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新首都圏ネットワーク

『中国新聞』2003年9月12日付

新県立大、05年4月の開学へ 広島3大学統合


 広島県は十一日、県立三大学を統合して開設する新県立大の基本構想を策定
した。三大学の計五学部十三学科を四学部十一学科に再編する基本構想につい
て、三大学の学長も大筋で了承。新県立大の二〇〇五年四月の開学が事実上、
固まった。

 基本構想では、広島女子大(広島市南区)、県立大(庄原市)、保健福祉大
(三原市)を一大学三キャンパスに統合。経営学部を庄原から広島キャンパス
に移転するなどして、経営、生活文化(広島)▽生物環境(庄原)▽保健福祉
(三原)―の四学部十一学科に再編する。本部は広島キャンパスに置く。

 現在の学生定員は、三大学合わせて二千四百二十六人。統合・再編により新
県立大は、二百二十六人減の二千二百人とする。県は三大学の運営費に年間約
四十億円を支出しており、運営費の5―10%の圧縮を目指す。

 基本構想の中で県は、「地域貢献」を新県立大の大きな目標に掲げ、三キャ
ンパスにそれぞれ付属センターを設置。県や市町村への政策提言、産学官連携、
県民の生涯学習支援を積極的に展開する方針を打ち出した。学生に対しては、
資格取得など実践的なカリキュラムを提供し、社会人の受け入れなど柔軟な履
修システムも設ける。

 県は来年四月までに文部科学省に新県立大の設置認可を申請。〇五年四月に
開学し、〇六年度以降、遅くとも〇八年度までの独立行政法人化を検討する。

 これまで三大学は、一部学科の廃止や、県の構想策定の進め方などに異論を
唱えてきた。約四カ月間の協議の結果、少子化の進行や厳しい県の財政状況な
どを背景に三大学側も、大筋で理解を示すに至った。

 基本構想に対し広島女子大の今永清二学長は「苦渋の選択だが現実的な対応
で、県民の期待に応える大学づくりをする」、県立大の西岡忠義学長は「一部
学科の廃止など問題はあるが、基本的には理解できる」、保健福祉大の土肥信
之学長は「放射線学科の廃止は残念だが、基本構想が決定された以上、実現の
ために取り組む」とのコメントをそれぞれ出した。