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『毎日新聞』2003年8月27日付 特殊法人:リストラ進まず 経費削減目標、17法人は1割程度 特殊法人改革で今年10月に特殊法人から独立行政法人に変わる32法人の リストラ計画案の全容が27日、明らかになった。8法人は、経費をこれまで より4分の3程度に減らすとしているが、半数以上の17法人は削減目標が1 割程度にとどまっている。特殊法人改革は、小泉構造改革の数少ない成果とさ れているが、実態は民間のリストラ努力と大きな開きがあることが浮き彫りに なった。 10月に改組されるのは34特殊法人。一部は統合されるため、32独立行 政法人に衣替えする。独立行政法人は運営の自主性を広げ、特殊法人よりも効 率を高めるのが目的。3〜5年ごとの経営方針を示す中期目標・計画が作られ る。 しかし、政府の特殊法人等改革推進本部参与会議が6月、独立行政法人に変 わる予定の34特殊法人にヒアリングしたところ、経費削減の目標値として3〜 5年間で最大5%程度しか掲げなかったり、目標値さえ示さなかった法人が大 半だった。 参与会議は「1〜2割の削減などを目標にいれるべきだ」と指摘。リストラ 計画案の作り直しを指示し、27日までにすべて出そろった。 リストラ策の中身は、常勤職員数の削減や光熱給水費の見直し、電話など通 信体制の効率化、文書のペーパーレス化など。大半が6月のヒアリング時にも 並んでいたありきたりの項目で、特に目新しい目玉は追加されていないが、削 減目標の数値だけが軒並み増えた。 半数以上の目標値は、10〜13%に集中。「1〜2割を目標に」という参 与会議の指摘を受け、最低ラインぎりぎりで見逃してもらおうという意図がう かがえる。 32独立行政法人の中期目標・計画は9月上旬に参与会議に報告されるが、 このまま認められる公算が大きい。【平元英治】 |