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『東京新聞』2004年2月18日付 都立大訪れ学長と懇談 首都大理事長予定の高橋氏 都が来年四月に開学する「首都大学東京」の理事長に就任予定の高橋宏氏 (70)が十七日、八王子市の都立大を訪れて茂木俊彦学長ら大学幹部と懇談 した。都の新大学構想への批判が噴出している都立大に、新大学の経営トップ となる高橋氏が自ら足を運ぶ異例の展開。都立大の教員からは話し合いの場が できたことに期待の声が上がる一方「結局は何も変わらないのでは」と冷やや かな見方も出ている。 高橋氏は元郵船航空サービス会長で、石原慎太郎知事の大学の同窓生。関係 者によると、都側からは高橋氏と都の新大学担当者、大学側からは茂木学長や 各学部長らが出席し、約二時間にわたり懇談した。 高橋氏は懇談後「都の改革についてフレキシブル(柔軟)にやることと、新 大学をいい大学にしようということで合意を得た」と話し「(対話に向けた) 大きな一歩になった」と述べた。茂木学長も「いい話し合いができた」と懇談 を評価した。 関係者によると、新大学に就任する意思を尋ねるために都が都立四大学の教 員に送付した「確認書」や、新大学に導入する予定の教員の年俸制・任期制な どについて意見交換したという。高橋氏は今後も、同大を訪れて話し合いを行 う意向を示したという。 都立大では、昨年八月の新大学構想発表後、教員や学生から構想への不満や 批判が相次いだ。都の担当者らが学校を訪れて話し合うことは、八月以降ほと んどなかったという。 出席した大学の教員の一人は「これまでと違い、人間的なやりとりができた」 と好意的に受け止める。しかし、別の教授は「高橋氏の姿勢には期待するが、 結局は都の事務方が従来通りの構想を進めようとするのでは」と懐疑的だった。 |