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新首都圏ネットワーク


2004年1月30日 金曜日
鶴岡市農協が山大施設を活用−特区緩和措置

 鶴岡市農協(遠藤稔組合長)は、山形大農学部の試験研究施設を使用して、「枝豆残渣
(さ)を活用した循環型農業のシステム化」に向けた研究事業をスタートさせる。構造改
革特区における規制緩和措置により、国の研究交流促進法に定められた国有施設の使用条
件が緩和されたもので、施設使用の認定書が29日、大学側から農協に交付された。

 鶴岡市では昨年4月、バイオテクノロジーの先端的研究拠点の形成促進などを目指す「
鶴岡バイオキャンパス特区」構想が、国の構造改革特区の認定を受けた。今回の大学施設
使用条件の緩和は特区における規制緩和措置の一環で実現。この日、同市の山形大農学部
で、仙道富士郎学長名の認定書が、粕渕辰昭学部長から農協側に交付された。

 鶴岡市農協が取り組む研究事業では、特産の「だだちゃ豆」の生産拡大を目指す上で懸
案となっている茎や葉などの残りかすをたい肥化することで、循環型農業のシステム化を
目指す。交流促進研究の認定を受け、同農学部生物生産学科の研究室を借り、研究の拠点
とする。

 関係者によると、従来型の産学連携と比べ、農協側がより主体的に研究が進められるよ
うになるほか、大学研究室を拠点とすることにより、専門知識を持つ、生物生産学科の高
橋敏能教授ら大学スタッフとの研究交流がしやすい―など、多くのメリットがある。

 同農協は、2002年度に策定した第7次地域農業振興運動計画で「枝豆1000ha構想」を
掲げ、03―05年度の3カ年で枝豆の生産面積を3倍に拡大することを目標としている。だが
、生産拡大に伴って発生する、約4000トンとも推計される茎葉などの残渣処理や、種子の
確保などが課題となっている。

 新たな研究事業では、残渣をたい肥化して有効活用する生産マニュアルの確立のほか、
連作障害のない土壌環境づくり、品質・食味・収量の安定化の研究にも取り組む。

◆鶴岡バイオキャンパス特区
 鶴岡市が国に提案した特区構想で2003年4月、国の構造改革特区の1次認定を受けた。ま
ち全体をバイオテクノロジーのキャンパスとして位置付け、産学官民が一緒になった研究
・交流活動を展開し、21世紀にふさわしい地域づくりを目指す。必要な規制緩和措置とし
て▽外国人研究者の招へいのための、残留期間延長や入国手続きの優先処理▽国有施設の
廉価使用条件の緩和▽特定農地貸付条件の緩和―などを盛り込んでいる。