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新首都圏ネットワーク

県立3大学再編問題 「4学部11学科」案改めて提示

毎日新聞』広島版 2003年8月20日付

 県立3大学(計5学部13学科)の統合・再編問題で、県は19日、6月に
県議会文教委員会に提示した「1大学3キャンパス3学部11学科」案に替え、
広島キャンパス(現・県立女子大=南区)に1学部を増やす「4学部11学科」
案を改めて示した。当初案通り3キャンパス制は維持し、05年春の開学を目
指す。だが、文教委員や大学関係者からは「廃止する学科などについて、県民
が納得できる説明を」などと強い注文がついた。

 新しい再編案では、広島キャンパスに、経営学部(現・県立大=新大学の庄
原キャンパスから移設)と、生活文化学部(現・県立女子大の国際文化、生活
科両学部を合併)を置き、当初案で予定した国際経営学部の広島設置は取り止
める。

 また、県立大生物資源学部の生物資源管理学科▽女子大生活科学部生活環境
学科の衣食住・住生活系分野、同学部人間福祉学科の人間発達コース▽新大学
の三原キャンパスになる保健福祉大保健福祉学部の放射線学科が、それぞれ廃
止となる。

 変更理由について県大学企画管理室は「(三原へ行く予定だった)広島の健
康科学科の施設は一昨年に一部改修し、まだ新しい。県の財政を考えるととも
に、地域社会のニーズを踏まえた再編」と説明。廃止する学科は「専門的な教
育が卒業後に生かされていなかったり、就職が厳しい学科は社会的なニーズが
少ないと判断した」という。

 だが、今回の再編では、県が大学側に相談なく当初案を示したうえ、3大学
すべてで反対や要望の署名運動が起きている。文教委の田川寿一委員は「現場
の大学と一体となって改革を進めるべきだ」。石橋良三委員も「県立女子大の
80年間は、女子の全人的教育を守ってきた。単に就職という観点だけでの改
革は反対だ」などと、県を批判した。文教委を傍聴した浅野千恵・同女子大助
教授は「県は今日も、大学と十分に議論するというが、まだ一度も話し合った
ことはない。本当に大学側と議論してほしい」と話した。 【山口一朗】