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新首都圏ネットワーク


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Academia e-Network Letter No 15 (2003.10.27 Mon)
http://letter.ac-net.org/03/10/27-15.php

━┫AcNet Letter 15 目次┣━━━━━━━━━ 2003.10.27 ━━━━

【1】 暴走し迷走する教育行政

 【1-1】 パブリックコメント:学習指導要領改正案:11/4まで
http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000238.html

 【1-2】 改竄された教育改革フォーラムの議論
http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000233.html

  【1-2-1】156-衆-文部科学委員会-14号 平成15年05月28日 議事録より

 【1-3】 2002.11.30の「一日中央教育審議会」の実態
http://www2.tky.3web.ne.jp/~norin/kyokiho-tokyokochokai.html

 【1-4】2003「教育基本法『改正』問題に関する衆議院選挙全候補者アンケート」 
http://homepage1.nifty.com/peacenet/kyokasyogiin1.htm

 【1-5】 初等中等教育における成果主義の問題
http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000239.html

【2】東京都立大学問題
 
 【2-1】 東京都立大学1年生のアピール、2003年10月20日
  http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000252.html

 【2-2】 神戸大教職組緊急声明10/21
  http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000251.html

 【2-3】歴史学研究会委員会抗議声明
http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000250.html


【3】カナダの医療改革案をめぐる論争
週刊医学界新聞第2518号 2003年1月13日
http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2003dir/n2518dir/n2518_02.htm

【4】「弁護士報酬の敗訴者負担の取扱い」パブリックコメント5,134通
http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000236.html

【5】「スウェーデンにみる個性重視社会─生活のセーフティネット」
http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000235.html
二文字理明・伊藤正純編著

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━ AcNet Letter 15 【1】━━━━━━━━━━ 2003.10.27 ━━━━

暴走し迷走する教育行政

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【1-1】 パブリックコメント:学習指導要領改正案:11/4まで
http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000238.html

「文科省初等中等教育局教育課程課小学校、中学校、高等学校等の学習
指導要領等の一部改正に関するパブリック・コメント(意見提出手続)
の実施について
http://www.mext.go.jp/b_menu/public/2003/03102101.htm

概要

1 趣旨

中央教育審議会「初等中等教育における当面の教育課程及び指
導の充実・改善方策について」答申を踏まえ、小学校、中学校、
高等学校、盲学校、聾学校及び養護学校の学習指導要領等につ
いて一部改正を行い、新学習指導要領のさらなる定着を進め、
そのねらいの一層の実現を図る。

2 改正の内容
http://www.mext.go.jp/b_menu/public/2003/03102101/001.htm

提出期限 平成15年11月4日(火)」


‖ 報道では、「歯止め規制」の廃止だけ取り上げられてい
‖ るが、学習内容の習熟の程度に応じた指導、総合学習の
‖ 時間について学校としての全体計画の作成を義務づける、
‖ という重大な改変が含まれている。「習熟度別学習」が
‖ 重大な副作用を伴うため総合的にはマイナスの効果しか
‖ ないことは経験的に現場では知られていることだし、総
‖ 合学習について学校での全体計画などを義務つければ、
‖ 各教員が創意工夫を凝らすことは困難になるし、会議数
‖ が更に増大することは不可避である。

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【1-2】 改竄された教育改革フォーラムの議論
http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000233.html
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教育署名だより第10号 http://www5.ocn.ne.jp/~peace082/tayori11.htm

「・・・・・鳥居発言の正確な内容は5月28日の衆議院・文科委員
会でも求められ、遠山文科大臣自身が追って公表すると答弁した。
また、「教育基本法改悪に反対する教職員と市民の会」が行った文
科省交渉で、役人は「どさくさ」発言はあったと認めている(交渉
報告パンフ)。文科省のホームページにフォーラム報告(*)が掲載
されたのは7月29日で、その内容は新聞報道のものとは異なり、鳥
居会長の「問題発言」部分はほとんど消されたものだった。改ざん
されていた。・・・」

(*)http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/forum/03052501.htm

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【1-2-1】156-衆-文部科学委員会-14号 平成15年05月28日 議事録より

○児玉委員 ・・・・・新潟でいえば、彼は中央教育審議会会
長として基調講演をした。報道によれば、鳥居氏は、教育基本
法を指して、終戦直後のどさくさの中でつくられた法律でいろ
いろと問題がある、このように述べたようですね。

 周知のことですが、田中耕太郎文部大臣のときに、教育基本
法は教育刷新委員会、その中には、皆さん御存じの安倍能成氏、
南原繁、芦田均氏、天野貞祐、務台理作、関口鯉吉、森戸辰男
氏など多くの方々の真摯な論議の中から生み出されて、そして
その後、閣議、枢密院、第九十二回帝国議会の審議、私も最近
機会がありましたので、当時の会議録を読んでみて、この前の
議論でもその一部を紹介しましたが、そういうものだと。

 それを指して、どさくさの中でつくられた法律でいろいろ問
題がある、こういうふうに言えるのか。私は、鳥居氏が個人と
してあれこれ言うことについて取り上げるつもりは全くありま
せん。それはもう彼の自由でしょう。しかし、文部科学省主催
のフォーラムで中央教育審議会会長として行った発言は個人の
発言ではありません。この点、遠山大臣はどう考えますか。」

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【1-3】 2002.11.30の「一日中央教育審議会」の実態
http://www2.tky.3web.ne.jp/~norin/kyokiho-tokyokochokai.html
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「 ●「アリバイ作り」と批判●

公聴会の初日を終えた鳥居会長は、「制定から五十五年間ずっと改
正されていない教育基本法について、国民に理解してもらう必要が
ある。意見発表者の人選は、応募者全体の意見内容に合わせて案分
比で決めた。賛成六人、反対二人、その他二人、の三グループ。組
織的な応募があったかどうかは私には分からない。途中で質疑中断
の混乱があったのは残念だったが、もう少し冷静にやりたいね」と
感想を述べた。

文部科学省生涯学習政策局の布村幸彦政策課長は「性別、地域、年
齢など、幅広い意見が聞けるようにバランスよく発表者を選んだつ
もりだ。一方的な意見ばかりということはない。不規則的なことが
なければ、傍聴者との意見交換もやりたい」と語った。

これに対して、公聴会を傍聴していた東京都内の小学校男性教諭
(五三歳)は「十人の意見発表者がどういうふうに選ばれたのか、
とても疑問だった。『改正』に賛成する意見が多すぎて、あまりに
もアンバランスな印象だった」。東京都内の主婦(五○歳)は「あ
らかじめシナリオが用意されている出来レースのような公聴会だと
感じた。日本の伝統文化やアイデンティティーに固執し、女性の権
利を抑えつけようとする意見を聞いていて、戦前戦中の国防婦人会
を想像した」と話す。」

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【1-4】2003「教育基本法『改正』問題に関する衆議院選挙全候補者アンケート」 
http://homepage1.nifty.com/peacenet/kyokasyogiin1.htm
自民・公明以外の政党は返答済。
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【1-5】 初等中等教育における成果主義の問題
http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000239.html
平成15年10月10日文部科学大臣会見の概要
http://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/03101001.htm
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記者)昨日、財務省の財政制度等審議会が開催され、その中で
教員給与の優遇措置の廃止を求めるという議論があったようす
が、大臣はどのようにお考えですか。

大臣)「骨太方針2003」の中にも、教員の一律処遇から能
力等に応じた処遇システムへの転換に向けた検討を行うとして
あります。教員といえども、一律に処遇するのではなく、意欲
をもって取り組んでもらうため、努力をして成果を上げた者に
対して酬いることが必要ですから、一律処遇については見直す
方向で考えなければいけないと思っております。ただ、新聞等
での報道によると、人手不足も解消され、先生も十分確保でき
ているという議論もあったようですが、教員の人材確保につい
て定めた「学校教育の水準の維持向上のための義務教育諸学校
の教育職員の人材確保に関する特別措置法」の第1条の目的に
あるように「この法律は、学校教育が次代をになう青少年の人
間形成の基本をなすものであることにかんがみ、義務教育諸学
校の教育職員の給与について特別の措置を定めることにより、
すぐれた人材を確保し、もつて学校教育の水準の維持向上に資
することを目的とする。」ということですから、人手不足を解
消するためのものではなく、優れた人材を確保するための法律
です。これまでの日本の成長は、優れた教員を確保して人材育
成に努力してきたことによるものですから、財政論で教育を語っ
てもらいたくはない。一部の教員が問題を起こしているのでこ
のような御意見がでてきているのかもしれませんが、日本がさ
らなる人材育成の充実を図らなくてはいけない状況にある時に、
そのような方針を示すことが、日本の百年の大計にとってどう
いうことになるのか。小泉総理が言われた米百俵の精神は、財
政が苦しい時でもがまんをして、教育、人づくりを大切にしよ
うという精神です。財政制度等審議会、あるいは財政当局は、
そのことを忘れてもらっては困る。一律に財政論で教育、人づ
くりを語るというのは、本末転倒であり、それこそが日本の国
を危うくする考え方で、私はそこに強い憤りを感じております。

‖ 財務省の「横暴」への批判に声援を送りたいが、一方で
‖ は、教育における「成果主義」導入を当然としているこ
‖ とには懸念を感じる。

‖ 「成果主義」は、企業のように業績が数値で評価できる
‖ ところでさえ総合的にはマイナス効果となっているとこ
‖ ろが多い。効果が即効的なものではない教育について、
‖ 教員を評価することが困難なことは考えればわかること
‖ だし、初等中等学校のような小さな組織での評価行為は
‖ 「校長への忠誠度」などのような「勤務態度」の評価に
‖ 堕する危険性は大きい。)


━ AcNet Letter 15 【2】━━━━━━━━━━ 2003.10.27 ━━━

東京都立大学問題

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【2-1】 東京都立大学1年生のアピール、2003年10月20日

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都立大理学部1年44クラスアピール
東京都立大学理学部1年44クラス(化学・生物・地理)

私たち1年44クラス一同は、現在行われている大学改革に対し、
以下の意見を表明します。

以下 アピール本文

(1) 私達は現在行われている大学改革に対し、今後私達に保障され
る身分・進路等について学生への説明が不十分であり、また大
学の具体的な先行きが見えてこないという現状を、非常に不安
に感じています。

(2) よって学生への今現在の改革状況の正確な情報の全面的な公開
と、それをうけた私達に考え、発言できる環境が用意されるこ
とを、東京都及び東京都立大学側に要求します。

(3) そしてこれからの大学改革について、私達学生の側も積極的に
情報を取り入れ、考えていくことを、都立4大学のすべての学
生を対象に呼びかけます。

アピール文の解説

1.動揺…8月1日以降の大学改革についての動きをほとんど知ら
ないまま夏休みを過ごした多くの学生は、後期開始と同時に断片的
に飛び込んでくる情報に戸惑っている。「都立大がなくなる」「卒
業までの具体的カリキュラムの保障がない」「学費が上がる」「大
学院がなくなる」「学部が変わる」「都立大生として卒業できない」
等、深刻な内容の情報に不安を覚えている。将来に多大な影響を及
ぼす大学自体の先行きが見えない為、進路選択の指針を見失う学生
も多い。

2.要求…上記のような状態の原因は、根拠のある具体的な情報が
ないことにある。まずは、今現在大学改革が誰によってどのような
方向に進められているのかを、学生にはっきりと示して欲しい。ま
た、これまで私達の得た数少ない情報を総合すると、この大学改革
にはプロセスについても改革案についても多くの問題が含まれてい
ると見受けられる。よって、情報を公開するだけでなく、学生がそ
れについて考え、意見を言えるような場が必要であり、それらを踏
まえた上での大学改革であるべきである。

3.呼びかけ…以上のように、学生に向けた情報公開も発言の場も
提供されていない状況で現在進められている改革の方法は、私達学
生の意見を反映したものとは言い得ない。今こそ学生の側からも、
積極的に改革に対し意見を言っていくことが必要である。よって私
達は、都立4大学の学生を対象に、積極的に情報を取り入れ、考え
ていくことを広く呼びかける。

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【2-2】 神戸大教職組緊急声明10/21
http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000251.html
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(抜粋)

緊急声明−東京都による非民主的な都立4大学「改革」に抗議する−

 現在、東京都は新大学設立の準備を進めている。しかし、とくに以下の3
点に見られるように、今日に至るその手法は、非民主的で、健全な市民的常
識、「改革」の社会的な通念からかけ離れており、到底容認できるものでは
ない。・・・・・

 ここに私たちは、これまでの都の手法に抗議するとともに、教育に責任を
持つ教員、教育を受ける権利を持つ学生・院生の意見を広く聴き、議論を公
開しながら、大学改革を進めるよう、東京都に対して強く求めるものである。

2003年10月21日      神戸大学教職員組合中央執行委員会

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【2-3】歴史学研究会委員会抗議声明
http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000250.html
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都立4大学の廃止と石原都知事による「新構想」に対する抗議声明


石原慎太郎東京都知事殿
山口一久東京都大学管理本部長殿

 東京都は、石原慎太郎東京都知事のもと、2001年7月に都立4大
学(東京都立大学・科学技術大学・保健 科学大学・都立短期大学)
の統合を推進する東京都大学管理本部を都庁内に設置し、同年11月
には「東京都大学改革大綱」を発表した。これ以降、「東京都大学
改革大綱」に沿った形で、大学管理本部と都立4大学との間で新し
い大学のあり方について協議が重ねられてきた。しかし本年6月、
突如として大学管理本部長が更迭され、さらに8月1日、都は自ら
決定した「大学改革大綱」を何ら正当な根拠もなく突然覆した。こ
れまでの検討体制が7 月31日をもって廃止されたことを一方的に宣
言し、また、それまで自らも参加して練ってきた構想を破棄して
「都立の新しい大学の構想について」(以下、「新構想」)を発表
したのである。

 8月1日以降の「新大学」の検討体制には、科学技術大学学長・保
健科学大学学長・都立大学の各学部長・研究科長に対して「参加」
が要請された。しかし大学管理本部は、それら学長・学部長は、
「資源」としての既存の大学をよく知る個人の資格でのみ「参加」
を許すとし、したがって、学部などからの意見を反映させることは
おろか、検討の様子についても学内に一切公表しないことを求める、
という強圧的な手段を用いた。さらに都は、都立4大学の教員全て
に対し、「新 構想」に包括的に賛成し、教員配置や詳細設計の内
容について一切口外しないことを約束させる「同意書」の提出を要
求し、「新構想」を強権的に進めようとしている。

 以上の動向は、「設置者権限」を大きく逸脱した非民主的なやり
方であるのみならず、教職員・学生・院生の権利を完全に踏みにじ
るものである。また憲法・教育関連諸法規の認める学問の自由、大
学の自治を侵すものである。民主的な法治国家である日本において
は、このような蛮行は許されず、絶対に看過することはできない。

 また、以上の手続き上の問題に加え、現在示されている「新構想」
の中にも重大な問題がある。

 「新構想」では、人文学部は他学部(理学部・工学 部など)とと
もに都市教養学部に包摂され、現・人文 学部に存在する英文・国
文・仏文・独文・中文の文学科各専攻は消滅する。このような「新
構想」が実現すれば、大学が社会的責任として担う教養教育におい
て大きな位置を占める人文科学系の諸分野は、見る影もなく荒廃す
る。さらに「新構想」では、人文科学系の教員定数は現定員の半数
以下という、他の学部・学科に比して極端な削減が予定されている。
こうした事態が現実のものとなれば、人文科学系学科の修士・博士
課程の設置に必要な教員定数を満たすことが難しくなり、大学院生
の中には学業半ばで道を完全に失う者が出てくることは必至である。

 さらに、上記のような東京都主導の強圧的・独断的な大学の再編
がこのまま見過ごされた場合、独立法人化を目前とした他の国立大
学をはじめ、日本全国の大学の「改革」に悪影響を及ぼすであろう。
このことは、人文科学系の学術に大きな打撃を与えるものであるば
かりでなく、この国の「知」のあり方全体を根底から崩壊させるも
のである。これは、都立4大学だけの 問題ではない。「改革」に名
を借りた「知」の破壊である。

 以上の三点から、本会は、現在、東京都によって進められている
強圧的・強権的な大学の破壊を断じて容認しない。ここに、強く抗
議する。 以上

             2003年10月24日
歴史学研究会委員会

━ AcNet Letter 15 【3】━━━━━━━━━━ 2003.10.27 ━━━

カナダの医療改革案をめぐる論争
週刊医学界新聞第2518号 2003年1月13日
http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2003dir/n2518dir/n2518_02.htm

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近藤克則氏(日本福祉大学社会福祉学部)
「評価と説明責任の時代」の医療改革を
--公的医療費の拡大を打ち出したカナダ医療改革委員会勧告--

より

●カナダの医療改革案をめぐる論争

カナダで医療費の拡大を伴う医療改革勧告が発表された。・・・

公的医療費を9%追加拡大する改革案

 医療制度改革案の作成を首相から諮問された委員会(ロマノウ
委員長)が,1年半に及んだ審議を経て,2002年11月28日に47項目
の勧告を含む委員会報告を発表した。・・・

表1 ロマノウ委員会の改革案
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
・3年間で150億カナダドル(約1.2兆円)の総医療費拡大
・連邦政府から州政府への医療費補助額
(億カナダドル)
現行 改革案  差額 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
01−02年 81.4 81.4 0
02−03 81.6 81.6 0
03−04 84.1 119.1 +35
04−05 86.7 136.7 +50
05−06 88.2 153.2 +60
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

公的な医療保障の拡大への批判

公的医療費を引き上げて医療の公的な保障水準を高めるのか,公的
に保証する水準は下げて民間保険などを活用し,私的にまかなう部
分を増やしてアメリカのようにするのかの論点については,公的医
療保障の水準を引き上げる道を提案した。・・・当然ながら発表さ
れた改革案は民間保険会社を含む財界団体からは批判された。財界
団体のアンソニー会長は「われわれは失望した。改革案は他の選択
肢を無視している。例えば,長期的にみた医療財政の持続可能性
(sustainability)を考えれば,もっと民間セクターを活用するよ
うな道も考慮すべきである」とコメントをしている。

特権か市民権か

 このようなプライベート医療の拡充を迫る論調に対し,ロマノウ
委員長はこう反論している。

 「公的医療と民間のプライベート医療の併存を求める圧力は,わ
れわれが直面する重大な危機である。それは富める者向けの医療と
そうでない者向けの医療を作ることである。カナダ国民は,それを
望んでいない。一方,民間医療の活用を支持して小さい政府を擁護
する者が注目しているのは,政府の財政支出だけであり,国民の
(私的に負担する分を含む)負担ではない。必要な時に質の高い医
療に受診できることは,一部の(富める)者の特権ではなく,すべ
ての国民に保障される市民権(rightof citizenship)であるべき
だ」

━ AcNet Letter 15 【4】━━━━━━━━━━ 2003.10.27 ━━━
「弁護士報酬の敗訴者負担の取扱い」パブリックコメント5,134通
http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000236.html
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転載:「弁護士報酬の敗訴者負担の取扱い」についての意見募集結果
http://www.ac-net.org/law/03a20.html

司法制度改革推進本部事務局2003.10

当事務局において実施した標記の意見募集(平成15 年7月29 日から
同年9月1日まで実施)に対しては、5,134 件の意見が寄せられた。

本資料は、寄せられた意見の中から、弁護士報酬の敗訴者負担の取
扱いに関連する部分を引用したものである。なお、意見内容を引用
するに当たっては、誤字と思われる字を修正した上、要約し又は部
分引用にとどめるなどした。また、同趣旨の意見については、代表
的なものを引用している。

‖ 410の意見を羅列しただけの資料。本当に意見を尊重
‖ するつもりがあるのであれば、意見を整理すべきであろ
‖ う。5134通もの意見を410に集約する作業はどの
‖ ようにして行われたのか、そういうことも公表しなけれ
‖ ばならないはずだ。また、

‖ (363)ヒアリングや公聴会を行うべきである。

‖ というような意見は、別扱いにすべきではないのか?


━ AcNet Letter 15 【5】━━━━━━━━━━ 2003.10.27 ━━━━

「スウェーデンにみる個性重視社会─生活のセーフティネット」
http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000235.html
二文字理明・伊藤正純編著、桜井書店2002.4、ISBN 4-921190-16
http://www.sakurai-shoten.com/sweden.htm

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‖ スウェーデンは「左翼パラドックス」のない国と紹介されている
‖ (p173)。「左翼パラドックス」とは、多くの先進資本主義国
‖ で見られる現象で、

‖ 「労働者(特に学歴が低く低賃金の労働者)が保守政党に取り込
‖ まれているため、社会の多数を占める労働者の代表を名乗る左
‖ 翼政党が少数派に甘んじ、政権が獲得できないでいるというパ
‖ ラドックス。」

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編集発行人:辻下 徹 admin@letter.ac-net.org
ログ:http://letter.ac-net.org/index.php
趣旨:http://letter.ac-net.org/intro.php
#( )の中、‖で始まる行は編集人コメント、
「・・・・・」は編集時省略部分
登録と解除の仕方:http://letter.ac-net.org/s.html