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新首都圏ネットワーク


『西日本新聞』2004年2月17日付

福教大 非常勤手当てを半減 法人化影響 人件費不足を"補てん"


 福岡教育大(福岡県宗像市赤間文教町、松尾祐作学長)は十七日、二〇〇四
年度分の教職員の人件費不足を補うため、同年度の非常勤講師手当を半減させ
る方針を明らかにした。今春の国立大学法人化に備えて新年度予算のシミュレー
ションをしたところ、人件費の大幅な不足が判明したためという。非常勤講師
の講義の凍結や合併など、各講座に対応を検討するよう要請しているが、講師
を手配済みの講義もあり、学内には反発が強まっている。

 同大によると、学内には計十六の講座があり、二百十一人の常勤教官のほ
か、〇三年度は二百三十人の非常勤講師が年間計八百六十六時間(四百三十三
コマ)の講義を担当。〇四年度は非常勤講師が年間三百八十九時間(百九十コ
マ)を受け持つ計画だった。

 しかし、昨年末に文部科学省が〇四年度運営費交付金を内示したのを受け、
同大事務局が初めて人件費のシミュレーションをしたところ、教職員の定期昇
給に相当する約四千四百万円が不足する計算になった。このため新年度に限り、
約八千九百万円だった非常勤講師手当を約四千五百万円に削減し、不足分に充
てることにしたという。

 大学側は一月二十一日付の「学長裁定」で方針を各講座に通知。常勤教員が
担当する講義の増加、非常勤講師が担当している講義の隔年開講化や少人数講
義の合併など、やりくりの検討を依頼しているが、学内には「既に内々に講師
をお願いしており、大学の社会的信用を失う」「なぜ予算が不足するのか理解
できない」など反発の声が上がっている。

 大学側は「これまでは不足分は文科省と調整すればよく、人件費の心配する
必要はなかった。あくまで計算上の話なので実際の規模は不確定だが、不足す
るのは間違いない」として、今月中に結論を出す考え。