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新首都圏ネットワーク

 国立大学整備に1・3兆円
 東海村の陽子加速器建設も
 平成16年度の予算概算要求
 文部科学省

日本工業経済新聞社ニュース 2003年8月28日付

 文部科学省は平成16年度予算概算要求の概要をまとめた。一般会計の要求総
額は6兆7、405億3、200万円で、前年度と比較して4、185億2、
000万円の増額となっている。「国立大学法人化」などによる国立大学の整
備・充実に1兆2、710億2、200万円を新規要望しているのが注目され
る。これは平成15年度限りで国立学校特別会計が廃止され、一般会計に移行し
たことによる。法科大学院の新設は東京大、一橋大、横浜国立大、新潟大など
20大学、専門職大学院の新設は東北大、東京大など4大学、研究科などの新設
は総合研究大学院大、新潟大など6大学、学部の新設は岐阜大など2大学となっ
ている。このほか、「国立大学等施設緊急整備5ヵ年計画」の実施に794億
5、300万円を要望している。同計画では財政投融資資金642億円も要求
している。

 また、同省では「科学技術創造立国の実現」を目指し、各種研究開発の戦略
的かつ重点的推進を図るため、各研究開発費・施設整備費などのほとんどすべ
てを増額要求している。茨城県東海村に建設される大強度陽子加速器施設には
日本原子力研究所と高エネルギー加速器研究機構を合計して166億8、50
0万円が要求された。16年度は引き続きリニアック、シンクロトロン、物質・
生命科学及び原子核・素粒子実験施設の建設を進めるとともに、ニュートリノ
ビームライン第2期計画分を前倒しして建設に着手する。

 ライフサイエンス関係には907億6、600万円を要求。新規事業は▽ゲ
ノムネットワーク研究の戦略的推進▽革新的ながん治療法の開発に向けた研究
など。

 情報通信関係には628億8、800万円を要求。新規事業は▽知的資産の
電子的な保存・活用を支援するソフトウェア技術基盤の構築▽シミュレーショ
ン専用の計算速度加速システムの研究開発など。

 環境関係には730億3、800万円を要求。主要事業は▽全地球規模観測
研究及び地球変動予測研究の推進▽環境対策技術の研究開発の推進など。

 地震・防災関係には211億6、000万円を要求。主要事業は▽防災研究
成果活用による地域防災力高度化事業の実施・新規▽実大3次元震動破壊実験
施設の整備など。

 宇宙・航空関係には2、025億5、600万円を要求。主要事業は▽新た
な市場創出が期待される民間主導の準天頂衛星システム計画を推進▽国際宇宙
ステーション利用計画の重点化、民間活力導入などによる効率的・効果的な推
進など。