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国立大学長懇談会の概要について(速報) 2003年12月19日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 国立大学長懇談会は、18日午後1時より如水会館で開催された。 はじめに挨拶にたった河村文科相は、国立大学への交付金は、本来義務的経 費であり、その姿勢に立ってやりたい、という主旨の発言を行った。 続いて遠藤高等教育局長などより、11点の資料(タイトルのみ後掲)をもとに 説明があった。ここでは、大略次のような説明があったと言う。 (1)文科省は、国大協の要望をもとに財務と折衝を行っている。12月24日の閣 議決定では、この問題についての決定は行われず、1月まで結論は先送り される予定である。 (2)財務省は、他の独立行政法人と同様に、「効率化係数」の導入を主張し ており、一般管理費について3%、教育研究費について1%の「効率化係 数」をかけると言っている。また、附属病院には経営改善係数として2% の効率化が求められている。これらの数値については決定しているわけ ではない。 (3)これとは別に(これに加えて)、2%のマイナス・シーリングがかけられる ことになっている。 (4)文科省としては、1)率を縮減する、2)効率化になじまない教育研究の基幹 的部分を対象外とする、という基本方針をもとに財務省と折衝中である。 しかし、基本的には効率化係数とマイナス・シーリングを避けることは 困難である。 (5)文科省としては、「新たな教育研究ニーズに対応するための『特別教育 研究経費』の枠組みを設け、所要額で措置」し、毎年度の増額を目指す つもりである。 (6)財務省からは、学生納付金について、一定期間毎に必ず増額改定するよ うな仕組みをルール化することを求められているが、それはしない方向 で折衝中である。 こうした説明に対し、40分程度の質疑応答の時間が設けられた。そこでは、 ○河村大臣の言う文科省本来の姿勢と遠藤局長の説明による文科省の現実の対 応とは違っているのではないか、○1か月遅らせていったい何が変わるのか、と いう批判が出された。また、共同通信12月18日記事によれば、○効率化で浮い た予算を教育研究の質向上につなげるのが法人化の趣旨なのに、吸い上げられ ては話にならない(電気通信大)、○基礎研究が衰退する(横浜国立大)、と 係数の導入自体に反対の意見も出た。さらに、○国が高等教育のグランドデザ インをどうするのか、という問題を正面から提起すべきだ、との意見も出され たと聞く。 問題は、文科省の「努力」にもかかわらず、力が足りず、財務省ほかの省庁 の要求を拒否できないことにある、と言われている。学長の中には、効率化係 数とマイナス・シーリングが同時にかかれば、たとえ増額の仕組みが導入され たとしても、地方大学を中心にただちに立ち行かなくなる大学が出てくる、地 方大学は毎年つぶれていく、という考えが一般的であるという。 文科省は1月初旬に各地区ブロックごとに大学に対して説明会を行う予定であ るという。これらを受けて国大協がいかなる態度を取るのかが問題である。 配布資料 1 中期計画と運営費交付金の算定ルールについて 2 運営費交付金算定ルール案の骨格 3 新たな教育研究ニーズに対応する増額の仕組み(案) 4 国立大学法人における効率化係数の扱いについて 5 附属病院運営費交付金の算定について 6 人件費・物件費区分の弾力化 7 授業料等学生納付金「標準額」の取扱いについて 8 国立大学法人の収支構造(イメージ) 9 大学共同利用機関法人・運営費交付金の算定ルール案の概要 10 国立大学法人法 11 国立大学法人法施行令 |