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『日刊工業新聞』2003年7月25日付 技・学術審、地震と火山の変動予測へ研究推進計画案を建議 科学技術・学術審議会は24日、地震と火山の両分野について、将来変動を予 測するシミュレーションモデルの構築などを目指す研究推進5カ年計画案をそ れぞれ遠山敦子文部科学相ら関係閣僚に建議した。海洋科学技術センターの世 界最高性能のスーパーコンピューター「地球シミュレータ」を活用するなどし て、地震の発生や火山噴火の可能性を高精度で算定できるようにする。政府は 今年度で終了する地震研究や火山研究それぞれの中期計画に続く次期計画に反 映させる意向だ。 両分野の中期計画案はいずれも大学や公的機関を通じ04年度から5年間取り 組む研究の具体策を示したもの。ともに目玉は次の発生時期や発生メカニズム を高精度で再現する数値モデルの開発で、それぞれ活断層の変化など地殻変動 に関する観測データ、低周波地震や火山性微動など火山活動と関係の深いデー タを基に数式を確定する。とくに地震予知では三陸沖や南海トラフ沿いなどの 重点地域に絞ったモデルづくりにも取り組む。 また両分野とも各研究機関が保有する調査・観測データを統一形式で一元管 理するデータベースの構築を目指すほか、人工衛星や航空機の高度利用など観 測と解析技術の高度化にも取り組む。さらに来春の国立大法人化で研究費の配 分が大学の自由な裁量に任せられると、地震や火山の調査研究が冷遇される懸 念があることから、国が十分な財政措置を講じるよう促している。 |