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法科大学院開設で学部に「穴」、教員を公募…香川大 読売新聞ニュース速報 法科大学院(ロースクール)の開設に向け、教員の確保に各大学がしのぎを削 る中、香川大学の法学部が教員5人を公募している。 学部から法科大学院に教員を移す結果、学部の教員が不足したため、異例の“ 大量公募”を決断したという。法学系の博士課程を持つ大学に募集の文書を送 っており、受け取った大学では「国立大がここまでやるとは」と驚きの声が上 がっている。 香川大は、愛媛大と連合して、四国で唯一の法科大学院開設を計画している。 教員20人は、香川、愛媛両大学がそろえるが、弁護士からの就任も求める予 定。 ところが、学部から7人を出す予定の香川大では、ほかの教員が東京などの私 立大に移籍を決めたケースもあり、学部のゼミナールなどを受け持つ教員の穴 が埋まらず、公募に踏み切った。 現在の香川大法学部の教員ポストは38だが、民法、民事訴訟法、商法、刑法、 刑事訴訟法の5科目に1人ずつ、30歳前後の若手教員を募集している。博士 課程を修了した人材を、来年4月から講師か助教授として採用する予定だとい う。 法科大学院を作る大学の多くは、学部から教員を移すのに伴って入学定員を減 らすため、国立大の法学部定員は今年度より約16%減。香川大も2割に当た る40人を減らし、教員ポストも31になるが、それでも教員が足りなかった。 上村貞美・法学部長は、「1度に5人の募集は文系学部では珍しいが、特定の 人を一本釣りするよりは、国立大の公共性を考えて優れた人材が集まるよう公 募にした」と話す。 大学教員の公募は、国立大のほとんどで行われているが、中心は理工系。研究 者の“純粋培養”を避け、最先端分野対応のために、文部科学省も奨励してい るが、同省も「教員不足での公募は聞いたことがない」としている。 法科大学院には、72校が名乗りを上げているが、文科相の諮問機関、大学設 置・学校法人審議会の「教員審査」で、「不(適格)」「保留」などと判定さ れる教員が続出。25%の大学が入学定員に見合う教員確保のため、10月1 0日までに学部教員の配置換えや、外部からの教員招致などの「補正」を迫ら れており、教員“争奪戦”は激化しそうだ。 [2003-09-02-15:04] |