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『朝日新聞』武蔵野版2003年12月27日付 都立大人文学部長「情報操作即刻中止を」 知事の現状批判で都に抗議声明 「都は不正な情報操作を即刻中止せよ」。都立大(八王子市)の南雲智・人 文学部長が26日、こんな抗議声明を発表した。石原慎太郎知事が記者会見で都 立大の現状を批判、その中で、就職率などについて現実より悪いデータを羅列 したという。背景にはトップダウンの新大学構想をめぐる対立があるが、南雲 学部長は「公正を旨とすべき地方公共団体にあるまじきもの」と一歩も引かな い構えだ。 知事は24日の会見で、人文学部について「就職率は20%にも達していない」 「教員一人当たりの学生数は4・6人と極端に少ない」などと発言。事務当局も 同様の資料を記者に配布した。しかし、同学部の調査では就職率は49%で、大 学院などへの進学率も17%ある。教員一人あたりの学生数は、実際は9・9人だ という。 学部長声明は「都はこれまでも議会などでデータを歪曲して発表してきた」 「都立大を半ば解体し、人文学部の専攻の多くを廃止する方針の正当化のため と考えざるを得ない」などと批判している。 ***** 理工系教員も反対声明出す 新大学構想 都の新大学構想に対し、都立大(八王子市)と都立科学技術大(日野市)の 大学院の理工系教員らが26日、都のトップダウンの手法に反対し、改革に向け て開かれた議論を進めるよう求める声明を発表した。声明文には実名の85名を 含む110人が賛同、都の進め方を激しく非難している。 声明は「大学の改革は時の行政が一方的に進めるべきではない」「(都庁の) 大学管理本部がいう『大学改革』を認めることは、学生、院生のみならず、都 民、国民に対する責務を大学自身が放棄することになりかねない」などとして いる。 |