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新首都圏ネットワーク


『京都新聞』2004年1月30日付

尾池京都大総長、大学教育の将来を語る
 京都政経懇


 京都政経文化懇話会、西京都政経文化懇話会の合同1月特別例会が30日、
京都市下京区のホテルで開かれ、京都大の尾池和夫総長が「これからの大学教
育」と題して講演した。尾池氏は4月からの国立大法人化を見据え、「国民に
信頼され、夢と期待を持たれる大学になるべきだ」と、今後の方向性を強調し
た。

 大学教育の現状については「長期的なビジョンが欠けている」と述べ、英語
や生命科学など一つの分野がもてはやされるものの、その状態が継続しない問
題を指摘した。また、「高等教育を公財政で行うのは当然で、予算を減らすな
どもってのほかだ」と、国立大法人化に伴う財務省の予算抑制方針を厳しく批
判した。

 さらに、「今後は講義のあり方も変わる必要がある」として教官の意識改革
を促したほか、「大学の講義をインターネットなどで、市民も見聞きできるよ
うにすることも大学の新たな役割になる」と述べ、「開かれた大学」の重要性
を強調した。