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新首都圏ネットワーク


共同通信配信記事 2003年12月8日

予算削減に「学長返上も辞さず」
 国大協が文科省に反発


 国立大の法人化に伴い、国から配分される予算が削減される可能性が出てい
る問題で、国立大学協会の佐々木毅・東大学長らが8日、文部科学省を訪れ
「(削減案が)実施されれば(学長としての)業務の遂行に責任を負いかねる。
学長指名の返上も念頭に置いている」とする河村建夫文科相あての文書を提出、
方針の見直しを求めた。

 国立大の各学長は既に、来年4月の法人化移行後も「学長になるべき者」と
して文科相から指名されている。6日の国大協理事会で25人の理事全員が返
上も辞さない姿勢に同意。これまで文科省と"二人三脚"で法人化を推進してき
た国大協が、スタート直前になって初めて反発姿勢を示した形だ。

 文科省は2005年度以降の運営費交付金の扱いについて11月、ほかの独
立行政法人と同様に毎年、一定割合で削減する対象とする財務省の意向を国大
協に伝え、同月末には人件費や付属病院経費の圧迫につながる算定ルールを提
示した。

 これに対し、文科相あての文書は「大学への説明や国会答弁とは全く異なる」
「国立大法人制度の基本的な枠組みを抜本的に変更する」と批判。その上で
「私たちと貴省との信頼関係は傷つくことになる」と警告した。

 記者会見した佐々木会長は「私たちが抱いている不安と不満の意思表示だ」
と述べ、副会長の石弘光・一橋大学長も「法人化後の評価で削減されるのは仕
方がないが、初めから削減の仕組みができることを心配する学長は多い」と続
けた。