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都立大総長、石原知事の新大学構想に抗議声明 朝日新聞ニュース速報 東京都立大学の茂木俊彦総長は7日、石原慎太郎知事の下、同大学など都立4 大学を廃止し、新大学を設置する計画に「トップダウンの強行はきわめて遺憾」 と抗議する異例の声明を出した。「大学との開かれた協議を行う体制」を強く 求めたいとしている。 石原知事は00年ごろから「ドラスティックな大学にする。名前も変え、理想 の大学をつくる」「都では私がいちばん偉いんだから、だめならつぶしてしま えばいい」などと発言。都立4大学(都立大、科学技術大、短期大、保健科学 大)の再編統合を目指して検討していた。 都は01年の「大学改革大綱」で4大学を統合し、独立行政法人化して、人文、 法、経済、理、工、保健科学の6学部にする方針を公表。4大学は準備を進め てきた。 しかし、石原知事は今年8月、大綱を白紙化。4大学を廃止し、新大学を05 年度に開設する構想を発表した。 総長とは別に、知事が理事長を任命し、国公立大では初めて教学と経営を分離。 都市教養、システムデザイン、保健福祉、都市環境学部の4学部を設ける内容 だった。 単位互換の取り決めをしていない大学の講義や社会経験も単位認定する「単位 バンク」制度を採り入れ、教授らには業績主義を徹底し、年俸制、任期制を導 入する。 声明は、この構想について、「唐突にも、それまでの設立準備体制を廃止し、 構想を一方的に公にしたうえで、今後はトップダウンで具体化をはかるとし、 実際に強行している」「教員は自由に意見を述べる機会が保障されなければな らない」などと批判した。 さらに大学院の研究科の内容、基礎教育、教養教育の充実について「新たな提 案をする用意がある」と説明している。 茂木総長は「9月末、都の大学管理本部長あてに2回、意見書を出したが、都 の姿勢は変わらない。これは都立大だけでなく、全国の公立大に通じる問題な ので声明を出した」と話している。 一方、都大学管理本部の大村雅一・改革推進担当参事は「他の3大学は前向き なのに、総長の見識を疑う。新大学を設けるのだから、新しい学長の意思を反 映するためにトップダウンで進めるのは当然だ」と話している。 [2003-10-08-08:06] |