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『日本経済新聞』2003年11月18日付 管理システム みずほ、国立大向け開発 法人化後の業務囲い込み みずほフィナンシャルグループは国立大学向けに、授業料などの徴収から財 務まで一括して管理できるコンピューターシステムを開発した。システムの導 入をテコに主力取引銀行の地位を獲得。来年四月の国立大学の法人化で必要に なる運転資金の融資や付属病院の経営コンサルティング、学生向けカードの発 行など新しい業務をグループで囲い込む狙いがある。 核になるのは授業料の入金確認や督促などを一括して実行できるシステム。 みずほグループの富士総合研究所やみずほ銀行が共同で開発した。同グループ が提供するコンサルティングサービスや財務管理システムと組み合わせて使え るようにした。 国立大学の管理システムはこれまで、特定の大学が国から資金をもらって開 発し、無料で他の大学に配っていた。法人化で業務内容が大幅に変わるため、 入れ替えが必要になっている。他の銀行グループも企業や私立大学向けのシス テムを改良して同様のサービスを提供するが、みずほは国立大専用のシステム を開発して差をつける。 国立大の年間予算規模は合計約二兆八千億円と大きいうえ、将来、国立大発 ベンチャー企業への融資や取引先企業への特許仲介が手がけやすくなるなどの 波及効果が期待できる。銀行による決済システムなどの受注合戦が激しさを増 している。 |