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新首都圏ネットワーク


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Academia e-Network Letter No 13 (2003.10.19 Sun)
http://letter.ac-net.org/03/10/19-13.php

━┫AcNet Letter 13 目次┣━━━━━━━━━ 2003.10.19 ━━━━


【1】(投稿)学長への法人化に対する要望書/奈良附属組合のとりくみ

【2】奈良教育大学長への附属学校職員代表要望書(抜粋)
http://ha4.seikyou.ne.jp/home/kinkyo/index_link/20031003nara01.pdf
全文テキスト版:http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000232.html

 【2-1】 I.全学的なことにかかわる要求として 
 
 【2-2】 II.附属校・園の労働条件などについて−就業規則などに関する要求として 
 
 【2-3】III.政府・文部科学省に対する要求として 

【3】 最終報告10/10:学校法人制度の改善方策について あ
大学設置・学校法人審議会学校法人分科会 学校法人制度改善検討小委員会
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/daigaku/gijiroku/03080703.htm
http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000229.html

【4】 都立大の危機 --- やさしいFAQ
http://www.bcomp.metro-u.ac.jp/~jok/kiki.html

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━ AcNet Letter 13 【1】━━━━━━━━━━ 2003.10.19 ━━━
投稿

学長への法人化に対する要望書/奈良附属組合のとりくみ

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 わたしたちの組合・職場では、法人化に向けた学長への要望をま
とめ、第一次分として10月14日に提出しました。

 始めは組合委員長が要望書の代表者になっていましたが、各職場
で素案の検討をすすめるうちに、「ぜひ職場代表名で、、、」と提
案があり、組合加入のいかんを問わず多くの教職員が検討に参加し
ました。

 要望書の素案は、組合の就業規則検討委員会を中心として約半年
間かけて仕上げました。検討委員会を休みの日に一日中開いたこと
も二度ありました。素人ですのでわからないことも多く、その都度、
全大教や社会保険労務士さん、労働基準監督署に尋ねもしました。

 素案は、全大教近畿のホームページに、「国立大学の法人化にあ
たってのわたしたちの要求(第一次分)(PDF)」として掲載されて
います。
http://ha4.seikyou.ne.jp/home/kinkyo/20031001.htm#10/3_1

#─────────────

付小職場会議報告2003.9.24 三附属諸規定策定委員会
http://ha4.seikyou.ne.jp/home/kinkyo/index_link/20031003nara03.pdf

国立大学の法人化にあたっての奈良付属教組の要求( 第一次素案) について
2003.9.10奈良県国立大学附属学校・園教職員組合 就業規則検討委員会
http://ha4.seikyou.ne.jp/home/kinkyo/index_link/20031003nara02.pdf

─────────────#


━ AcNet Letter 13 【2】━━━━━━━━━━ 2003.10.19 ━━━

奈良教育大学長への附属学校職員代表要望書
http://ha4.seikyou.ne.jp/home/kinkyo/index_link/20031003nara01.pdf
全文テキスト版:http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000232.html
#(字数約15000)

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奈良教育大学長 柳沢保徳殿

                     附属幼稚園教職員代表  
                     附属小学校教職員代表  
                     附属中学校教職員代表  


国立大学の法人化にあたってのわたしたちの要求(第一次分)

わたしたちは、各附属校・園において、法人化後のあるべき学校・
園のすがた及びわたしたちの労働条件について話し合いました。

その話し合いのなかで出された要望を、ここに「国立大学の法人化
にあたってのわたしたちの要求(第一次分)」としてまとめ、新法
人の長に予定されている貴職に要望いたします。どうかこれらのこ
とがらの実現についてご努力ください。

なお、文面に「非常勤」「正規」「非正規」の指定のない事項は、
正規職員・非正規職員の双方に関することです。

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【2-1】 I.全学的なことにかかわる要求として 

新法人の長に予定される職にある者として、次のことの実現につい
て努力してください。

1.後述の「III.政府・文部科学省に対する要求」について政府・
文部科学省に要請すること。

2.学部や附属学校・園などにおける研究や実践をより発展させる
ために、法人への移行や今後の大学運営にあたって衆議院・参議院
の附帯決議を尊重すること。また、政府・文科省へも決議の尊重を
はたらきかけること。

*(要望の趣旨) 法人法参議院附帯決議・1「国立大学の
法人化に当たっては、憲法で保障されている学問の自由や大
学の自治の理念を踏まえ、国立大学の教育研究の特性に十分
配慮するとともに、その活性化が図られるよう、自主的・自
律的な運営を確保すること。」

同2・「国立大学法人の運営に当たっては、学長、役員会、
経営協議会、教育研究評議会等がそれぞれの役割・機能を十
分に果たすとともに、全学的な検討事項については、各組織
での議論を踏まえた合意形成に努めること。また、教授会の
役割の重要性に十分配慮すること。」

同・6「運営費交付金等の算定に当たっては、公正かつ透明
性のある基準に従って行うとともに、法人化前の公費投入額
を十分に確保し、必要な運営費交付金等を措置するよう努め
ること。」

これらは国会決議ですから、子どもたち、保護者、国民に対
して、この決議を守っていく責任があります。


5.(1)労働条件の改善 (ii)公立校・園教員との人事交流を
円滑にすすめるために、給与やその他の労働条件について格差を
なくすこと。

*近年における奈良県との人事交流の実態からも明らかなよ
うに、公立学校・園から赴任者を得ることは容易なことでは
ありません。それぞれ個別な理由もあると思われますが、非
公務員となり身分が不安定になること、給与などの労働条件
が低水準であること、1学級あたりの子どもの人数が多いこ
と、教育研究会や研究出版、教育実習など授業以外の実践課
題が多いにもかかわらず教員数が少ないことなどは共通した
理由です。

 奈良県・2003年度 
幼稚園 教諭一人あたりの園児数=13.6人
        小学校            =16.5人
        中学校            =14.1人

このままでは、「公立へ転勤する人はあっても、来てくれる
人はいないだろう」という“声”のとおりになりかねません。
これは、教育研究や教育実習の充実にとって重大な問題です。
労働条件を公立校・園の水準に近づける努力を強く求めます。


(3)非正規職員

非正規職員は、正規職員に比して労働時間が短いだけであり、労基
法などの労働関係諸法の適用を受ける労働者であるので、「短時間
労働者の雇用管理の改善に関する法律(パートタイム法)」にのっ
とり、就業形態や勤務条件を定めること。

*年次休暇制度や解雇予告など、適法な規程にしてください。
また、「子の養育又は家族の介護を行い、又は行うこととな
る労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにす
るために事業主が講ずべき措置に関する指針(厚生労働大臣
 2002.1)」に、「労働契約の形式上期間を定めて雇用され
ている者であっても、当該契約が期間の定めのない契約と実
質的に異ならない状態となっている場合には、育児休業及び
介護休業の対象となるものである、、、以下略」とあります
から、この点にも充分考慮してください。

「常時10人以上の労働者を使用する使用者は、、、」の
「常時10人」について、ある労基局の判断では、「雇用保
険対象となる週20時間以上の労働者」ということです。
「実質的に異ならない状態」については、労基局や労働監督
署の判断も仰いで、適正に運用してください。

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【2-2】 II.附属校・園の労働条件などについて−就業規則などに
関する要求として 

2.昇格・降格・・・・・・(3)本人が希望する場合は、教頭を
勤めている者が教諭に降格できるとすること。

*全国的には例があるし、文科省も前向きなのではないかと
思われます。

【朝日新聞・9.13・一部改め】 文科省は、校長や教頭
が自ら望んで降格する「希望降任制度」の実施状況も調査。
今年4月現在で制度があるのは19教委。昨年度は16教委
で計49人が利用。校長から教頭への降任はいなかったが、
校長から教諭への降任は2人、教頭から教諭への降任は44
人、その他3人。

(4)(3)以外の降格については、国家公務員法第78条に準じ
ておこなうこと。ただし、同条が本人の意に反して降格・免職でき
るケースの例としてあげている、「官制若しくは定員の改廃又は予
算の減少により廃職又は過員を生じた場合」については、法人化前
と後とでは前提としての大学制度が異なるので、これを転用しない
こと。

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【2-3】III.政府・文部科学省に対する要求として 

新法人の長に予定される職にある者として、次のことを政府・文部
科学省に要求してください。

1.衆議院と参議院の附帯決議を実行すること。

2.恒常的業務に長期にわたって就いている日日雇用職員や時間雇
用職員を正職員として雇用できるように、交付金を措置すること。

*国立大学の法人化をめぐる国会審議では、この問題を正面
から論じる時間がありませんでした。しかし、非常勤職員に
関する問題は重大な人権侵害だと思います。

ヨーロッパ諸国では同一労働同一賃金が常識的原則だそうで
す。「同一賃金、同一労働」、これはだれが考えても当然の
ことです。しかし、現実には、正規職員とほとんど同じ仕事
をしているにもかかわらず、3月31日だけ解雇されて4月
1日から勤務再開という歪んだ形で雇用されている非常勤職
員が全国の大学に多数います。

日本は、全体としてパート労働者の人権問題に対する理解が
低いのではないでしょうか。国立ではないとしても、文部科
学省が管轄する公的な法人である国立大学法人においてこの
ような法律違反すれすれの実態が続くことは、社会に対して
もよくないことです。

公的法人としての社会全体をよい方向に導く責務からも、こ
の問題の抜本的な改善をつよく求めます。


3.運営費交付金については、現行の教育研究を確実に実施できる
とともに、現行の労働条件を確実に維持できる額を保障すること。

(1)国会の附帯決議にしたがって運営費交付金の算定基準を早急
に明らかにすること。また、研究・教育活動にとって合理的なもの
にするために、大学の意見を聞くこと。

(2)一律に効率化係数を押し付けないこと。

(3)基本給などは、法人化に際しても現在の水準が維持できるよ
うにすること。また、教職調整額・地域調整手当など、支給につい
ての法的根拠が失われるものについても何らかの保障をすること。


4.労働安全衛生法の基準を満たすこと。

労働安全衛生法の基準を満たすために、各大学、部局の実態調査に
基づき、予算・人員の裏付けある措置をただちに実施すること。そ
の際、学生の安全についても考慮すること。

*職場の安全や健康に関する基準は、非公務員化されると人
事院規則16-4から労働安全衛生法にかわりますが、労働安全
衛生法違反は刑事罰に処せられます。しかし、法人法案審議
過程で、政府の予算措置がきわめて不十分であることが明確
になりました。労働安全衛生法の基準を満たさずに法人化を
実施することは許されません。

また、労働安全衛生法は労働者を対象にしたものなので、学
生が保護の対象から外れています。学生の安全と健康もあわ
せて考慮すべきです。

5.中期目標・中期計画の策定や業績評価にあたっては、大学の自
治と教育・研究の自主性を尊重すること。

(1)文部科学省は、中期目標の設定に際し、大学法人の意向を尊
重し、文部科学大臣の意向の押し付けを行わないこと。

(2)文部科学省、総務省は、中期目標・中期計画の評価を国民に
開かれたものにすること。


6.準備と移行に必要な予算・人員・時間を保障し、現在の大学運
営の重荷とならないようにすること。また、移行作業のための超過
勤務を最小限度にとどめ、超過勤務に対しては確実に超勤手当を支
給すること。

*大学の事務職員のこの間の事務量は大変なものになってい
ます。11時、12時にも電燈がついているのが日常茶飯事
ということです。自殺者の出ている大学もあるようです。

━ AcNet Letter 13 【3】━━━━━━━━━━ 2003.10.19 ━━━

学校法人制度の改善方策について
大学設置・学校法人審議会学校法人分科会
学校法人制度改善検討小委員会最終報告:2003.10.10
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/daigaku/gijiroku/03080703.htm
http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000229.html

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「・・・・・ 現在,我が国では教育界全体が大きな変革期を
迎えており,我が国の学校教育の中で重要な位置を占める私
立学校が今後とも健全な発展を続け,公教育の担い手として
社会の要請に十分にこたえていくためには,私立学校法の精
神を維持しつつ,学校法人の公共性を一層高めるとともに,
自主的・自律的に管理運営を行う機能を強化するなど,時代
の変化に対応して必要な見直しを行っていくことが重要な課
題となってきている。一方,近年の少子化,産業界の変革等
による社会経済情勢の変化に伴い,困難な経営状況に直面す
る学校法人が増加しつつあり,私立学校全体が厳しい競争環
境にさらされてきている。・・・・・このような現状に対処
していくため,今後の学校法人においては,・・・・・様々
な課題に対して戦略を持って主体的,機動的に対応していく
ための体制を強化していくことが必要となってきている。さ
らに,事前規制から事後チェックへという社会全体の動きの
中で,・・・・・小・中学校設置基準の明確化と幼稚園,小
学校,中学校,高等学校,専修・各種学校における自己点検・
自己評価の努力義務化が行われ,また,大学の学部・学科等
の設置認可の弾力化と第三者評価の義務付けなどが行われて
きている。・・・・・さらに,近年では,NPO法人制度や
中間法人制度など新たな法人類型の創設,公益法人の会計基
準や企業会計制度の見直し,国立大学や公立大学の法人化,
公益法人制度の根本的な見直しなど,学校法人制度にも密接
に関連する諸制度の改正等が行われつつある。」

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関連記事:蔵原清人「国立大学法人と学校法人の比較検討9/24
http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000158.html

━ AcNet Letter 13 【4】━━━━━━━━━━ 2003.10.19 ━━━

都立大の危機 --- やさしいFAQ
http://www.bcomp.metro-u.ac.jp/~jok/kiki.html
http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000231.html
http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000214.html
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#(教員向の総長説明会10/16に関する問Q51への回答より)

「ポーカス博士

いま言ったばかりだが,総長は基本的に大学改革を行う意志
を持っておる。しかしだな,10月7日の総長声明以来,大学管
理本部が改革派で都立大学が保守派だと見られているところ
があり迷惑しておるそうじゃ。大学管理本部は急進派で人の
言うことを聞かないアマチュアなんじゃな。都立大学こそ真
の改革派で,現実の教育現場の姿とカリキュラムを熟知して
いるプロ集団なのじゃ。

それから「同意書」の件は,もうさっき言ってしまったので
よいとして,新鮮だったのは,人文以外の学部でも今回の8
月1日以降の大学管理本部のやり方に強い不満を持っている先
生が多くいたという点だな。各学部の教授会で発言しても,
その様子は外には伝わらないからのお。

これで,大学管理本部長が「反対しているのは都立大の人文
だけ」と言ったらしいが,そんなことはないのを実感できた。
他の学部の先生たちにも,外に向かって発言できる場がなけ
ればならないと感じたな。なんとかせねば...」

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編集発行人:辻下 徹 admin@letter.ac-net.org
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