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留学生の「質の確保」要請 大学ごとに交流方針設定 中教審


共同通信ニュース速報

 新たな留学生政策の在り方を検討していた文部科学相の諮問機関
、中教審の部会は十六日までに、入学時の学力や入学後の学習・研
究状況の把握などを通じて外国人留学生の質の確保に努めることや
、大学ごとに学長のリーダーシップのもとに受け入れや派遣の方針
を決めるよう各大学に求める中間報告案をまとめた。
 外国人留学生の不法就労問題などを受け「数」だけでなく「質」
を重視する方針に転換。国に対しても、これまでの受け入れ中心の
政策を改め、国際競争力強化のため日本人学生の海外派遣を積極的
に支援するよう提言している。
 正式な中間報告を九月中にも公表、一般の意見募集を経て年内を
めどに最終報告を提出する。
 中間報告案は今後五年間で少なくとも三万人前後の増加を予想。
経済のグローバル化が進む中で留学生交流の重要性が増していると
し、一層の推進を強調した。
 一方、酒田短大(山形県酒田市)で起きた中国人留学生の不法就
労問題などを受け「真に勉学や研究が目的なのかといった質の問題
への懸念が増している」と指摘し、在籍管理の徹底を大学に要請し
ている。
 来年度から大学や短大は教育・研究内容などについて第三者機関
の評価を受けることが義務付けられるが、この評価項目に受け入れ
体制や留学生に対する教育プログラムを含めるよう求めた。
 また日本の大学への私費留学を希望する外国人を対象に昨年から
始まった「日本留学試験」の結果も受け入れの参考にするよう促し
た。
 さらに、一部の部局だけでなく学長自らリーダーシップを発揮し
て留学生交流に対応するよう組織的な体制の確立を提言した。
 文科省によると、昨年五月現在、日本の大学や専門学校などで学
ぶ留学生は九万五千人を超え、今年十万人を超えるのは確実。政府
が一九八三年に掲げた「二十一世紀初頭に十万人を受け入れる」と
の目標を達成するため、中教審大学分科会に留学生部会を設置、昨
年末から今後五年程度を見通した新たな留学生政策を審議してきた

(了)
[2003-08-17-07:50]