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薬剤師養成6年固まる 一貫教育と「学部、修士」


共同通信ニュース速報

 薬学教育の在り方を検討していた文部科学省の研究会議(末松安
晴座長)は二十九日、薬剤師養成の教育期間を現行の四年間から六
年間に延長し、六年一貫の学部教育と、四年間の学部教育に二年間
の大学院修士課程を課す二コースとすることを盛り込んだ中間報告
を文科省に提出した。
 薬剤師国家試験を所管する厚生労働省の検討会議は、受験資格と
しての教育期間を「六年一貫」とする方向で薬剤師法の改正を目指
しており、二コース制を主張する文科省との調整は残るが、教育期
間を六年とする大筋は一致した。
 文科省の研究会議は十月にも最終報告をまとめる。同省は中央教
育審議会に諮り、早ければ次期通常国会に学校教育法改正案を提出
する。
 教育期間六年制移行には、法改正後も大学側の体制整備が必要な
ため、数年かかる見通し。
 中間報告は、薬剤師には医療スタッフの一員としての役割のほか
、患者への服薬指導や事故防止などの業務への期待が高まっている
と指摘。
 現在の薬学教育を「化学中心で、薬剤師試験に対応するための詰
め込み教育になっている」と批判し、医療人として教養や倫理観な
ど高い人間性を養い、実務実習を充実させるため、六年間の教育が
必要と結論づけた。
 「教養教育や実習を有機的に組み合わせた総合的な教育が可能」
として六年一貫の学部教育を基本とする一方@早期に大学院で研究
できるA学部卒業後に薬剤師以外の多様な進路選択が可能―との理
由で、四年制学部と修士課程二年とするコースを併存させる必要が
あるとした。
 各大学がコースの設置を判断し、学生が容易に進路変更できるよ
うな柔軟な制度とすることも求めた。
(了)
[2003-08-29-10:49]