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新首都圏ネットワーク


『毎日新聞』東京版 2004年1月22日付

都立新大学構想で4大学の教員代表者が声明


 都立大、科学技術大、保健科学大、都立短大の4大学を廃止して設立される
都立新大学(05年4月開校)構想に対し、4大学の教員の代表者が21日、
「開かれた協議体制の速やかな確立を求める声明」を発表した。声明に賛同し
た教員は計432人で、全教員の半数を超えた。

 一方、都大学管理本部は、呼びかけ人17人以外の賛同者が匿名になってい
ることから、「人数だけでは、賛同の有無など真偽が確認できない」と批判し
ている。

 声明で教員らは、「大学改革は大学の正規の代表者と行政とが手を携えて進
めるべきもの」とし、都の進め方は「一方的で独断的」と指摘。現大学の教授
会や評議会を土台とした新大学設立準備体制を求めた。

 4大学には、助手を含めて計795人の教員がいるが、声明への賛同者は、
全体の54%に達した。

 呼びかけ人の教員らは、この日都庁で会見し、石原慎太郎知事が年頭あいさ
つで「反対しているのは本当にどうしようもない学者ばっかりだ」と公言した
ことに対し、具体例を挙げながら反論した。

 都立大法学部の米津孝司助教授は「異を唱えるのは保身というのは、全くあ
たらない。教員定数上の不利益はないのに、法学系教員の過半数が声明に賛同
している」と説明。理学研究科の神木正史教授は「知事の発言には根拠がない。
実態を知らず、研究に対する評価能力もないのに、非常に怒りを感じる」と述
べた。

 また、八王子市南大沢の都立大でも同日、学生・院生集会が開かれ、学生た
ちは都側の説明不足を指摘した。

 石原知事は5日、幹部職員を前にした年頭あいさつで、「いかに知的にうぬ
ぼれている人間ほど保守的か」と、構想に反対する教員らを批判していた。
【奥村隆】