位での付与、取得が合法的に可能となります


なかなかの妙案だと思いますが、いかがでしょうか?

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寄せられたコメント

 この件については、2003年12月26日付け文科省通知「国立大
学法人法等の施行」について」とあわせて送付された「国立大学の法人
化に関するQ&A」のQ29に、来年度(2004.4.1)から繰越分につ
いては時間取得可能との記述があります。

 全大教ホームページの「会員のページ」にQ&Aの全文が掲載されていま
す。

(東京大学T)
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品川氏補足

その後、山形の労働基準監督官に、私の案を話しましたら、それで構わない、3年目の繰
り越し分なら1時間だろうが、1分単位だろうが合法だと話していました。

加えて、今年に関しては、法人化に当たってそれまで付与されてきた年休は、一度精算さ
れたことになるので、平成16年度分の内の10日を超える部分と、平成15年度分の繰
り越し分全ては、今年に関しては、恩恵的に法人によって認められている法定外年休なの
で、すべて時間単位でも、分単位でも付与可能だということでした。