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『毎日新聞』2003年11月14日付 新都立大構想、都が文教委で審議 2010年まで身分保証 05年春に開設予定の新都立大学構想が13日、都議会の文教委員会で審議 され、大学管理本部は新大学設置後も、現在の都立大は10年度まで存続させ るとして、「在学生の学習権は保障される」と説明した。その間は、二つの大 学組織が存在することになる。現都立大の学則では最長8年間まで在籍できる ことになっているが、来春入学する学生は7年後に大学廃止となるため、管理 本部は大学側に学則の変更を要請するという。 この日の文教委では、委員から(1)現都立大在学生の意見を十分に聞いた か(2)新大学構想は民主的な議論のうえで決定されたか(3)新大学の具体 的な教育内容や入試の概要を早く公表すべきではないか――などの質問が出た。 管理本部は、学生の意見は「アンケートやインターネットで聴取した」とし て、今後の情報公開についても「十分な情報が学生個々に行きわたるように工 夫したい」と答弁した。また、各大学の教員らが新大学のカリキュラムを検討 する教学準備委員会では「自由闊達(かったつ)な議論が行われている」と答 えた。 一方、大学管理本部は13日までに、05年の開学と同時に新大学に暫定大 学院を置き、翌06年に研究科・専攻を全面的に再編する「2段階設置」の方 針を固めた。暫定大学院は、現在の都立大と同じ人文科学、社会科学、理学な どの研究科で構成し、募集は1年限りとなり、10年度末に廃止する。06年 以降に入学する院生向けには、各研究科を新大学の特性を生かした組織に再編 し、新大学院を改めて設置し直すという。【奥村隆】 |