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新首都圏ネットワーク


大学入試センター試験監督に係る手当についての疑問  10/7/03

    山形大学職員組合書記長 品川敦紀

2004年4月の法人化に伴い、2005年1月の大学入試センター試験の監督業務は、
労働基準法の適用となります。

皆様の大学では、試験監督で出勤してから、退勤するまでの労働に対して、いくらの手当
てが支給されていますでしょうか?

山形大学理学部の場合、午前9時前から休憩をはさんで午後6時頃まで3科目分の監督を
行って、1万円あまりの手当が、時間外勤務(135%)3時間相当として支給されてい
ます。

この試験監督業務が休日出勤としての業務としますと、労基法では、平均賃金の125%
分の支払い義務が生じます。もし、試験監督業務が8時間であったとしますと、8時間分
の労働に対して、平均賃金の125%分として、教授クラスなら3万円以上の手当てが支
給されなければならなくなります。

そこで、大学入試センターからは大学に対してどのような額の経費が支給されているのか
、共産党石井郁子事務所で文科省に照会していただきましたところ、「試験監督の場合、
1時間あたり3940円、1日8時間と計算して合計31500円となる。実態に応じて超過勤務手当
として払われている。」との回答があったそうです。

そこで、その差額に関連して、山形大学入試課に照会しましたところ、「試験監督者は、
受験者50人に2人の割で計上されているが、山形大学では、監督者の交代要員の確保な
ど諸般の事情を考慮して、それ以上の人員の配置を行っている。」とのことでした。仮に
、受験者あたり50人に2人分の手当が、多く配置した監督者の人員で分割されたとすれ
ば、一人あたりの支給額が少なくなる事自体は理解できます(それにしても、ずいぶん少
ないように思いますが)。

しかし、問題は、労基法下では、それは、れっきとした犯罪になるということです。実労
働時間に対して正当な賃金を支払わなければ、使用者は罰せられます。予算がないから我
慢してくださいというのは理由になりません。

石井事務所の照会に対して、文科省は、「法人化後も、この考え方、やり方については変
わらない。労基法にのっとって、大学側の判断で今までと同額程度払われることになる。
」と回答し、入試センターとしては、手当の基準を見直す予定はないとのことでした。

としますと、2005年のセンター試験からは、監督者を50人に2人の規定数だけ配置
し、最低限の人数で、交代なして一日中監督業務を行い、3万円あまりの手当を支払って
いただくか、大学独自の予算から、自腹を切って、交代要員を確保しなければならなくな
ります。

これで、円滑な入試監督業務ができるでしょうか?