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新首都圏ネットワーク


『北海道新聞』2003年8月5日付


改正案に一部教官反発 室工大学長の選考規則 「現職有利」、可決は微妙


 【室蘭】来年一月、任期満了に伴い、学長選が行われる室蘭工大の学長選考
規則について、現職学長が指名する学外メンバーを含む選考会議が次期学長候
補を絞り込む−とする改正案を田頭博昭学長がまとめ、六日の臨時教授会に提
案することが四日、同大関係者の話で分かった。学内で「現職有利の改正」と
反発の動きもあり、教授会で可決されるかどうか、微妙な情勢という。

 改正案は、来春施行の国立大学法人法の学長選考に関する規定を先取りする
内容で、文部科学省によると、道外の四つの国立大でも同様の動きがあるとい
う。

 室蘭工大の現行の学長選びは二段階方式で、助手以上の教官による二名連記
無記名投票で、上位五人に絞ったうえで、教官の投票で五人の中から一人を選
ぶ。

 関係者によると、改正が検討されているのは一次選考にあたる部分で、学長
が選ぶ学外メンバー(五人以内)と各学科ごとに選ぶ学内メンバー(七人以内)
による学長選考会議が四、五人をめどに学長候補を推薦する。

 これとは別に助手以上の教官が十人の連名で候補者一人を立てることができ
るが、候補者が多い場合は選考会議が絞り込む。

 田頭学長は当初、七月下旬の教授会に改正案を提案する考えだったが、これ
に先立つ大学運営会議で異論が出たため、提案を先送りしたという。

 改正案に対し、学内からは《1》学外メンバーを選ぶ現職学長に有利《2》
選考会議の候補者絞り込み過程が不透明−などの点が指摘され、一部の教官が
現行規則に近い対案を六日の臨時教授会に提案する動きも出ている。

 田頭学長は「学内で検討中の事項で、取材に応じることはできない」として
いる。