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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Academia e-Network Letter No 58 (2004.02.20 Fri) http://letter.ac-net.org/04/02/20-58.php ━┫AcNet Letter 58 目次┣━━━━━━━━━ 2004.02.20 ━━━━ 【1】都立大の危機 FAQ : 廃校 or 改革? サイト L.「同意書」,「意思確認書」に関する質問 より http://www.bcomp.metro-u.ac.jp/~jok/kiki-l.html 【1-1】 首都大開学に“反旗” 教員就任の確認書 半数が回答せず http://www.shutoken-net.jp/web040219_3tokyo.html (東京新聞2/19朝刊 社会面トップ) 【1-2】都立大教員の6割未提出 新大学への就任意思確認書 共同通信配信記事 2004年2月18日付 http://www.shutoken-net.jp/web040218_2toritsudai.html 【2】 横浜市会に関する情報 (横浜市大を考える市民の会より) 【2-1】市民の会の陳情書:2004.2.12 提出 横浜市立大学の地方独立行政法人化に関する定款等の審議に関するお願い http://www.shutoken-net.jp/web040219_4yokohamaichiritsu.html 【2-2】「市大の解体を許すな!横浜市大と附属2病院の存続・ 発展を求める市民の集い」ダイジェスト版 http://www8.big.or.jp/~y-shimin/houkoku/040214.html 【2-3】朝日新聞神奈川県全県版 2004.2.15 意見広告 http://homepage3.nifty.com/ycukumiai/shiryo/k040215-1.pdf 【3】134国公私立大学有志473名から横浜市議会への要請 平成16年2月20日(金) 【4】ウェブログ「敬天愛人 格物致知」2004年02月15日 より 「独立行政法人首都大学東京」 http://www.myprofile.ne.jp/blog/archive/blue_tiger/243 ─────────────────────────────── ━ AcNet Letter 58 【1】━━━━━━━━━━ 2004.02.20 ━━━━━━ 都立大の危機 FAQ : 廃校 or 改革? サイト L.「同意書」,「意思確認書」に関する質問 より http://www.bcomp.metro-u.ac.jp/~jok/kiki-l.html ─────────────────────────────── L-9 2004年2月18日には,4つの都立の大学で56%の教員が「意 思確認書」を出したって本当ですか? http://www.bcomp.metro-u.ac.jp/~jok/kiki-l.html#mukou-ikaku ─────────────────────────────── ポーカス博士 管理本部発表の数字らしいから,定かなことではないが,いずれ4 大学の調査結果も分かると思う。今回の報道は,共同通信配信の ニュースに基づいているようじゃ。内容をポイント別で整理してみ ると: ─────────────────────────────── (1) 2004年2月18日時点で,都立大教員の61%は意思確認書未提出。 (2) 他の3大学はほぼ全員が提出。 (3) 4大学全体の提出率は,約56%。 (4) 新大学には約430人の教員が必要だが,今の希望者数では不足する。 (5) 管理本部は, (a) 今後提出者が増える可能性がある, (b) 最終的に数が不足したら公募と非常勤で補充する,と発表。 ─────────────────────────────── 数字の出し方がまず不明瞭だ。後で簡単な検証をしてみるが,明 らかに実態に合わない数字を使っているように思える。決定的に 問題なのは,(5)(b)だ。 「最終的に数が不足したら公募と非常勤で補充する。」というの は,今回の「意思確認書」が最終的に有効だと今でも主張してい ることにつながる「イカク」だ。文部科学省が,そのような書面 を要求していないことが明らかになった今になっても,あいかわ らず強行突破をしようとしている。「意思確認書をださなかった ら雇わないよ!」と宣言しているようなもので,その効果を期待 しているのだろう(「これくらい強く言えば,もっと多くの教員 が意思確認書を出してくるだろう,なあ越後屋!」と思っている)。 それから「他の3大学はほぼ全員が提出」という部分も疑わしい。 科学技術大学では,雲隠れした学部長をさしおいて,教授会を開い て,この問題を議論しようという流れができていた。前回の同意書 の時とは違って,明確に反対する教員もある程度まとまった数になっ ていると聞いている。きっと都合の悪い数字を隠したいのだろう。 さて,管理本部の数字のマジック(情報操作)の裏側をちょっと見 てみよう。 ─────────────────────────────── (4大学共同声明に基づく2004年2月18日の試算は,4大学全体で 797人,都立大582人を基にしていたが,2004年2月19日の東京新 聞,読売新聞では,4大学合計の教員数(教授,助教授,講師) が518 名,全体での提出者が282人で,となっていた。この数字 が正しいとして,2004年2月20日に以下のように計算し直した。 第3試算。) 4大学全体での教員数:518人(東京新聞2/19) 都立大学全体での教員数:362人(信頼すべき筋から得た管理本部が 使っていると思われる数字) 検証 [1] 4大学全体での提出者が56%というのは正しいか? 282÷518 = 0.544 (提出者は282人,未提出者は,236人) 従って,共同通信(2/18),読売新聞(2/19)で56%と発表された数字は 不正確。東京新聞の54.4%が正しい。 「430人の教員数に達しなかった」としているがこれは, 430 - 282 = 148 --- (a) なので148人不足ということ。 検証 [2] 都立大教員の61%が未提出とは何人か? 362×0.61 = 220.82 (提出者は141人,未提出者は,221人) --- (b) 検証 [3] 都立大を除く3大学の教員は,「ほぼ全員が提出」とい うのは正しいか? 4大学の教員数−都立大の教員数=3大学の教員数 518 - 362 = 156 4大学全体での未提出者数−都立大全体での未提出者数 =3大学での未提出者数 236 - 221 = 15 この結果から,「都立大を除く3大学では15人が未提出」となる。 ─────────────────────────────── ということで,いつものように根拠のわからない数字を出してきた。 各大学の教員の人数を何人として計算したのかを発表しなかったら, 公正とは言えない。フェアではない。「都合のいい部分を盗み食い」 というやり方には,いいかげんに終止符を打って欲しい。 今回の報道には,明らかに数字のずれがある。まとめてみると: 4大学教員数 提出者 提出者の割合 都立大の未提出者の割合 共同通信 ? ? 56% 61% 読売新聞 518人 282人 56% ? 東京新聞 518人 282人 54.4% ? 産経新聞 505人 282人 55% ? 共同通信は割合のみに言及。読売新聞は, 数字と割合に言及して いるが,明らかに計算間違い。 いったいなんでこのようなことに なるのか? (憶測:管理本部の発表は共同通信と読売新聞の数字だったが, 東京新聞はちゃんと計算して割合を自主的に訂正した。産経新聞は なぜか4大学 教員数が違う。282 ÷ 505 = 0.558 なので四捨五入 すれば56%になる。) ─────────────────────────────── L-10 そうかあ,学生側からせっかく教員に対しての要望書を出し たのに,半数以上が提出したのか...それで,同意書の時みたい に「意思確認書」を書き換えた りして出した教員はいないんです か? ─────────────────────────────── ポーカス博士 実は「保留」と書いて提出した教員がかなりの数になっているとの 情報 がある。科学技術大学から提出された「意思確認書」のおよ そ半数も「保留」と 書かれていたり,字句の訂正や文の書き加え が行われたという噂だ。 そして問題なのは,このような事態が管 理本部の今回の発表では まったく触れられていないことだ。 もし 事実なら,情報隠蔽が行われたことになる。2004年2月19日の報道 内 容からすると,「意思確認書」の有効性やそれに何か文言が付 け加えられていた という事にはまったく言及していないからな。 つまり「提出された」=「新大学へ行くことを約束/契約した」わ けではない 。この部分を大学管理本部は隠しているのだ。そして, 最終的に<「意思確認書」の>数が不足したら公募と非常勤で補充 する, と言っているが,提出者282人が皆,首都大学へ行くと 意志表明しているわけ ではないのに,なんでそんなことが主張で きるのだろうか?! ─────────────────────────────── 【1-1】 首都大開学に“反旗” 教員就任の確認書 半数が回答せず http://www.shutoken-net.jp/web040219_3tokyo.html (東京新聞2/19朝刊 社会面トップ) ─────────────────────────────── 【1-2】都立大教員の6割未提出 新大学への就任意思確認書 共同通信配信記事 2004年2月18日付 http://www.shutoken-net.jp/web040218_2toritsudai.html ━ AcNet Letter 58 【2】━━━━━━━━━━ 2004.02.20 ━━━━━━ 横浜市会に関する情報 ─────────────────────────────── (横浜市大を考える市民の会より) 横浜市会で市大問題が(定款等)取りあげられるのは、以下の日程 と思われます。開始はすべて午前10時です。 2月25日(水)本会議(第2日)一般議案議決、予算代表質疑 党によっては代表質問の中に定款に関する質問を行う可能性あり 2月26日(木)本会議(第3日)予算関連質疑、予算特別委員会設置・付託 党によっては代表質問の中に定款に関する質問を行う可能性あり 3月2日(火)予算第一・第二特別委員会連合審査会(総合審査) 党によっては定款に関する質問を行う可能性あり 3月11日(木)予算第一特別委員会(局別審査)第4日 定款について集中的に審議される模様 3月17日(水)大学教育委員会(予算議案等審査) 11日の審議に漏れた点などを検討する模様 3月19日(金)大学教育委員会(予算議案等審査)(市会HP未掲載) 11日の審議に漏れた点などを検討する模様 3月24日(水)本会議(第4日)予算議決 最終的に議決 お時間のある方は、是非傍聴にお出かけ下さい。 ─────────────────────────────── 【2-1】市民の会の陳情書:2004.2.12 提出 横浜市立大学の地方独立行政法人化に関する定款等の審議に関するお願い http://www.shutoken-net.jp/web040219_4yokohamaichiritsu.html ─────────────────────────────── 【2-2】「市大の解体を許すな!横浜市大と附属2病院の存続・ 発展を求める市民の集い」ダイジェスト版 http://www8.big.or.jp/~y-shimin/houkoku/040214.html ─────────────────────────────── ━ AcNet Letter 58 【3】━━━━━━━━━━ 2004.02.20 ━━━━━━ 134国公私立大学有志473名から横浜市議会への要請 平成16年2月20日(金) #(2/20 現在 150大学513名、7都道府県市民23名) #( http://poll.ac-net.org/1a で署名実施中) ─────────────────────────────── 横浜市議会大学教育委員会 委員各位 Cc: 横浜市議会議員 各位 国公私立教員有志473名一同 公立大学法人横浜市立大学の定款審議にあたり、全国の国公私立大 学134校の教員有志473名と、7都道府県の市民有志19名が、 横浜市議会議員のみなさまに、以下の要望書を再度送付いたします。 昨年12月1日に大学委員会委員の方々に同要望書を送付してより 新たに131名の大学界有志が連署に加わり、連署者が所属する大 学数も30校増えております。また、市民の有志11名が新たに要 請書への賛同の意を示されています。さらに、連署者からの新なメッ セージも寄せられています。 伝統ある横浜市立大学は日本社会の貴重な財産であり、市民の選挙 で選ばれた市長が好き勝手にしてよい横浜市の「所有物」である、 という認識は重大な思い違いではないでしょうか。社会の財産を担 い育む栄誉ある使命をどうか横浜市が今後も担っていかれますよう 願っております。 定款では、学長選考会議が選出する学長は理事長に従属する位置付 けが明記されており、市長が直接任命する理事長が実質的に大学を 統括する組織設計となっています。教員人事が教育研究審議会の審 議事項から外されているために、市長をトップとする大学管理体制 は徹底したものとなります。このような組織は自由闊達な精神活動 を大学から駆逐するもので「もはや大学ではなく専門学校である」 という永岑三千輝横浜市立大学が指摘する通り、大学という名に値 しないものです。 以下の要望書、および、連署者のメッセージをどうぞご一読いただ き、「定款」を超会派で子細に吟味し、「公立大学法人横浜市立大 学」が真の大学か否かを判断してくださいますようお願い致します。 ─目次─────────────────────────── (1)横浜市議会への134大学界有志469名の要請書 (1-1)連署者メッセージより (2)有志所属の134大学リスト (3)連署者名簿五十音順(2月19日現在467名) 市民賛同者名簿五十音順(2月19日現在19名) ─────────────────────────────── (1-1)連署者メッセージより 全体:http://poll.ac-net.org/1a/1poll-5-ikenhyouji.php [48] 私は、非営利・公共サービスの経営学を研究しています。サー ビス経営学の最新の研究成果では、構成員の自発性をいかにひきだ すかが質の高いサービスを提供する上で不可欠の課題とされており、 そのためには実際にサービスを提供する現場への権限の委譲が必要 であるとされています。これは、民間のサービス企業の成功事例か ら導かれた考え方であり、欧米で高く評価されているサービス企業 に共通しているものです。 横浜市立大学について、民間の経営手法を取り入れようという趣旨 から、トップに権限を集中させようという方向性が検討されている ようですが、これは、上記のような点からして、「民間の経営手法」 について偏った理解に基づくものであると言わざるをえません。仮 に大学をサービス業として理解し、そのサービス水準を向上させよ うとするのであった場合でも、より教職員の自発性を高める努力が 必要であり、トップダウン的経営は逆効果であることを指摘してお きたいと思います。(近藤 宏一・立命館大学・経営学部) [47] 研究成果及び教育成果は、特定時間内で産み出されたり、結 果するものではない。研究者の創造保護環境のもとでたゆまず努力 した結果であり、また、教師と学生との相互関係あるいはそれぞれ の創意工夫によって成果が形成され開花するものである。 威嚇・脅迫・強圧・締め付けといった方法での「成果追求」は、一 夜花・見かけのもの・底の浅いもの・上辺だけのもの、となりやす い。恐怖観念に追われて内容のない形式づくりに堕してしまう。 東京都立大学や横浜市立大学の実質解体方策は、奇をてらうもので、 教師集団が誠実に全力投球する意欲や姿勢を促すものではなく、まっ たく逆の事態を招く無内容のもので、決して容認できるものではな い。 もっと謙虚に、大学人の言い分に耳を傾けよ。大学改革は50年、 100年先を考えて内容づくりすべきもの。 2004年2月19日 茨城大学 教授 田村武夫 ─────────────────────────────── ━ AcNet Letter 58 【4】━━━━━━━━━━ 2004.02.20 ━━━━━━ ウェブログ「敬天愛人 格物致知」2004年02月15日 「独立行政法人首都大学東京」 http://www.myprofile.ne.jp/blog/archive/blue_tiger/243 ─────────────────────────────── #(許可を得て転載) 「タイトルは東京の都立大学4つが統合される新設大学である。石 原慎太郎都知事が肝いりで創設するものなのだろう。学長に内定し たのはあの西澤氏である。ミスター半導体で、岩手県立大学学長、 公立大学協会会長でもある。そして彼は教育基本法改正のために結 成された民間教育臨調(「日本の教育改革」有識者懇談会)の会長 でもある。 その民間教育臨調のホームページを見るとずっこける。決議文なる ものがある。それはこうである↓ 『今日、社会の広い分野に見られる頽廃現象は、主として戦後教 育の欠陥に起因するものであり、更にその責の大半は、利他より も利己、奉仕よりも権利を重んじる現行「教育基本法」がもたら した負の資産に帰せられるべきである。基本法改正を阻止してき たのは、占領軍による日本弱体化政策の受益者たる「革新勢力」 であるが、国民の支持は年を追うごとに減少し、教育界における 彼等の優位にも、ようやく退潮の兆しがみられるに至った。』 なんだこれは右翼か国粋主義者の決起文に近いし、戦後半世紀もたっ て占領軍の影響云々を述べている。未だに被害者意識しかない主体 性の無い意見である。GHQが作って強制的に国民に強いた法律だ から今の日本は駄目になった??おいおい、戦後教育?戦後ってい つの?ではないか。今は戦前かイラクに派兵したことを思えば戦中 ではないか。 さらに以下の決議文を見てのけぞってしまった。 (一)教育理念の根幹に、文化・伝統の尊重、愛国心の養成をすえ ること (二)道徳・宗教的情操の涵養を明記すること (三)家庭の意義と家庭教育の役割を強調すること (四)教育行政の責任と権限の主体を明確にすること (五)ジェンダーフリーに利用されるような項を設けないこと (六)現代文明の危機に対応するために我が国の教育が果たすべき使命 を謳うこと なんとレトロなコンセプト。 右派保守派の石原都知事が創設し民俗主義者?の西澤氏が統括する だろう首都大学東京は素晴らし成果をあげることだろう。しかし、 これでは少子化が進み数百年で、「我が国」の愛国心豊かで道徳的 で、保守的な家庭を強調し、教育の独立性より行政責任を尊重する 男尊女卑の我が民族は消滅するのではないだろうか。」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 編集発行人:辻下 徹 admin@letter.ac-net.org ログ:http://letter.ac-net.org/log.php 趣旨:http://letter.ac-net.org/index.php #( )の中は編集人コメント、「・・・・・」は編集時省略部分 登録と解除の仕方:http://letter.ac-net.org/s.html |