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新首都圏ネットワーク


『朝日新聞』岩手版 2004年2月8日付

西沢県立大学長、初代首都大学東京の学長に


 「ミスター半導体」と呼ばれる西沢潤一県立大学長が来春、退職する意向を
固めたことが7日、分かった。東京都が来年4月に設ける「首都大学東京」の
初代学長に就任することがほぼ決まったためだ。退職の意向は増田知事などの
関係者にも伝えられている。最近はずっとノーベル賞候補とされている西沢氏
は、県立大学の「顔」として98年4月に就任したが、任期を1年ほど残して
去ることになる。

 西沢学長は朝日新聞の取材に「今、日本の教育全体を立て直さないと、この
国が沈没してしまう。何とかしたいと思っていたときに東京都から依頼があり、
就任を決心した」と話した。

 西沢学長は東北大工学部卒。光通信に必要な基礎技術を考案し、「ミスター
半導体」のニックネームを持つ。89年には文化勲章を受章した。国際的にも
評価は高く、米国電気電子学会から83年にモートン賞を、00年にエジソン
メダルを贈られた。02年には、同学会が「西沢メダル」を創設した。

 90〜96年に東北大総長を務めた。在任中に県立大の開設準備委員会ソフ
トウェア情報学部専門部会長になり、県立大の開設に深くかかわった。

 98年4月の開校から学長に就任し、02年に再任された。任期は06年3
月まで残っている。

 都の新大学の学長就任は昨春ごろ、石原知事から話があり、夏ごろに増田知
事に伝えて内諾を得たという。西沢学長は「岩手では楽しい生活をさせてもら
い、感謝に堪えない」と話した

 県立大は来年4月から公立大学法人になる予定だ。増田知事は「世界の西沢
さんに、あと1年で法人化後の県立大の基礎固めをしてもらう」と話した。後
任は「まだ決まってない」という。