新首都圏ネットワーク |
『東京新聞』2003年12月8日付 都の新大学構想に注文 都立大側、独自案提示へ 東京都立大学など都立四大学を廃止し二〇〇五年春に開学予定の都の新大学 構想で、都立大の茂木俊彦学長は七日までに、都の構想に対し学内で検討した 対案を提示していく考えを示した。 都の新大学をめぐっては、都幹部と四大学の学長らが昨年からカリキュラム などの検討を進めていたが、ことし八月に石原慎太郎都知事がそれまでの検討 内容を大幅に変更し、「都市教養学部」など四学部を新設し、他大学の単位を 認める「単位バンク」を導入するなどの新構想を発表。茂木学長がトップダウ ンの手法を批判する声明を発表するなど、都立大側が反発している。 都立大では、都の構想にある都市教養教育のプログラムや大学院などについ て九月ごろから独自のワーキンググループ(WG)を学内に設置し、検討を進 めている。都市教養教育については既に提案をまとめた。 都の構想では必修科目を設けないが、大学案では英語(第一外国語)を必修 とし、コミュニケーション能力養成に力を入れる。また、米国の大学で広く採 用されている成績評価システム(GPA)を導入するなどとしている。茂木学 長は「WG案を基にさらに学生や教職員の意見を聞き、大学改革に反映させた い」と話している。 一方、都は新大学の「都市教養学部」の教育課程などを設計するための基礎 資料作成を、大手予備校の河合塾(名古屋市)に外注することを決めたが、都 立大内部からは反発の声も出ている。 石原知事は先週末の定例会見で、予備校との協力について問われ「象牙の塔 にこもっている人は学部をまたいだ発想力はない。反対だけでなく代案を出せ ばいい」と述べていた。 |