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『朝日新聞』武蔵野版 2003年12月25日付 新大学反対は「保身」 都立大教員らを石原知事が批判 「責任を棚上げにした、ただの保守」「悪く言えば保身、退嬰的」。石原慎 太郎知事は24日の定例記者会見で、新大学構想に反発している都立大の教員ら をこう評した。今後、構想について具体的な提案を出し、「学生や世間の評価 を待つ」としている。知事は現在の都立大の問題点として種々のデータを示し たが、強引な論法もあり、反発は一層強まりそうだ。 知事は会見の冒頭で新大学問題に言及。「文科系の人って割と古い、発想力 のない、非常に保守的な人が多くてね」「メディアの大方の諸君も、そっちに 加担して石原の足を引っ張れば痛快なのかもしれないが」などと反対論を皮肉っ た。 知事はその後、都立大の問題点を挙げ、「収入に占める補助金の率は72%。 私立大は平均12%」「教員一人当たりの学生数は10・9人。私立大(平均)は 35人」「人文学部の就職率は20%に達してない」などと話した。 しかし、公費依存が高いのは国公立大に共通の特徴で、それによって安い授 業料や多数の教員の確保、幅広い研究活動などが可能になる。私大などとは単 純な比較ができない問題で、現場には「ためにする批判だ」という声も上がっ ている。 |