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国大協第16回特別委員会関連資料

(内容)
第16回議事次第
第16回議事メモ
資料1:名簿
資料2:中期目標
資料3:授業料
資料4:審議経過
資料5-1:審議抄録目次
資料5-2審議抄録
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第16回国立大学法人化特別委員会議事次第

日 時: 平成15年7月25日(金)10:00〜12:00
場 所: 東京ガーデンパレス 雅の間

T 議 題
 1.委員の交代等について
 2.中期目標・中期計画について
 3.学生納付金について
 4.今後の進め方について
 5.その他
U 資 料
 1.国立大学法人化特別委員会委員名簿
 2.国立大学法人の中期目標・中期計画の項目等について(案)
 3.国立大学法人化後の授業料について(検討状況)
 4.国立大学法人法案の国会審議経過
 5.国立大学法人法に関する国会における審議の概要
V 参考資料
 1.国立大学法人化特別委員会設置要項
 2.国立大学法人制度の適切な運用について(要請)
 別添(1)国立大学法人化についての国立大学協会見解
    (別添)国立大学法人制度運用等に関する国に対する要請事項等
 別添(2)国立大学法人制度運用に関する協議の場の設定について
 3.各常置委員会に係る今後の課題への対応等について(照会)

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第16回国立大学法人化特別委員会(議事メモ)

日 時: 平成15年7月25日(金)10:00〜12:00
場 所: 東京ガーデンパレス 雅の間
出席者: 梶山委員長、石副会長
     北原、中村、牟田、兵藤、宮田、吉本(代理:隆島東京水産大学長)、梶谷、河野、天岸、野上の各委員
     川村、小早川、森本、若杉、盛、神野、佐藤、柴田、北村、佐々木、長木の各専門委員
 梶山委員長主宰のもとに開会。
議事に先立ち委員長から、代理出席者の紹介があった。

[議 事]
1.委員の交代等について
  ○ 6月定例総会で三役及び常置委員会委員長が改選されたことにより、次の学長が委員に就任した旨、報告があった。
 ・ 第4常置委員長 兵藤埼玉大学長(前任者:隆島東京水産大学長)
   ・ 第6常置委員長 吉本東北大学長(前任者:鈴木東京医科歯科大学長)
   ・ 第7常置委員長 梶谷電気通信大学長(前任者:磯野千葉大学長)
・ 第8常置委員長 河野岡山大学長(前任者:佐々木東京大学長)
   ・ 中部地区代表理事 天岸静岡大学長
・ 近畿地区代表理事 野上神戸大学長
 ○ 九州大学の柴田教授に専門委員を委嘱した旨報告があった。(当面、各対応グループには所属しない。)
  ○ 文部科学省 清水審議官から、国立大学法人法案成立の報告と、国大協から要請のあった協議の場の設定については積極的に対応したい、との発言があった。

2.中期目標・中期計画について

○ 文部科学省高等教育局 合田高等教育企画課長から、国立大学法人の中期目標・中期計画の項目等について、資料2に基づき修正部分を中心に次のような説明があった。
   ・ 今回提出した資料は、昨年12月にこの法人化特委で御了解をいただいた未定稿資料を、国会における審議状況等を踏まえて修正したものであるので、改めて検討をお願いしたい。
   ・ 学部、研究科及び附置研究所を中期目標に記載することになったことを受け、その記載方法を明示(資料の最後の頁の左欄参照)。
   ・ 学部の学科や研究科の専攻については、基本的には大学の裁量で改廃が可能となるが、学科・専攻の設置に伴って、授与する学位の種類又は分野が変わる場合には、公私立大学における設置認可との均衡を踏まえ、認可事項である中期計画に記載することとした。
   ・ 「自己点検・評価及び当該状況に係る情報の提供に関する目標」については、法律上の文言に合わせて修正したもの。
   ・  備考については、中期目標・中期計画の記載内容に直接関係しないもの等、あえて記述を要しないものを削除している。つまり、従来の考えを変更したために削除しているのではないので、例えば、分量についても、12月の資料で記載していた分量を目安と考えていることに変わりはない 。
   ・  備考の1.では、本資料の基本的性格を明示している。実際の記載ぶりについては、大学の個性を一層明確化するためにも、その特性に応じてそれぞれ工夫していただきたい。
   ・  備考の2.では、中期目標・中期計画の素案の提出時期を9月中としている。もちろん9月末以前に準備が整った大学はその時点で提出いただいてもよい。なお、中期計画本文の最後にある「その他の記載事項」については、関係省庁と協議する必要がある点もあることから、9月中に提出する必要はなく、別途連絡する時期に提出いただくことになる。
   ・  備考の5.の学部・研究科単位での固有の具体的な事項を記載した参考資料については、中期目標・中期計画に記載された内容の背景等を理解するための参考情報として、各大学に提出をお願いしていたが、国会でこの資料を巡り提出は任意でよいのではないかとの指摘がなされた。その点についても御検討をいただきたい。
   ・  備考の6.の学生の収容定員については、資料の最後の頁の中欄で、その具体的な記載方法を明示した。ただし、医師、歯科医師等の5分野については、公私立大学の場合も厳格な定員管理を行っていることを踏まえ、これらの分野の養成課程に係る定員を内数で記載していただきたい。 
   ・  備考の8.では、資料の最後の頁の右欄のように、届出事項である「年度計画」の中に各学部・研究科に置かれる学科・専攻の名称を記載していただくこととしている。なお、年度計画は、認可後の中期計画の内容に基づいて作成するものであり、中期計画案の認可申請時に同時に提出していただく必要はない。

  ○ 法制化対応グループの幹事から、次のような発言があった。

・ 12月段階で示された資料と基本的部分は同じなので、大きな問題はないと判断される。
・ 学部等について、別紙の扱いではなく、中期目標の本文に別表に記載するものを教育研究上の基本組織とする旨書き込むことは、省令で位置付ける意味合いに近いと評価できる。

  ○ 今回の修正に関し、次のような意見交換等が行われた。

・ 中期目標の別表として記載する「学部、研究科、附置研究所」の範囲はどこまでか。また、6項「3」の「学部・研究科・附置研究所等」の「等」の範囲はどうか。
→ 別表として記載する「学部、研究科、附置研究所」とは、現在、教育研究上の基本組織として位置付けられているものである。したがって「等」については、学部・研究科以外の教育研究上の基本組織(「学群」、「学府」、「研究院」等)を想定している。

   ・ 6頁「4」の分量の目安が無くなったが何枚でもよいということか。
  → 具体的分量は削除したが、考え方の基本は同じである。

・ 今回の修正によって改善が図られることになると思われるが、修正の意図を各大学に伝える必要がある。例えば、分量についても何頁でもよいという趣旨の変更ではないといったことは、各大学に伝わるようにする必要がある。

・ 6頁「7」で、具体的な評価の方法・基準等を検討する機関として大学評価・学位授与機構を削除するとともに、「また」以下を削除しているが何故か。
→ 中期目標・中期計画の項目等に関する説明とは性格が異なる記述と思われるためであり、内容、考え方を変更したために削除したものではない。  

・ 6頁「7」の「達成度評価」が「達成状況評価」に修正された趣旨が、単なる「達成度」だけでなく、高い目標に対する取組状況等も含め広く評価を行うということであれば好ましい。
→ 基本的にご趣旨の通り。

・ 「7」の評価と資源配分の問題については削除されているのは何故か。
→ 中期目標・中期計画の項目等に関する説明とは性格が異なる記述と思われるためであり、内容、考え方を変更したために削除したものではない。なお、この問題の検討にあたっては、国大協とも十分に連携を図っていきたい。
   
・ 中期目標期間終了後の評価について、次期の中期目標等に反映させるためには、6年後ではなくそれ以前に評価を行う必要があるのではないか。
→ 評価のスケジュールは評価委員会が決めることになるが、少なくとも次の中期目標期間の初年度の概算要求を行う6年目の夏にはある程度の評価結果が出ていないと次期の運営費交付金に反映させることはできないのではないかと考えている。

・ 中期目標を途中で変更する必要がある場合にはどのような手続きになるのか。
→ 中期目標を当初定める時と同様の手続きとなる。(国立大学法人法第30条第3項)


・ 中期目標・中期計画の素案の作成について、評価委員会への提出前に調整を行うことはあるのか。
→ 文部科学省としては、今後、中期目標・中期計画の素案の作成について、各大学から質問があれば説明すること等はあっても調整を行うことはない。各大学から提出された素案をそのまま評価委員会に付す。なお、各大学から提出された素案に対しては、評価委員会が意見を付けることは考えられる。

・ 評価委員会の意見と大学の意見との調整が必要な場合には、文部科学省はどのように調整するのか。
→ 大学から提出された素案の修正は、評価委員会の意見等を踏まえ、文部科学大臣が各大学と十分に意見交換をしながら、合意を形成していくことになると考える。なお、評価委員会の審議は公開されるため、修正を加える場合も含め、すべて経過がオープンになる。
   
・ 年度計画は、いつ提出することになるのか。
→ 年度計画は、中期計画の正式な認可後に提出していただくことになる。

・ 各大学の中期目標だけでなく、それを束ねる国としての高等教育についての中期目標が必要ではないか。
→ 国全体としての観点は必要であり、評価委員会でも議論になるのではないか。その場合は、中期目標期間の6年という期間にとらわれずに考える必要がある。

・ 中期目標・中期計画の策定及び認可に関しては、そもそも大学の自治を尊重するということが前提としてあるわけで、法律論としても大学の意見に配慮することなく文部科学大臣が策定等をするといった運用がなされれば違法ではないか。
→ 基本的に御指摘の通りと考えているが、国の財政が限られているということなどから、結果的に必ずしも原案通りとはならない場合もある。
   
・ 財政的負担が増えるのであれば中期計画に書き、認可を受ける必要があるだろうが、それ以外のものは認可を受ける必要がないのではないか。
→ 中期計画は予算要求書ではない。社会に対する説明責任を果たす意味において、大学がやろうとしていることを示し、その実施について、国としての確認を取り付けるもの。大きく変われば変更していく、ということでないかと考えている。

 ・ 何故「認可」が必要なのか。
・ 認可とは、大学と国との「契約」の意味と考えられるのではないか。届出では文部科学省に無視されても仕方ないとも言える。
→ 単なる届出でなく、国が認可するということは、その実施について国としても果たすべき責任を果たすという確認を取りつけるということ。
   
・ 各大学がやりたいことを積み上げていくと相当な予算規模になることが考えられるが、その調整はどのように行うのか。
   → 中期目標・中期計画のベースとは別に、予算規模については予算要求のプロセスを通じての調整が必要であろう。それにより必要があれば中期目標・中期計画を変更するという関係になると考えている。

  ○ 委員長から、今回提出された修正案については本特別委員会として了承するので、本特別委員会での意見交換等を踏まえ、修正された本資料について、その趣旨も含め適切かつ早急に各大学に示すよう文部科学省にお願いする、との発言があった。 

3.学生納付金について

  ○ 文部科学省高等教育局 戸渡学生課長から、国立大学法人化後の授業料の検討状況について、(資料3)の説明があり、次のような点が補足された。

   ・ 学生納付金については予算事項であるため、政府として確定するのは12月になるが、8月末の概算要求で具体的数字を出す必要がある。概算要求のスケジュールをみながら、出来るだけ早急に示したい。
   ・ 「一定の範囲」については、現行を極端に上回らず、かつ幅を持たせる趣旨を考慮すると1割から2割となることが予想される。
     なお、下限を定める必要はないと思われ、標準額と上限のみ定める方向で検討を進めている。
・ 基本的に全学部・研究科を通じて同一の額で標準額と上限が定められるが、経営努力にもかかわらず学部等で差を設ける合理的な説明ができるのであれば、結果として学部等間で複数の額とすることはあり得ると思われる。

  ○ これに対し、次のような意見交換等が行われた。
   
・授業料と運営費交付金との関係はどのようになるのか。
→ 標準額を上回る授業料設定をした場合の運営費交付金との関係について、文部科学省としては、授業料設定と連動して運営費交付金を減額調整する仕組みを導入することは考えていない。
  また、運営費交付金は標準額を基礎として算定されるものであり、標準額を下回る授業料設定をした場合には、自己財源から捻出することとなるものと考えられる。

・入学金、検定料の定め方はどのようになるのか。
→ 入学金、検定料についても、同様に標準額と幅を定める。

・授業料免除の仕組みはどうなるのか。
   → 現行の授業料免除と同様の仕組みを維持したいが、規模を同じにすることは厳しいかもしれない。


   ・法科大学院の授業料はどのようになるのか。
   → 法科大学院については、標準額を定める。70万円から80万円程度で設定することで検討をしている。
   
・外国人学生の授業料の扱いを変えることは考えているのか。
→ 外国人学生について、別の標準額とすることは考えていない。

  ○ 委員長から、国立大学法人制度の下における学生納付金の在り方について、関連する常置委員会としても検討をお願いする、との発言があった。 


4.今後の進め方について

(1)政省令の検討について

○ 文部科学省高等教育局 清木大学課長から、今後の政省令策定作業の進め方について、次のような説明があった。

   ・ 今後の政令、省令の制定については、予算・組織関連のものは年明け後、それ以外は基本的に法律の施行日である10月1日前となることを想定している。
   ・ 国大協の意見を十分に聴き進めていきたい。
   ・ そのため、法案の検討と同じように、法制化対応グループと事前に調整を行い、専門家の立場からご意見を伺った上で法人化特委に示したい。

  ○ 法制化対応グループの幹事から、法技術的内容の部分もあり、法制化対応グループがまず対応し、法人化特委でご審議いただく進め方でいかがか、との発言があった。

  ○ 今後の政省令策定作業については、法制化対応グループが文部科学省との窓口となり対応することとなった。

(2)各常置委員会との関係について

  ○ 委員長から、各常置委員会としても法人化に関連する事柄について検討する方向が出されており、今後の本特別委員会と各常置委員会の役割分担等について、ご意見を伺いたい、との発言があり、次のような意見交換等が行われた。

   ・ 人事関係の事項については、これからの課題が山積している。各法人に任せておけばよいということにはならないと思われる。法人化特委と常置委員会のリンクの在り方を考えながら対応していきたい。
   ・ 定められる政省令事項のリストを示してもらい、どのような課題への対応が必要かを検討してはどうか。


  ○ 今後、各常置委員会に関係する法人化関連事項については、それぞれの委員会で検討を行い、その結果等を国大協の名を冠して内外に公表、要請するような場合には、本特別委員会と調整しつつ行うこととなった。
また、委員長から、各常置委員会の課題整理がまとまり次第、本特別委員会との役割分担等について、関係常置委員長とご相談する、との発言があった。

5.その他

〇 委員長から、次回委員会については、9月第1週に予定したいとの発言があった。

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資料1:名簿

国立大学法人化特別委員会委員名簿

選出母体等

氏   名

      備     考

 会 長

    佐々木   毅

 (関東・甲信越)      東京大学

 副会長

    石   弘 光

 (関東・甲信越)       一橋大学

 副会長・委員長

    梶 山 千 里

 (九州)            九州大学

 第1常置委員会

    北 原 保 雄

 (関東・甲信越)       筑波大学

  

    中 村 睦 男

 北海道・東北)       北海道大学

  

    牟 田 泰 三

 (中国・四国)        広島大学

  

    兵 藤   サ

 (関東・甲信越)       埼玉大学

  

    宮 田 清 蔵

 (関東・甲信越)       東京農工大学

  

    吉 本 高 志

 北海道・東北)       東北大学

  

    梶 谷   誠

 (関東・甲信越)       電気通信大学

  

    河 野 伊一郎

 (中国・四国)        岡山大学

 地区代表理事

   天 岸 祥 光

 (中部)        静岡大学長

 地区代表理事

   野 上 智 行

 (近畿)              神戸大学長

 専門委員

    川 村 正 幸

  一橋大学副学長・教授  会社法

 専門委員

    小早川 光 郎

  東京大学教授          公法学

 専門委員

    森 本   滋

  京都大学総長補佐・教授  商法

 専門委員

    若 杉 隆 平

  横浜国立大学学長特別補佐  国際経済学

 専門委員

    盛   誠 吾

  一橋大学教授     労働法

 専門委員

    神 野 直 彦

 東京大学教授          財政学

 専門委員

    佐 藤 誠 二

  静岡大学学長特別補佐 会計学

 専門委員

    柴 田 洋三郎

  九州大学教授          基礎医学

 専門委員

    北 村 幸 久

  東北大学副学長

 専門委員

    佐々木 順 司

  東京工業大学事務局長

 専門委員

    長 木 正 治

 熊本大学事務局長


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資料2:中期目標

 国立大学法人(仮称)の中期目標・中期計画の項目等について(案)

                                               平成15年7月                                                                                                                             

中 期 目 標

中 期 計 画

(前文)大学の基本的な目標

(注)大学の基本的な目標や使命を、自らの特性を踏まえ一層

  の個性化を図る観点から、明確かつ簡潔に記載してくださ

  い。

T 中期目標の期間及び教育研究上の基本組織

 1 中期目標の期間

 2 教育研究上の基本組織

 (注)この中期目標を達成するため、別表に記載する学部、

研究科及び附置研究所を置く旨を記載してください。

U 大学の教育研究等の質の向上に関する目標

1 教育に関する目標

(1)教育の成果に関する目標

 (注)必要に応じ学士課程・大学院課程等に分けて記載して

   ください。











(2)教育内容等に関する目標

  (注)1.必要に応じ学士課程・大学院課程等に分けて記載

     してください。

     2.アドミッション・ポリシーに関する基本方針や、

     教育課程、教育方法、成績評価等に関する基本方針

     を記載してください。


(3)教育の実施体制等に関する目標

 (注)教職員の配置、教育環境の整備、教育の質の改善のた

   めのシステム等に関する基本方針を記載してください。

T 大学の教育研究等の質の向上に関する目標を達成するためにとるべき措置

1 教育に関する目標を達成するための措置

(1)教育の成果に関する目標を達成するための措置

 (注)1.必要に応じ学士課程・大学院課程等に分けて記載してください。

    2.各年度の学生収容定員を別に記載してください。(様式は別紙参照)

    3.記載事項の例:

      ○教養教育の成果に関する具体的目標の設定

            ○卒業後の進路等に関する具体的目標の設定

            ○教育の成果・効果の検証に関する具体的方策 など

(2)教育内容等に関する目標を達成するための措置

 (注)1.必要に応じ学士課程・大学院課程等に分けて記載してください。

    2.記載事項の例:

      ○アドミッション・ポリシーに応じた入学者選抜を実現するための具体的方策

      ○教育理念等に応じた教育課程を編成するための具体的方策

      ○授業形態、学習指導法等に関する具体的方策

      ○適切な成績評価等の実施に関する具体的方策 など

3)教育の実施体制等に関する目標を達成するための措置

 (注)記載事項の例:

      ○適切な教職員の配置等に関する具体的方策

















(4)学生への支援に関する目標

 (注)学生の学習支援や生活支援等に関する基本方針を記載

   してください。






2 研究に関する目標

(1)研究水準及び研究の成果等に関する目標

 (注)目指すべき研究の水準や、成果の社会への還元等に関

   する基本方針を記載してください。







(2)研究実施体制等の整備に関する目標

 (注)研究者等の配置、研究環境の整備、研究の質の向上シ

ステム等に関する基本方針を記載してください。
















3 その他の目標

(1)社会との連携、国際交流等に関する目標

 (注)教育研究における社会との連携・協力、国際交流・協

   力等に関する基本方針を記載してください。












(2)附属病院に関する目標

      ○教育に必要な設備、図書館、情報ネットワーク等の活用・整備の具体的方策

      ○教育活動の評価及び評価結果を質の改善につなげるための具体的方策

      ○教材、学習指導法等に関する研究開発及びFDに関する具体的方策

      ○全国共同教育、学内共同教育等に関する具体的方策

      ○学部・研究科等の教育実施体制等に関する特記事項 など

(4)学生への支援に関する目標を達成するための措置

 (注)記載事項の例:

      ○学習相談・助言・支援の組織的対応に関する具体的方策

      ○生活相談・就職支援等に関する具体的方策

            ○経済的支援に関する具体的方策

      ○社会人・留学生等に対する配慮 など

2 研究に関する目標を達成するための措置

(1)研究水準及び研究の成果等に関する目標を達成するための措置

 (注)記載事項の例:

      ○目指すべき研究の方向性

      ○大学として重点的に取り組む領域

      ○成果の社会への還元に関する具体的方策

      ○研究の水準・成果の検証に関する具体的方策 など

(2)研究実施体制等の整備に関する目標を達成するための措置

 (注)記載事項の例:

      ○適切な研究者等の配置に関する具体的方策

            ○研究資金の配分システムに関する具体的方策

      ○研究に必要な設備等の活用・整備に関する具体的方策

      ○知的財産の創出、取得、管理及び活用に関する具体的方策

      ○研究活動の評価及び評価結果を質の向上につなげるための具体的方策

      ○全国共同研究、学内共同研究等に関する具体的方策

            ○学部・研究科・附置研究所等の研究実施体制等に関する特記事項 など

3 その他の目標を達成するための措置

(1)社会との連携、国際交流等に関する目標を達成するための措置

 (注)記載事項の例:

       ○地域社会等との連携・協力、社会サービス等に係る具体的方策

      ○産学官連携の推進に関する具体的方策

            ○地域の公私立大学等との連携・支援に関する具体的方策

      ○留学生交流その他諸外国の大学等との教育研究上の交流に関する具体的方策

      ○教育研究活動に関連した国際貢献に関する具体的方策 など


(2)附属病院に関する目標を達成するための措置

 (注)附属病院としての設置目的を踏まえ、医療の質の向上、

   運営等の基本方針を記載してください。








(3)附属学校に関する目標

 (注)附属学校としての設置目的を踏まえ、教育活動の基本

   方針や学校運営の改善の方向性等を記載してください。

 (注)記載事項の例:

       ○医療サービスの向上や経営の効率化に関する具体的方策

           ○良質な医療人養成の具体的方策

            ○研究成果の診療への反映や先端的医療の導入のための具体的方策

      ○適切な医療従事者等の配置に関する具体的方策 など

(3)附属学校に関する目標を達成するための措置

 (注)記載事項の例:

       ○大学・学部との連携・協力の強化に関する具体的方策

      ○学校運営の改善に関する具体的方策

      ○附属学校の目標を達成するための入学者選抜の改善に関する具体的方策

      ○公立学校との人事交流に対応した体系的な教職員研修に関する具体的方策など

V 業務運営の改善及び効率化に関する目標

1 運営体制の改善に関する目標

 (注)効果的な組織運営や戦略的な学内資源配分の実現等に

   関する基本方針を記載してください。




















2 教育研究組織の見直しに関する目標

 (注)教育研究組織の柔軟かつ機動的な編成・見直し等に関

   する基本方針を記載してください。











3 人事の適正化に関する目標

 (注)戦略的・効果的な人的資源の活用や非公務員型を生か

   した柔軟かつ多様な人事システムの構築等に関する基本

   方針を記載してください。

U 業務運営の改善及び効率化に関する目標を達成するためにとるべき措置

1 運営体制の改善に関する目標を達成するための措置

  (注)記載事項の例:

            ○全学的な経営戦略の確立に関する具体的方策

      ○運営組織の効果的・機動的な運営に関する具体的方策

      ○学部長等を中心とした機動的・戦略的な学部等運営に関する具体的方策

            ○教員・事務職員等による一体的な運営に関する具体的方策

       ○全学的視点からの戦略的な学内資源配分に関する具体的方策

      ○学外の有識者・専門家の登用に関する具体的方策

      ○内部監査機能の充実に関する具体的方策

      ○国立大学間の自主的な連携・協力体制に関する具体的方策 など


2 教育研究組織の見直しに関する目標を達成するための措置

 (注)1.記載事項の例:

            ○教育研究組織の編成・見直しのシステムに関する具体的方策

      ○教育研究組織の見直しの方向性 など

        2.学科・専攻等の設置に伴い、授与する学位の種類又は分野が変わる場合には、そ

の旨を記載してください。


3 教職員の人事の適正化に関する目標を達成するための措置

 (注)記載事項の例:

      ○人事評価システムの整備・活用に関する具体的方策

            ○柔軟で多様な人事制度の構築に関する具体的方策

       ○任期制・公募制の導入など教員の流動性向上に関する具体的方策

      ○外国人・女性等の教員採用の促進に関する具体的方策

      ○事務職員等の採用・養成・人事交流に関する具体的方策

            ○中長期的な観点に立った適切な人員(人件費)管理に関する具体的方策 など

4 事務等の効率化・合理化に関する目標

 (注)事務処理の効率化・合理化や、事務組織の機能・編成

   の見直し等に関する基本方針を記載してください。

4 事務等の効率化・合理化に関する目標を達成するための措置

 (注)記載事項の例:

            ○事務組織の機能・編成の見直しに関する具体的方策

      ○複数大学による共同業務処理に関する具体的方策

      ○業務のアウトソーシング等に関する具体的方策 など

W 財務内容の改善に関する目標

1 外部研究資金その他の自己収入の増加に関する目標










2 経費の抑制に関する目標








3 資産の運用管理の改善に関する目標

V 財務内容の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置

1 外部研究資金その他の自己収入の増加に関する目標を達成するための措置

 (注)記載事項の例:

      ○科学研究費補助金、受託研究、奨学寄附金等外部資金増加に関する具体方策

            ○収入を伴う事業の実施に関する具体的方策 など


2 経費の抑制に関する目標を達成するための措置

 (注)記載事項の例:

      ○管理的経費の抑制に関する具体的方策 など


3 資産の運用管理の改善に関する目標を達成するための措置

 (注)記載事項の例:

      ○資産の効率的・効果的運用を図るための具体的方策 など

X 自己点検・評価及び当該状況に係る情報の提供に関する目

社会への説明責任に関する目標


1 評価の充実に関する目標









2 情報公開等の推進に関する目標

W 自己点検・評価及び当該状況に係る情報の提供に関する目標を達成するための措置社会へ

の説明責任に関する目標を達成するためにとるべき措置


1 評価の充実に関する目標を達成するための措置

 (注)記載事項の例:

      ○自己点検・評価の改善に関する具体的方策

      ○評価結果を大学運営の改善に活用するための具体的方策 など


2 情報公開等の推進に関する目標を達成するための措置

 (注)記載事項の例:

      ○大学情報の積極的な公開・提供及び広報に関する具体的方策 など

Y その他業務運営に関する重要目標

1 施設設備の整備・活用等に関する目標

  (注)大学の教育研究等の目標や経営戦略を踏まえ、良好な

   キャンパス環境を形成するための基本方針を記載してく

   ださい。


2 安全管理に関する目標

X その他業務運営に関する重要目標を達成するためにとるべき措置

1 施設設備の整備等に関する目標を達成するための措置 

 (注)記載事項の例:

      ○施設等の整備に関する具体的方策

      ○施設等の有効活用及び維持管理に関する具体的方策 など


2 安全管理に関する目標を達成するための措置

 (注)記載事項の例:

      ○労働安全衛生法等を踏まえた安全管理・事故防止に関する具体的方策

      ○学生等の安全確保等に関する具体的方策 など

(その他の記載事項)(別紙に整理)

〇予算(人件費の見積りを含む)、収支計画及び資金計画  〇出資計画 〇短期借入金の限度額

〇長期借入金又は債券発行の計画  〇重要財産の処分(譲渡・担保提供)計画 〇剰余金の使途

○施設・設備に関する計画 ほか

(備考)

1.本資料は、「新しい「国立大学法人」像について」(平成14326日 国立大学等の独立行政法人化に関する調査検討会議報告)を踏まえ、中期目標・中期計画の項目等を現時点で整理したものであり、今後の政府内調整や法案等の検討、国会での法案審議等に応じ適宜修正する必要がある未定稿の資料です。

1.本資料は、中期目標及び中期計画の記載事項と記載にあたって盛り込んでいただく必要のある内容を示したものです。ただし、各記載事項ごとの記載の仕方は、各大学の特性等に応じて様々に工夫してください。特に、中期計画欄中の「記載事項の例」は、あくまで記載内容として想定されるものを例示したものであり、各大学がその内容を検討する上での参考にしていただくためのものです。

2.今後のスケジュールは、現時点では概ね以下のように見込んでいます。

 平成14年 12月  ○「国立大学法人(仮称)の中期目標・中期計画の項目等について(案)」(本資料)を国立大学協会法人化特委に提出。

 平成15年1〜6月  ○各大学において自主的に中期目標(案)・中期計画(案)を検討(必要に応じ、作成様式等について各大学と事前相談)。

               6月末  ○各大学から中期目標(案)・中期計画(案)を文部科学省に提出。

             10月〜  ○国立大学評価委員会(仮称)にて各大学の中期目標(案)・中期計画(案)を審議(必要に応じ各大学からヒアリング等を実施)。

 平成16年3〜4月  ○各大学の中期目標(案)・中期計画(案)について文部科学大臣から財務大臣に協議

                       ○文部科学大臣から各大学に中期目標を提示。文部科学大臣が各大学の中期計画を認可。

    今後のスケジュールとしては、平成15年9月中(「その他の記載事項」については別途連絡する時期)に各大学から中期目標・中期計画の素案を文部科学省に提出し、10月以降、国立大学法人評価委員会で当該素案を審議(必要に応じ各大学からヒアリングを実施)することを見込んでいます。

    なお、中期目標・中期計画に関するその後の手続の一般的な流れとしては、次のようなことになると想定しています。

      ○ 国立大学法人評価委員会が中期目標・中期計画の素案について文部科学大臣に意見を出す場合には、評価委員会として意見を集約し、文部科学省を通じて各大学に連絡。(その意見等を踏まえ文部科学省でも検討。)

        この場合、各大学において、文部科学省から連絡された意見も参考に、必要があれば素案の修正について検討。

      ○ 平成16年4月の法人化後の正式な手続

       <中期目標>

       ・各大学は経営協議会及び教育研究評議会で中期目標の原案について審議し、役員会の議を経て学長が文部科学大臣に提出。

       ・文部科学大臣は中期目標の原案について、評価委員会の意見を聴き、財務省協議を経て、中期目標を大学に提示。

       <中期計画>

       ・各大学は、経営協議会及び教育研究評議会で中期計画案について審議し、役員会の議を経て学長が文部科学大臣に中期計画案について認可申請。

       ・文部科学大臣として、中期計画案について評価委員会の意見を聴き、財務省協議を経て、中期計画を認可。

3.中期目標・中期計画は、各大学の基本理念や長期的な目標の存在と、中期目標・中期計画に基づく具体的な取り組みの用意が前提となります。記載内容は、原則として全学的な視点からのもの(個々の学部・研究科・附置研究所等に係る内容でも全学的視点から特記すべきものも可)に限るものとし、各大学の特性を踏まえ一層の個性化を図る観点を考慮しつつ、明確かつ簡潔に記載してください。なお、中期計画には、事項により適宜数値目標や目標時期等を盛り込むことも検討してください。

4.様式・分量は、A4版横長用紙に横書き10ポイント、1ページ40行、1行72字=本資料の書式)で、現段階では1大学当たり概ね10〜20ページ(学生収容定員や予算関係項目など別紙掲載分は除く)を一応の目安としてください。

5.中期目標(案)・中期計画(案)の素案のほか、その参考資料(文部科学大臣による提示・認可の対象外)として、「学部等に固有の具体的事項」を作成し、中期目標(案)・中期計画(案)の素案の提出と同時に文部科学省に提出してください。内容は、中期目標の「U 大学の教育研究等の質の向上に関する目標」及び中期計画の「T 大学の教育研究等の質の向上に関する目標を達成するためにとるべき措置」に関して、学部・研究科・附置研究所など各大学の基本的な教育研究組織ごとに固有のより具体的な事項を記載してください。分量は、現段階では各組織ごとに5ページ以内を一応の目安としてください。

6.中期計画として別紙に記載する各年度の学生収容定員については、現段階では学部・研究科等の単位で便宜上平成16年度の定員を全ての年度に記載してください。その際、@医師、歯科医師、獣医師、教員及び船舶職員の養成に係る定員、及びA研究科における各課程(修士、博士、専門職学位)別の定員については、その内数を記載してください(別紙「学部等の記載例」参照)。

7.国立大学法人評価委員会(仮称)による中期目標期間終了後の評価は、調査検討会議報告でも指摘された通り、基本的に中期目標・中期計画の達成状況度評価及び分野別の研究業績等の水準評価について行うことが見込まれます。このためその際、中期目標・中期計画は、達成度評価の基本的な基準や要素としての性格を持ちますが、より具体的な評価の方法・基準等は、今後、同委員会及び大学評価・学位授与機構にて別途検討することになります。その結果、評価に必要な資料の作成や提出を別途お願いすることがあり得ます。また、運営費交付金等の算定に評価結果を反映させる際の基準等は、今後、同委員会における審議を経て文部科学省で検討します。

8.学部の学科、研究科の専攻に関しては、年度計画にその名称を記載してください(別紙「学部等の記載例」参照)。なお、各大学の平成16年度の年度計画については、別途、作成の方法やスケジュール等を連絡する予定です。(年度計画は、中期計画案の認可申請時に同時に提出していただく必要はありません。)



                                                                                                   (別紙)

学部等の記載例

 

 中期目標

 中期計画

 年度計画

 別表(学部、研究科等)

 別表(収容定員)

 別表(学部の学科、研究科の専攻等)

 

 

 

 法学部

 医学部

 工学部

 

 

 

 

 

 16

 

 

 法学部  ○○人

 医学部  ○○人

       (うち医師養成に係る分野△人)

 工学部  ○○人

 

 

 法学部

 

 医学部

 

 

 工学部

 法学科

 

 医学科

 保健学科

 

 電子工学科

 機械工学科

 土木工学科

 

 

 

 

 法学研究科

 医学研究科

 工学研究科

 法学研究科  ○○人

        うち修士課程   △△人

                博士課程   △△人

                法曹養成課程 △△人

 医学研究科  ○○人

             (うち           )

 工学研究科  ○○人

             (うち           )

 

 

 

 

 

 医科学研究所

 地震研究所

 法学研究科

 

 

 医学研究科

 

 

 工学研究科

 法学政治学専攻

 法科大学院

 

 医学専攻

 国際保健学専攻

 

 電子工学専攻

 機械科学専攻

 

 

 

 17

 

 

 法学部  ◇◇人

 医学部  ○○人

       (うち医師養成に係る分野△人)

 工学部  ○○人

 

  ※は全国共同利用の機能

    を有する附置研究所

 法学研究科 ○○人

    

  (以下略)

 

 

 注)学科・専攻の設置に伴い、授与する学位の種類や分野が変わる場合は、年度計画だけでなく中期計画本文中にも   その旨を記載。

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資料3:授業料

国立大学法人化後の授業料について(検討状況)

1 国立大学法人化後の授業料等の学生納付金については、国立大学法人法第22条第4項において「国立大学及び次条の規定により国立大学に附属して設置される学校の授業料その他の費用に関して必要な事項は、文部科学省令で定める。」と規定。

2 この新たな省令においては、各国立大学法人が具体的な授業料を設定する際の共通的な指標となる「標準額」や「一定の範囲」など費用に関して必要な事項について定めることを予定しており、各国立大学法人が、その範囲内で、国立大学法人としての使命や機能、その他の事情を考慮して、自主的に具体的な額を設定する方向で検討中。


3 「標準額」及び「一定の範囲」の具体的在り方については、これまで国立大学が担ってきた役割とともに、各国立大学法人の自主性・自律性を尊重し、大学の自主的判断で特別の教育サービス提供等を行い当該大学の大学教育の充実と教育目標の実現を図ることを可能とする観点にも留意しつつ、現在検討中。

     「標準額」の基本的な考え方の方向

     ・法人移行時の学生納付金単価をベースに設定

        (H15年度:授業料520,800円)

      ・基本的に全学部・研究科を通じて同一の額


4 法科大学院については、国家的プロジェクトとして、新たな法曹養成制度の中核的な機関という位置付けで、平成16年4月以降国公私立を通じて開設されるものであることから、どのような取扱いとするか、別途検討中。


5 法科大学院以外の専門職大学院についても、専門職大学院制度は、少人数教育や一定の実務家教員が必要とされるなど、従来の一般の大学院とは異なる特色を持っており、今後、様々な分野でいろいろなタイプの専門職大学院の整備が進むと考えられることから、一般の大学院と異なる取扱いが必要かどうかについて検討中。

6 今後、概算要求など全体のスケジュールを見定めつつ、必要な事項について速やかにお示しする予定。


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資料4:審議経過


国立大学法人法案の国会審議経

2月28日(金)閣議決定・国会提出

【衆議院】


4月  3日(木)衆・本会議 趣旨説明・質疑

4月 3日(木)衆・文部科学委員会 提案理由説明 

   4月16日(水)衆・文部科学委員会  質疑@

   4月23日(水)衆・文部科学委員会  参考人質疑@

   5月  7日(水)衆・文部科学委員会  参考人質疑A

   5月14日(水)衆・文部科学委員会  質疑A

   5月16日(金)衆・文部科学委員会  質疑B・討論・採決・附帯決議


                                    <附帯決議>

  政府及び関係者は、本法の施行に当たっては、次の事項について特段の配慮をすべきで

   ある。

  一 国立大学の法人化に当たっては、憲法で保障されている学問の自由や大学の自治の理念

   を踏まえ、国立大学の教育研究の特性に十分配慮するとともに、その活性化が図られるよ

    う、自主的・自律的な運営の確保に努めること。

  二 国立大学の運営に当たっては、学長、役員会、経営協議会、教育研究評議会等がそれぞ

   れの役割・機能を十分に果たすとともに、相互に連携を密にすることにより自主的・自律

    的な意思決定がなされるよう努めること。また、教授会の役割についても十分配慮すること

  三 役員等については、大学の教育研究や運営に高い識見を有し、当該大学の発展に貢献し

   得る者を選任するよう努めること。

  四 文部科学大臣は、中期目標の作成及び中期計画の認可に当たっては、大学の自主性・自

   律性を尊重する観点に立って適切に行うこと。

  五 国立大学の評価に当たっては、明確かつ透明性のある基準に従って行うとともに、基礎

   的な学問分野の継承発展や国立大学が地域の教育、文化、産業等の基盤を支えている役割

   にも十分配慮すること。また、中期目標等の業績評価と資源配分を結びつけることについ

   ては、大学の自主性・自律性を尊重する観点に立って慎重な運用に努めること。さらに、

   評価に係る業務が国立大学の教職員の過度の負担とならないよう努めること。国立大学法

   人評価委員会の委員は大学の教育研究や運営について高い識見を有する者から選任すること。

  六 運営費交付金等の算定に当たっては、公正かつ透明性のある基準に従って行うとともに

   法人化前の公費投入額を十分に確保し、必要な運営費交付金等を措置するよう努めること

   また、学生納付金については、経済状況によって学生の進学機会を奪うこととならないよ

   う、適正な金額とするよう努めること。

  七 国立高等専門学校については、各学校の自主性・自律性を尊重し、教育研究の個性化、

   活性化、高度化が一層進むよう配慮すること。

  八 国は、高等教育の果たす役割の重要性に鑑み、国公私立全体を通じた高等教育に対する

   財政支出の充実に努めること。また、高等教育及び学術研究の水準の向上と自立的な発展

   を図る立場から、地方の大学の整備・充実に努めること。

  九 職員の身分が非公務員とされることによる勤務条件等の整備については、教育研究の特

   性に配意し、適切に行われるよう努めること。また、大学の教員等の任期に関する法律の

   運用に当たっては、教育研究の進展に資するよう配慮すること。

  十 公立の義務教育諸学校の教職員の処遇については、学校教育の水準の維持向上のための

   義務教育諸学校の教育職員の人材確保に関する特別措置法を今後とも堅持し、国家公務員

   に準拠する規定が外されることにより同法の趣旨が損なわれることがないよう、十分配慮

   すること。

 

 

 

5月22日(木)衆・本会議 文部科学委員長報告・討論・採決

 

 

 

 

 

【参議院】

 

5月23日(金)参・本会議 趣旨説明・質疑

5月27日(火)参・文教科学委員会 提案理由説明

   5月29日(木)参・文教科学委員会  質疑@

   6月 3日(火)参・文教科学委員会 参考人質疑

   6月 5日(木)参・文教科学委員会  質疑A

   6月10日(火)参・文教科学委員会 質疑B

   6月26日(木)参・文教科学委員会 質疑C

   7月  1日(火)参・文教科学委員会  質疑D

   7月  8日(火)参・文教科学委員会  質疑E・討論・採決・附帯決議

 

                                      <附帯決議>

   政府及び関係者は、国立大学等の法人化が、我が国の高等教育の在り方に与える影響の大

  きさにかんがみ、本法の施行に当たっては、次の事項について特段の配慮をすべきである。

  一 国立大学の法人化に当たっては、憲法で保障されている学問の自由や大学の自治の理念

   を踏まえ、国立大学の教育研究の特性に十分配慮するとともに、その活性化が図られるよ

   う、自主的・自律的な運営を確保すること。

  二 国立大学法人の運営に当たっては、学長、役員会、経営協議会、教育研究評議会等がそ

   れぞれの役割・機能を十分に果たすとともに、全学的な検討事項については、各組織での

   議論を踏まえた合意形成に努めること。また、教授会の役割の重要性に十分配慮すること。

  三 役員等については、大学の教育研究や運営に高い識見を有し、当該大学の発展に貢献し

   得る者を選任するとともに、選任理由等を公表すること。また、政府や他法人からの役員

   の選任については、その必要性を十分に勘案し、大学の自主性・自律性を阻害すると批判

   されることのないよう、節度を持って対応すること。監事の任命に当たっては、大学の意

   向を反映するように配慮すること。

  四 学長選考会議の構成については、公正性・透明性を確保し、特に現学長が委員になるこ

   とについては、制度の趣旨に照らし、厳格に運用すること。

  五 中期目標の実際上の作成主体が法人であることにかんがみ、文部科学大臣は、個々の教

   員の教育研究活動には言及しないこと。文部科学大臣が中期目標・中期計画の原案を変更

   した場合の理由及び国立大学法人評価委員会の意見の公表等を通じて、決定過程の透明性

   の確保を図るとともに、原案の変更は、財政上の理由など真にやむを得ない場合に限るこ

   と。

  六 法人に求める中期目標・中期計画に係る参考資料等については、極力、簡素化を図るこ

   と。また、評価に係る業務が教職員の過度の負担とならないよう、特段の措置を講ずるこ

   と。

  七 国立大学の評価に当たっては、基礎的な学問分野の継承発展や国立大学が地域の教育、

   文化、産業等の基盤を支えている役割にも十分配慮すること。また、評価結果が確定する

   前の大学からの意見申立ての機会の付与について法令上明記し、評価の信頼性の向上に努

   めること。

  八 国立大学法人法による評価制度及び評価結果と資源配分の関係については、同法第三条

   の趣旨を踏まえ慎重な運用に努めるとともに、継続的に見直しを行うこと。

  九 国立大学法人評価委員会の委員は大学の教育研究や運営について高い識見を有する者か

   ら選任すること。評価委員会の委員の氏名や経歴の外、会議の議事録を公表するとともに、

   会議を公開するなどにより公正性・透明性を確保すること。

  十 独立行政法人通則法を準用するに当たっては、総務省、財務省、文部科学省及び国立大

   学法人の関係において、大学の教育研究機関としての本質が損なわれることのないよう、

   国立大学法人と独立行政法人の違いに十分留意すること。

  十一 独立行政法人通則法第三十五条の準用による政策評価・独立行政法人評価委員会から

   の国立大学法人等の主要な事務・事業の改廃勧告については、国立大学法人法第三条の趣

   旨を十分に踏まえ、各大学の大学本体や学部等の具体的な組織の改廃、個々の教育研究活

   動については言及しないこと。また、必要な資料の提出等の依頼は、直接大学に対して行

   わず、文部科学大臣に対して行うこと。

  十二 運営費交付金等の算定に当たっては、算定基準及び算定根拠を明確にした上で公表し、

   公正性・透明性を確保するとともに、各法人の規模等その特性を考慮した適切な算定方法

   となるよう工夫すること。また、法人化前の公費投入額を踏まえ、従来以上に各国立大学

   における教育研究が確実に実施されるに必要な所要額を確保するよう努めること。

  十三 学生納付金については、経済状況によって学生の進学機会を奪うこととならないよう、

   将来にわたって適正な金額、水準を維持するとともに、授業料等減免制度の充実、独自の

   奨学金の創設等、法人による学生支援の取組についても積極的に推奨、支援すること。

 

 

  十四 国立大学附置研究所については、大学の基本的組織の一つであり、学術研究の中核的

 

  拠点としての役割を果たしていることにかんがみ、短期的な評価を厳に戒めるとともに、

  財政支出の充実に努めること。全国共同利用の附置研究所についてもその特性を生かすこ

  と。また、各研究組織の設置・改廃や全国共同利用化を検討するに当たっては、各分野の

  特性や研究手法の違いを十分尊重し、慎重に対応すること。

 十五 法人化に伴う労働関係法規等への対応については、法人の成立時に違法状態の生ずる

  ことのないよう、財政面その他必要な措置を講ずること。また、法人への移行後、新たに

  必要とされる雇用保険等の経費については、運営費交付金等により確実に措置すること。

 十六 国立大学法人への移行について、文部科学省は、進捗状況、課題などを明らかにし、

  当委員会に報告を行うこと。

 十七 学校教育法に規定する認証評価制度の発展を通じ、国立大学等が多様な評価機関の評

  価を受けられる環境を整備し、ひいては我が国における大学評価全体の信頼性の向上を図

  るため、認証評価が円滑に行われるよう必要な資金の確保、その他必要な援助に努めるこ

  と。

 十八 国立高等専門学校については、各学校の自主性・自律性を尊重し、教育研究の個性化、

  活性化、高度化が一層進むよう配慮すること。

 十九 国は、高等教育の果たす役割の重要性にかんがみ、国公私立全体を通じた高等教育に

  対する財政支出の充実に努めること。また、高等教育及び学術研究の水準の向上と自立的

  な発展を図る立場から、地方の大学の整備・充実に努めること。

 二十 職員の身分が非公務員とされることによる勤務条件等の整備については、教育研究の

  特性に配意し、適切に行われるよう努めること。また、大学の教員等の任期に関する法律

  の運用に当たっては、選択的限定的任期制という法の趣旨を踏まえ、教育研究の進展に資

  するよう配慮するとともに、教員等の身分保障に十分留意すること。

 二十一 法人への移行に際しては、「良好な労働関係」という観点から、関係職員団体等と十

  分協議が行われるよう配慮すること。

 二十二 公立の義務教育諸学校の教職員の処遇については、学校教育の水準の維持向上のた

  めの義務教育諸学校の教育職員の人材確保に関する特別措置法を今後とも堅持し、国家公

  務員に準拠する規定が外されることにより同法の趣旨が損なわれることがないよう、十分

  配慮すること。

 二十三 高等教育のグランドデザインの検討に当たっては、生涯学習社会の形成の観点から、

  専門学校を含む高等教育全体について、関係府省、地方公共団体等とも連携しつつ、広範

  な国民的論議を踏まえ行うこと。

  右決議する。

 


7月 9日(水)参・本会議 文教科学委員長報告・討論・採決



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資料5-1:審議抄録目次

国立大学法人法に関する国会における審議の概要(目次)


 提案理由説明

1.国立大学の法人化の趣旨・目的について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
 @ 国立大学の法人化の目的について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
 A 予算・人事制度の弾力化について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
 B 基礎研究の振興について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
 C 今後経営面のみが重視されるのではないかとの懸念について・・・・・・・・・・・・3
 D 地方の国立大学の振興について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
 E 今後の国立大学法人に対する財政措置について・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
 F 文部科学省の改革について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5

2.国立大学法人と独立行政法人との関係について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
 @ 国立大学法人の制度上の位置付けについて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
 A 独立行政法人通則法の準用について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7

3.法人化後の国立大学の設置者について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7

4.中期目標・中期計画について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
 @ 中期目標・中期計画の趣旨について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
 A 中期目標・中期計画と大学の自主性・自律性について・・・・・・・・・・・・・・・9
 B 法人移行期の中期目標の策定手続について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11
 C 中期目標と国立大学の再編・統合について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11
 D 平成14年12月に示した参考資料について・・・・・・・・・・・・・・・・・・12

5.国立大学法人の評価について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
 @ 国立大学法人の評価制度について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
 A 国立大学法人の評価の在り方について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
 B 国立大学法人評価への学生の意見の反映について・・・・・・・・・・・・・・・・15
 C 国立大学法人評価委員会について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
 D 評価結果の運営費交付金配分への反映について・・・・・・・・・・・・・・・・・16
 E 政策評価・独立行政法人評価委員会(総務省)との関係について・・・・・・・・・16

6.多元的な評価の充実について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18

7.中期目標期間終了時に文部科学大臣が行う「所要の措置」について・・・・・・・・・19

8.大型プロジェクトの推進について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19

9.学内の教育研究組織の編制について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19


10.役員の職務と選任について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
 @ 学長のリーダーシップの確立について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
 A 学長の選考方法について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
 B 理事及び監事について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22

11.学内の諸機関の役割分担について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23
 @ 経営協議会と教育研究評議会について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23
 A 教授会について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23

12.学生に対する支援について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24
 @ 学生にとっての法人化のメリットについて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24
 A 学生納付金の在り方について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25
 B 奨学金等の充実について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26

13.円滑な法人への移行について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27
 @ 労働安全衛生について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27
 A 労働関係法規への対応について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27
 B 移行経費の確保について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28
 C 財務会計事務の簡素化について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28
 D 既存債務について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28
 E 法人化後の訴訟の取扱いについて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29

14.長期借入・債券発行について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29

15.国立大学の職員を国家公務員から国立大学法人の職員とする法的根拠について・・・30

16.高等教育のグランドデザインについて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30    


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資料5-2審議抄録


国立大学法人法に関する国会における審議の概要(審議抄録)


 提案理由説明
 このたび、政府から提出いたしました「国立大学法人法案」、「独立行政法人国立高等専門学校機構法案」、「独立行政法人大学評価・学位授与機構法案」、「独立行政法人国立大学財務・経営センター法案」、「独立行政法人メディア教育開発センター法案」及び「国立大学法人法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案」について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 「知」の時代とも言われる二十一世紀にあっては、知の拠点としての大学が学問や文化の継承と創造を通じ社会に貢献していくことが大きく期待されております。
 今回提出いたしました国立大学法人法案等の六法案は、このような状況を踏まえ、現在、国の機関として位置付けられている国立大学や国立高等専門学校等を法人化し、自律的な環境の下で国立大学をより活性化し、優れた教育や特色ある研究に積極的に取り組む、より個性豊かな魅力ある国立大学を実現することをねらいとするものであります。
 次に法律案の内容の概要について、順次御説明申し上げます。
 初めに、「国立大学法人法案」についてであります。
 この法律案は、国立大学法人及び大学共同利用機関法人の組織及び運営について、次のような事項を定めるものであります。
 第一に、国立大学法人及び大学共同利用機関法人は、それぞれ国立大学法人法案の定めるところにより設立される法人とし、その名称及び各国立大学法人が設置する国立大学について定めております。
 第二に、国立大学法人等の業務に関して評価するための国立大学法人評価委員会の設置について定めております。
 第三に、国立大学法人に役員として学長、理事及び監事を置き、予算など重要事項については学長及び理事で構成される役員会の議を経て学長が決定することとしております。また、審議機関として経営協議会及び教育研究評議会を設置するとともに、役員や経営協議会の委員に学外有識者を迎えることにより、民間的な発想を取り入れつつ学長を中心とした国立大学法人の経営体制の確立を図ることとしております。
 第四に、文部科学大臣による国立大学法人の学長の任免や中期目標の策定等については、大学の自主性に配慮した仕組みを定めております。
 第五に、国立大学法人の業務の範囲について定めるとともに、財務及び会計に関する規定を置き、併せて独立行政法人通則法の規定を必要に応じ準用することとしております。
 第六に、大学共同利用機関法人についても、国立大学法人と同様に、組織、業務及びその自主性に配慮した仕組み等を定めております。
 第七に、国立大学から国立大学法人への事業の承継に伴う権利義務の承継その他所要の経過措置等に関する事項を定めるとともに、この法律の施行期日を平成十五年十月一日とし、また、国立大学法人等の設立の期日は平成十六年四月一日としております。
 次に、「独立行政法人国立高等専門学校機構法案」においては、五年制の高等教育機関である国立高等専門学校を設置する独立行政法人国立高等専門学校機構について、その名称、目的、業務の範囲等に関する事項や役員について定めるとともに、各国立高等専門学校の名称及び位置を規定しております。
 また、「独立行政法人大学評価・学位授与機構法案」、「独立行政法人国立大学財務・経営センター法案」及び「独立行政法人メディア教育開発センター法案」は、大学評価や学位授与、財務・経営、メディア教育のそれぞれの観点から大学等を支援する業務を行う三機関を独立行政法人化するため、その名称、目的、業務の範囲等に関する事項や役員について定めるものであります。
 これらの機構及びセンターにつきましては、国立大学法人等と同様に、その設立の期日は平成十六年四月一日としております。
 なお、「国立大学法人法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案」は、国立大学法人法等の施行に伴い、国立学校設置法及び国立学校特別会計法の廃止を行うとともに、学校教育法ほか五十二本の関係法律について所要の改正を行うものであります。
 以上が、国立大学法人法案等の六法案の提案理由及びその内容の概要であります。
 なにとぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成くださるようお願い申し上げます。

1 国立大学の法人化の趣旨・目的について

@ 国立大学の法人化の目的について

  ○ 国務大臣(遠山敦子君) 
   我が国の大学制度は、長い歴史の中で、国公私立の大学が、それぞれの設置形態のもとで役割を分担しつつ、教育研究水準の向上と、全体としての多様かつ特色ある発展を遂げてきたところに大きな特色がございます。
   そのうち、国立大学は、今日まで、我が国の学術研究と研究者養成の中核を担うとともに、全国的に均衡のとれた配置により、地域の教育、文化、産業の基盤を支え、学生の経済状況に左右されない進学機会を提供するなど、重要な役割を果たしております。
    国立大学の法人化は、このような国立大学の使命を前提としながら、各大学がみずからの理念を明確にして多様な教育研究を可能とするものであり、建学の精神に基づく個性豊かな人材の養成等の役割を担う私立大学とともに、我が国の大学が魅力ある、国際的な競争力を持つ大学として発展するための契機となるものと考えております。
(平成15年4月3日衆議院本会議)
  ○ 国務大臣(遠山敦子君)
   国立大学の大きな役割といいますものは今後も変わるものではございません。
    今回の法人化は、国立大学のこれまで果たしてきたような役割を各大学が一層しっかりと担うことができるように運営システムの改革を図るということを目的としたものでございます。法人化後におきましても、国が高等教育に対する責務を果たすという観点から、所要の財源措置あるいは一定の関与を行うことが前提とされておりまして、国の事務事業として行う必要がないものを独立採算制の事業主体にゆだねるようないわゆる民営化とは全く異なるものでございます。
    欧米先進国におきましても、学校数あるいは学生数の上で国立ないしは州立といった大学が多数を占めておりますなど、国が責任を持って高等教育を支えていくという姿勢は貫かれているわけでございます。欧米先進国に比べまして日本はむしろ私学の比率が極めて高いわけでございまして、既にその意味では民営化がかなり進んでいると言っていいのかもしれませんが、国立大学は引き続き国の責任の下にその使命を果たすことが求められるものでございまして、今回の法人化を国立大学の民営化への第一歩とすることは考えていないところでございます。
(平成15年6月26日参議院文教科学委員会)
 ○ 政府参考人(遠藤純一郎君) 
国立大学法人法第一条に規定しております「均衡ある発展」とは、学部教育と大学院教育とのバランス、学問分野間のバランス、地域間のバランスなど、多様な観点からのバランスを保ちながら、我が国の高等教育及び学術研究を発展させるという国立大学が果たすべき役割を表現したものでございます。
国立大学はこれまでもこうした役割を担ってきているところでございますが、このたびの法人化は、これらの役割が一層発揮されることを目指すものであることから、「均衡ある発展」という文言を国立大学法人法の目的規定に明確に位置づけることとしたものでございます。
(平成15年4月16日衆議院文部科学委員会)

A 予算・人事制度の弾力化について

 ○ 政府参考人(遠藤純一郎君) 
国立大学法人に対します運営交付金につきましては、使途を特定しない、いわゆる渡し切りの交付金とするということを予定しているわけでございまして、御指摘の点でございますけれども、第一点目、複数年度にわたる契約による予算執行の話でございますが、契約の主体は各国立大学法人でございまして、複数年契約も含め、契約の期間、内容は各国立大学法人が自ら決定できるというものでございます。
それから、年俸制の話が出ましたけれども、年俸制の導入などの給与体系、これにつきましても各国立大学法人自身が定めることでございます。
それから、専攻の新設、小規模研究所等の新設・統廃合というお話がございました。これまで機構、定員といった予算や法令によって縛られておりました大学院の専攻や研究施設の設置等につきましても、基本的には各大学の判断により可能となるわけでございます。
こういった運営費交付金、使途を特定しない仕組みを活用することによりまして、各大学の判断によりまして機動的かつ弾力的に御指摘のような事柄に取り組むことが可能になると、こう考えております。
(平成15年6月26日参議院文教科学委員会)
 B 基礎研究の振興について

 ○ 国務大臣(遠山敦子君)
    大学の基礎研究の重要さといいますものは言うまでもありませんで、冒頭にお答えしましたような学問の自由ということでその研究者の研究活動は保障されているわけでございますが、日本の大学、国公私を通じて基礎研究は大事だと思っております。特に国立大学の場合は、学問研究を通じて様々に、人類の英知に新たなフロンティアを付け加えるなどの大変な成果を上げてきてくれておりまして、最近ではそうした成果がノーベル賞受賞者の三年連続というような形で結晶してまいっております。
    私は、法人化後も大学の、特に国立大学のこういう基礎研究の重要性というのはますます増してまいりこそすれ、これを何か妨げるようなことになっては決して日本の未来はないというふうに思っているわけでございます。
    じゃ、どうなるのかということでございますが、これは、今回の法人化といいますものは国からの一定の財源措置を前提といたしております。各大学の自律的な運営を確立するということを目的といたしておりますので、例えば予算の執行あるいは教職員の配置などの面で各国立大学の裁量が大幅に拡大するわけでございます。したがいまして、各国立大学は、基礎学術の推進というものをしっかりその大学の重視する政策として置きまして、そして中期目標の策定あるいは中期計画の中に優先順位を高くして出していただきたい、国としてはそういう中期目標、中期計画というものをしっかり支えていく、そういう関係になろうかと思います。
   私は、これまでいろんな束縛があったものから、より大学が自由な判断でやっていただきたいし、正にそこにこそその大学ないし法人の見識が問われる、そのような時代になると思います。
(平成15年6月5日参議院文教科学委員会)

 C 今後経営面のみが重視されるのではないかとの懸念について

 ○ 副大臣(河村建夫君) 
法人化後の国立大学にとっては、受託研究とか寄附金等の自己財源を得るということで教育研究や学生に対するサービスの向上を増していく、そしてそれが積極的に展開できるようにということ、これは意義のあることだと思っておるわけでございますが、一方、国立大学法人というのは独立採算制ではございませんので、運営交付金等の公財政支出といいますか、それによって支えられているわけでありますから、まずその使命である教育研究の発展を図るということを第一の目的にしていかなきゃならぬと、こう考えるわけであります。
この大学法人制度において、経営的な面に偏り過ぎるということだけではなくて、いわゆる経営面と、そして今申し上げた教学といいますか、そのバランスを取りながら運営をしていただくということがまた肝心になってくるわけでございます。
そこで、教育課程、教員人事などのような教学に関する重要事項については、教学に関する学内の代表者で構成されております教育研究評議会が審議をすると、こういうことになっておりますし、それから一方、現在、副学長などで就任が見込まれる理事と、それから学長とで構成する役員会が設けられることになっておりますが、ここで中期目標、中期計画、あるいは予算等に関する大学運営上の重要事項について役員会の議を経ると、こういうことになっておりますので、こうした制度設計の下で、学内の教員の意見も十分に踏まえながら、経営と教学、この双方の責任者たる学長を中心にして大学運営がされていかなきゃならぬ、こういうことになっていくわけでございます。
また、学外理事の任命については学長の裁量にゆだねられておるものでございまして、経営的な能力だけではなくて、大学の教育研究への深い理解を有して、その大学の一層の発展に尽くしてもらえるような方を選ぶと、この確保を学長はやる、その責任もあるわけでございます。
このような全体の制度設計、そして正に適任の方を任命をいただくということによって、御心配、御指摘あったような、経営面だけが強調されて、その学外理事が主導権を握って、十分、学内の教学の面が薄れていくんだと、そういうことにならないように制度設計をされておるわけでございますので、その点の御懸念はなきものというふうに思っておるところであります。
(平成15年6月26日参議院文教科学委員会)
 D 地方の国立大学の振興について

 ○ 副大臣(河村建夫君) 
先ほどの仲道委員の御指摘の中にありましたが、評価の際においても、やっぱり地域の特性を生かした教育をやっている、そういうものについて平等にやっぱりきちんと評価をしなきゃいかぬという御指摘がございました。これも私は一つの大事な視点だというふうに思っておるわけでございます。
と同時に、あとはやっぱり財政的な措置の問題、財源措置の問題等々も、これは大学法人化しても国が責任を持っておるわけでございますから、そのことはこれからも基本的に揺るがしてはならぬと、こう思っておりますし、それから二十一世紀のいわゆるCOEプログラム、遠山プランとも言われておりますが、国立大学の特色ある研究に対して、それに対して文部科学省としてもきちんとした支援をしていくというものでございます。それも地方大学が特色を持ってやっているケースがあるわけでございます。帯広畜産大学のBSE問題への取組とか、あるいは鳥取大学の砂漠化の問題、それから佐賀大学の海洋温度差発電等々、ああいう海洋環境ですか、一例でございますが、そういうものについては積極的に支援をしていくとか、そういうことによってやっぱりそれぞれの地方で特色ある教育をやっておられる地方大学に対しては支援を強くしていかなきゃいかぬと、こう思っておりますし、逆に、今、各県にある国立大学がもしなくなった場合にその地方の文化とかそういうものに対する影響が一体どういうことになるだろうと考えただけでも、既に国立大学というのは非常に大きな定着をしていると、こう考えておりますから、これをやればその施策になるというものを今特に持ち合わせているわけではございませんが、やっぱり各地域の人材育成、それから産業、文化に貢献する大学を更に支援をしていく、この基本認識で、これからの大学法人化がそれによって更に進むようにという方向で文部科学省としても支援をしていきたいと、このように考えております。
(平成15年6月10日参議院文教科学委員会)
 ○ 政府参考人(遠藤純一郎君) 
御指摘のように、それぞれの国立大学が置かれております地域環境は異なっておりまして、例えば都市部の大学と地方の大学という視点から見ますと、都市部の大学は、都市に様々な機能が集積しているということを生かしました幅広い産学連携が可能となる一方で、地域社会とのつながりがややもすれば希薄になりがちであるということでありますのに対しまして、地方の大学におきましては、地元の社会や産業界との緊密な連携の下に地域振興の拠点としての役割が期待されているといったようなことなどがあるかと思います。
それぞれ国立大学におきましては、このような地域環境の違いや地域や社会の要請を踏まえながら、法人化を契機にそれぞれの大学がより特色を明確にしまして、その役割を一層果たしていくことが求められているということだと思います。
このため、各大学に対する資源配分ということに当たりましても、まず、大学ごとにそれぞれの地域環境等を十分に踏まえました中期目標、中期計画を策定をしまして、その中期目標、中期計画に基づき、当該大学の個性を生かした教育研究活動を確実に実施できるよう、国としても必要な財源を措置するということにしているわけでございます。これによりまして、各大学が地域の事情にも対応しました特色ある取組を積極的に展開できるものと期待をしているところでございます。
(平成15年6月5日参議院文教科学委員会)

E 今後の国立大学法人に対する財政措置について

  ○ 国務大臣(遠山敦子君) 
国立大学は、日本の学術研究と研究者養成の中核を担いますとともに、全国的に均衡の
取れた配置によって地域の教育、文化、産業の基盤を支えるなど重要な役割を果たしているわけでございまして、国立大学の法人化は、このような国立大学が現在果たしている重要な役割といいますものを一層しっかりと担うことができるようにするために、国立大学がより自主的、自律的な、より大きな自主性、自律性と自己責任の下で教育研究を高度化し、あるいは個性豊かな大学作りに取り組むということを目的とするわけでございます。したがいまして、このような重要な役割を引き続き担う国立大学に対する財政措置につきましては、移行前に必要とされた公費投入額を十分に踏まえて、従来以上に国立大学における教育研究が確実に実施されるように必要な所要額の確保に文部科学省としてしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
(平成15年7月8日参議院文教科学委員会)
  ○ 政府参考人(杉本和行(財務省主計局次長)君) 
国立大学等におきます教育研究につきましては、その自主性、自律性を尊重することが重要であることはもとよりのことでございます。先生御指摘のように、国立大学法人法三条、法律の運用に当たっては常に教育研究の特性に配慮しなければならないと記載されていることは、私どもも十分承知しておりますので、財政当局といたしましても、中期目標及び中期計画の協議におきましては、このような国立大学法人の教育研究の特性について十分配慮していくことが必要だと考えております。
 次に、国立大学法人に対する財政措置についてでございますが、これにつきましては、中期計画の定めるところに従いまして、運営費交付金及び施設整備費を毎年度の予算編成の中で確実に手当てすることとしております。具体的には、中期計画において期間中の予算額算定のためのルールを定めまして、各年度の予算編成におきましては、このルールの具体的な適用を図る予定でございます。
 したがいまして、国立大学法人に対する予算につきましては、単年度予算を前提とする国の予算制度のもとにおいても確実に措置されることになると考えております。
(平成15年5月16日衆議院文部科学委員会)
  ○ 政府参考人(玉井日出夫君) 
独立行政法人は、御指摘のとおり、各法人の中期目標において業務経費の一定割の削減
が求められているわけでございますが、一方、実情に応じ所要の業務経費の増額が行われている法人もあるわけでございまして、運営費交付金の総額はこれら諸要因を全体として勘案し決められることとなっておりまして、結果として、設立後、総額が増加した法人もあり、減少した法人もあるところであります。国立大学法人についても効率的な業務運営は図られる必要がありますが、そもそも法人化は単純に人件費等の経費削減を目指したものではなく、学問の進展や社会の変化に応じ所要の経費は確保していく必要があると考えているわけでございます。なお、運営費交付金の具体的な算定方法等につきましては、今後、法律が成立いたしましたならば、今後様々な要素を勘案しつつ検討していくことになりますけれども、その際、各法人の実情に応じ教育研究に関する経費が適切に確保されるよう十分配慮してまいりたいと考えております。
(平成15年7月8日参議院文教科学委員会)

 F 文部科学省の改革について

 ○ 国務大臣(遠山敦子君) 
   今回の法人化といいますものは、これまでの行政組織の一部としての国立大学の存在から、法人としての法人格を持ってもらって自主性、自律性を高めてもらうということでございますので、これまで日常的にかかわっていろいろ支援をしたり助言をしたりしてきた細々とした対応というやり方そのものを変えていかないといけないと思っております。
   その意味で、意識改革ということも大事でございますが、私は文部科学省内の高等教育にかかわる様々な組織の体制も変えていかなくてはならないと思っております。この法律が成立すれば本当に新しい方向が出るわけでございますので、その新たな方向に向かって意識改革及び内部の体制の改革をしていかなくてはならないと思います。文部科学省だけではなくて、関連する財務省それから総務省も通じて、私は非常に大事な点を今御指摘されたと思っております。
   具体的に申し上げれば、今おっしゃったとおりでございますけれども、これまでの毎年細々とした日常的な指導助言といった関与から、大学の自主性、自律性というものを尊重して、事後的な評価、あるいは求めに応じて適切に相談をしていくといった抑制的な対応の方向というふうに持っていかなくてはいけないと思います。大学側も、今まではすべてとにかく文部科学省へ駆け込んで相談してみてという姿勢もあったと思いますけれども、これからは自らの目標をきちっと持ち、計画も立ててやるわけでございますので、大学側も変わっていただきながら文部科学省自体も変わっていく。それによって、委員が御指摘になったような、文部科学省としては大所高所から国立大学の法人化というねらいが本当に達成されるように、自己抑制的にかつ必要なことについては援助、支援をしていく。これは、国立大学についてだけではございませんで、私学も、それから公立大学についても、日本の知を担う大学全体の活性化ないし成果を上げていただく、社会的な貢献を通じて日本を活性化していく。そのことにおいて、行政組織としての文部科学省はどうあったらいいかというようなことも含めて、大いにこの点については私どもとしても考えていこうというふうに思っております。
(平成15年6月5日参議院文教科学委員会)


2 国立大学法人と独立行政法人との関係について

@ 国立大学法人の制度上の位置付けについて

  ○ 国務大臣(遠山敦子君)
  独立行政法人制度の具体的な制度設計が明らかになりますとともに、平成十一年四月に
政府において、これは閣議決定でございますが、国立大学の法人化はあくまで大学改革の一環として検討することが確認された。私は、これは大変重要な政府としての意思決定であろうと思います。
   それで、この確認を機に大学改革の視点から法人化の実現を見据えた議論が更に進めら
れたところでございます。その結果、国の財政措置を前提として、国の事務事業を国とは別の法人に実施されるという独立行政法人を活用しながらも、大学につきましては大学の自主性、自律性等に配慮をして大学の活性化、そして教育研究の高度化を図る、その目的のために新しい国立大学法人とすることとしたものでございます。
   このために、具体の制度設計におきましても様々な工夫が施されて独立行政法人制度と
は異なる仕組みを導入しているわけでございますが、一つは、国立大学の法人の主たる学長の任免といいますものは国立大学法人の申出に基づき行う。他の独立行政法人は大臣が自らの意思で決定するということでございますが、学長については国立大学法人の申出に基づいて行うこと。
   それから二番目には、文部科学大臣が中期目標を定めるに際しまして、国立大学法人の
意見を事前に聴取をし、それに配慮をするということでございます。これは他の独立行政法人には全く見られないわけでございまして、これはやはり大学というものの存在の重要性にかんがみまして、こうした注意深い配慮規定があるわけでございます。
   三つ目には、評価についてでございますが、独立行政法人評価委員会とは別に、国立大
学法人評価委員会を置くということになっておりまして、同時に、教育研究という大学の中核的な活動そのものについては、独立行政、失礼いたしました、国立大学法人評価委員会自らではなくて、大学評価・学位授与機構による評価結果を尊重するということになっております。
   これらの点で御理解いただけますように、いわゆる独立行政法人制度とは異なる仕組み
を導入いたしておりまして、その意味で、法案につきましても、いわゆる通則法の体系とは異なる独自の国立大学法人法とすることとしたものでございます。
(平成15年7月1日参議院文教科学委員会)
 ○ 政府参考人(松田隆利(総務省行政管理局長)君) 
独立行政法人は、独立行政法人通則法、それに基づきまして、各個別法と言っておりますが、個別の法律に基づいて作られるわけでございます。それが独立行政法人でございます。
この国立大学法人は、その独立行政法人通則法に基づく個別法ではございませんで、それとは別の国立大学法人法ということで制度設計されているわけでございます。制度設計の内容は、先ほど申し上げましたように、基本的な枠組み、自主性や自律性を与える、あるいは中期的な目標を管理をする、さらにその前提としての国が設立をする、あるいは国が財源措置の義務付けを負っている、そういう点では同じであるわけでありますけれども、制度としては別の制度設計になっているということでございます。
(平成15年6月26日参議院文教科学委員会)
 ○ 政府参考人(松田隆利(総務省行政管理局長)君) 
今申し上げましたように、学問の自由や大学の自治といった大学の特性に配慮いたしまして、列挙しますと大変たくさんになりますのでポイント的な話に限らせていただきます。
例えば、学長の任免は国立大学法人の申出に基づき行われるということですとか、あるいは文部科学大臣が中期目標を定めたり変更する際には、あらかじめ国立大学法人の意見を聴き、当該意見に配慮をするとか、あるいは通常の独立行政法人評価委員会とは別の国立大学法人評価委員会による評価等々非常に多岐にわたりまして、言わばその特有の制度、規定が設けられております。
国が設立する法人、かつ財源措置が国にとっても義務付けられている、そういう法人でございますので、独立行政法人通則法の枠組み、基本的な枠組みは活用するということになっているわけでございますが、その主要な内容につきまして今申し上げておりますような広範な特例が設けられているというふうに理解しております。
(平成15年6月26日参議院文教科学委員会)
 ○ 政府参考人(松田隆利(総務省行政管理局長)君) 
正に教育研究の特性への配慮ということでは、今回の国立大学法人法案の第三条におきまして、「この法律の運用に当たっては、国立大学及び大学共同利用機関における教育研究の特性に常に配慮しなければならない。」と、こう書いてあるわけでございまして、当然のことながら、今申し上げたような仕組み、中には通則法の準用という部分の仕組みもあるわけでありますが、その運用に当たってはこの第三条の規定にのっとって行われなければならないと考えております。
(平成15年6月26日参議院文教科学委員会)

A 独立行政法人通則法の準用について

 ○ 政府参考人(遠藤純一郎君) 
国立大学の法人化につきましては、平成十一年四月の閣議決定で、「大学の自主性を尊重しつつ、大学改革の一環として検討」すると、こうされたわけでございまして、これを受けまして、独立行政法人制度を活用しながらも、教育研究の特性を踏まえまして、大学の自律的な運営を確保することにより個性豊かな国立大学を創造するという大学改革の観点に沿って検討を行ってまいりまして、独立行政法人制度を活用しながら、その大学の独自性ということで種々の特例を設けた国立大学法人法をお願いをしておるわけでございますけれども、その法人化に当たりましては、その根幹たる主要な、大学の独自性を示します根幹たる主要な枠組みについてはこの国立大学法人法で定めておるわけでございます。
ただ、独立行政法人制度を活用してございますので、その枠組みの基本的な部分、例えば公共上の見地から確実に実施する必要があり、しかし国自らが直接実施する必要はなく、かつ民営化にもなじまないという業務について、国が財政措置を含めた一定の責任を負いながら、国から独立した法人が行うと、そういう枠組みは国立大学の法人化にも活用できると、こういうことでございますので、これも恐縮でございますが、法技術的な観点から独立行政法人通則法の枠組みのうち、国立大学法人にも活用できる部分につきましては、独立行政法人通則法の関係条文に必要に応じまして修正、読替えというような形で修正を加えた上で活用するということとしてございます。
準用という、法律上の言わば一種の技術になるわけでございますけれども、これは直接には適用されない別の仕組みを当てはめるということを意味しておりまして、したがいまして準用という規定したことは、正に国立大学法人が通則法に基づく独立行政法人ではない独自の法人類型であると、こういうことでございまして、そういう意味で根幹の部分について国立大学法人法で書かせていただいたと、こういうことでございます。
(平成15年6月26日参議院文教科学委員会)


3 法人化後の国立大学の設置者について

 ○ 国務大臣(遠山敦子君) 
 御指摘のとおり、国立大学法人法案におきましては、国が国立大学を設置するのではなく、国立大学法人が国立大学を設置するということにいたしております。
そうなりましたのは、法令上、設置者というものは、設置する学校の土地あるいは建物などの財産を所有、管理をして、そしてその学校を直接運営するものを指すと解されております。したがいまして、法人化で国立大学を国の行政組織から切り離して、国から財産の出資を受けて、それを自らが所有、管理するとともに、法人が直接大学を運営するというふうなことになるわけでございますので、法令上は国立大学の設置者は国立大学法人とするものでございます。
一方で、国立大学法人法におきましては、大学の設置について法律で定めますとともに、法人化後も国として必要な財源措置を行うということといたしておりまして、国を設置者とすると提言することによって法人化後も国立大学に対する国の責任を明示しようとした検討会議の最終報告の趣旨は実現されているものと考えております。
(平成15年6月26日参議院文教科学委員会)
 ○ 政府参考人(遠藤純一郎君) 
先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、国立大学法人は国立大学の設置、運営という、国が責任を負うべき事業を担うということでございますので、独立採算制を前提とせず国からの財源措置について定めた独立行政法人通則法第四十六条の規定を準用をいたしまして、運営費交付金等の交付など国が所要の財源措置を行うということにしているところでございます。
さらに、この独立行政法人通則法四十六条は、中央省庁等改革基本法第三十八条四号で、「国は、独立行政法人に対し、運営費の交付その他の所要の財源措置を行うものとすること。」と規定されていることを前提としておりまして、ここでも国の財源措置の責任が明示をされているということになろうかと思います。
また、特に移行時の予算措置についてでございますけれども、平成十一年四月の中央省庁等改革推進本部決定でございます「中央省庁等改革の推進に関する方針」、ここにおきまして、移行前に必要とされた公費投入額を十分踏まえ、当該事務及び事業が確実に実施されるよう  十分配慮するものとすると、こうされてございます。
特に国立大学につきましては、当時の総務庁長官が、国立大学が独立行政法人化したとして、独立法人という言い方をしておりますけれども、その時点でこれだけの一般会計からの繰入れがあるということであれば、当面はそれを渡し切りの交付金の中で確保をしていきますと答弁をしているということもございます。
なお、本法案の衆議院における審議でも、財務省の政府参考人の方がいらしたわけでございますけれども、国立大学法人の財源措置については、中期計画の定めるところに従いまして、運営費交付金及び施設整備費を毎年度の予算編成の中で確実に手当てをすることとしておりますと、こういう答弁もしているところでございます。
いろいろ含めまして、国立大学の法人化によりまして国立大学に対する財源措置を含めた国の責任は変わるものではないと、こういうふうに思っておる次第でございます。
(平成15年6月26日参議院文教科学委員会)


4 中期目標・中期計画について 

@ 中期目標・中期計画の趣旨について

 ○ 政府参考人(遠藤純一郎君) 
現在の国立大学でございますけれども、教育研究の府であるという大学としての特性を踏まえてさまざまな制度上の特例措置を講じてはいますものの、基本的には行政組織の一部、言葉をかえて申しますと、文部科学省の内部組織として位置づけられているということでございますから、国の予算制度、国家公務員の法制のもとにあるということで、その制度の適用を受けまして、そういう意味での制約を受けてきたということでございます。また、日常的に文部科学大臣の広範な指揮監督のもとに置かれるという関係にあるわけでございまして、特に予算や組織につきましては、形式上、細目にわたるまで国が決定する、こういうような仕組みになっておるわけでございます。
法人化につきましては、このような国と国立大学との関係を大きく見直そう とするものでございまして、その基本的な考え方といたしましては、国立大学を独立した法人とすることによりまして、国の枠組みから外しまして、各大学の運営上の裁量を大幅に拡大するというものでございます。特に予算や組織につきましては、渡し切りの交付金ということで、使途は各大学で決めるということができるものでございます。
こういったように、法人化は国立大学の自律性を高めるものでございますが、法人化後も国が責任を持って財政措置を行う、そういう以上、大学の教育研究の特性や自主性に配慮しつつも、中期目標の策定など必要最小限の基本的事項については国の関与は不可欠ではないか、こう考えておる次第でございます。具体的に申しますと、中期目標、中期計画といった六年間の入り口の部分、言いかえますと、国立大学運営の基本的事項に関する大臣の関与と、事後的な行政評価などの出口の部分、言いかえますと、事後チェックに関する国立大学法人評価委員会による関与とに制度上限定をするというものでございます。
このように、法人化後の文部科学大臣の関与につきましては、法人化前のような広範かつ一般的な指揮監督権限は認めないということでございまして、中期目標、中期計画といった国立大学運営に関する基本的事項に限定をするということになろうかと思います。
したがいまして、一見、中期目標、中期計画という新しいフレームができたために権限が強化されたように見えるということがありますけれども、実際には、法人化によりまして国の権限が拡大するという指摘は逆でございまして、大学の裁量が大幅に拡大するというふうにとらえているものでございます。
(平成15年5月14日衆議院文部科学委員会)
 ○ 国務大臣(遠山敦子君) 
国立大学が、法人化しても国立大学であり続け、そして国の財政措置を受けるという体系であるならば、これは、中期目標を仮に大学が定めるというふうに法文がなったとしたら、国による財源措置の根拠は薄弱になるわけでございまして、制度全体の前提が崩れることになるというふうに私は思います。
大事なことは、国立大学が本当に活性化をして、国民の期待する教育研究、社会貢献というものをしっかりやっていただく。そういうねらいのもとに、それぞれの大学が特色を出して、中期目標の原案をつくるわけですね。それらを勘案して、もちろんそれを十分に尊重し、配慮して定めていくという現在の御提案しております法律案といいますものは、そうしたそれぞれの大学の取り組みというものを国としても責任を持ってしっかりと支えるということでございまして、仮に、それぞれの大学が、夢を描いたまま、膨大なものを中期目標とした場合に、これを国として、国民の税金を使いながら支えるということができるかということになってまいると思います。
(平成15年5月14日衆議院文部科学委員会)
 ○ 国務大臣(遠山敦子君)
まさに斉藤委員が今おっしゃいましたとおりでございまして、今回の国立大学の法人化というものは、国立大学を活性化するために、国の行政組織の一部から外して、むしろそれぞれの大学がしっかりとみずからの自律性を持って教育研究に携わっていただくという大目的でございます。そのために、独立行政法人への改革ということの桎梏の中で、しかし、国立大学のといいますか、あるいは大学の特性ということを配慮して、国立大学法人という形で、他の独立 行政法人とは違うさまざまな配慮を行っているわけでございます。
したがいまして、通常の独立行政法人でございますと、中期目標を大臣が定めて、そして指示するということになっているわけでございますが、その際に、国立大学法人につきましてはさまざまな配慮義務が課されているわけでございます。中期目標は主務大臣が定めるという独立行政法人制度の基本を踏まえながらも、文部科学大臣に対しては法律上明確に、大学の教育研究の特性への配慮義務を課しておりますし、また、国立大学法人の意見の事前の聴取義務も明記されておりますし、国立大学法人の意見への配慮義務というものも課されているわけでございます。
ということは、いわば、中期目標の実際上の作成主体というのは国立大学法人とも解せられるわけでございます。他方、高等教育全体のあり方あるいは財政上の観点などから大臣も関与して、ともに中期目標を形成していくということでございます。
我が省といたしましては、これまで以上に各国立大学との連携を密接にしながら、それぞれの理念あるいは使命といいますものをよく聞きながら、中期目標を軸に各大学の個性、特色を一層伸ばしていくことができるようにしっかりと取り組んでいきたい、そういう考えでございます。
(平成15年5月14日衆議院文部科学委員会)

A 中期目標・中期計画と大学の自主性・自律性について

 ○ 副大臣(河村建夫君) 
中期目標、中期計画、法案に基づいて教育研究に文部科学省の介入の余地があるんではないかという御指摘なんでありますが、国立大学の法人化は、国の直接的な関与というものはできるだけ限定をする、各大学の運営上の自主性、自律性を拡大しながら大学が社会との連携の間で直接意思疎通を図るために新たな環境を作っていこうとするものでありますから、どうしても中期目標、中期計画、重要な仕組みであると、こう思っております。
したがいまして、大学は何といっても、先ほど来も北岡委員も御指摘ありましたように、大学の本質的な機能である教育研究をいかに向上させて魅力的なものにするかというものでなければなりませんから、そのことをまず中期目標、中期計画に盛り込むということはこれは私は当然であろうと、こう思っておるわけでございます。
もちろん、国が所要の財政措置を行うために中期目標の策定や中期計画の認可、これは必要最小限の関与というのは必要でありますけれども、ありますけれども、中期目標の作成において国立大学法人の意見に配慮する、あるいは大学の自主性、自律性を十分尊重することが必要であるということ、この点は法案にも組み込まれておる。特にそれを配慮しなきゃいかぬというのはそこでございます。
そして、具体的には国立大学法人法案には、あらかじめ国立大学法人の意見を聴いて、その意見に配慮する、第三十条にあるわけでございます。そして、特に私は思うのでありますが、独立行政法人評価委員会とは別に、国立大学の法人評価委員会の意見を聴かなきゃならぬと、こうなっておるわけでございまして、中期目標、中期計画、これを定めていく場合には、必ず国立大学法人委員会の意見も聴くわけでありまして、一方的に文部科学省の方がこれに介入をしてということにはならない、私はこれを、ここで一回レビューされるわけでございます。
そして、中期目標を定めたときには、国立大学法人に対しては、指示じゃなくて示すんだということがそこにあるわけでございまして、一方的に文部科学省がそれを示して、それをそのとおりに指示してやれと、こういうことにはならないわけでございまして、特に法律の運用に当たっては、国立大学における教育研究の特性に常に配慮しなきゃならぬということが規定されているのは正にそこにあると、こう思うわけでございます。
なお、中期目標及び中期計画に記載をされております教育研究の質の向上に関する事項についてでありますけれども、例えば各大学が目指しております教育目標や研究水準、その実施体制などに関する事項などを想定しているわけでございますが、第一点として、記載内容は、原則として全学的な視点からのものに限って、各大学の特性を踏まえて一層の個性化を図る観点を考慮しながら明確かつ簡潔に記載することとし、第二点としては、学部や研究会における個々の子細にわたる教育研究活動についての記載は求めないこととしておる。
こういうことでございまして、大学が自ら中期目標の原案や中期計画に記載することを希望する場合にはこれを否定するものではないわけでありまして、大学は中期目標において個々の教員の教育研究の具体的な在り方を一方的に定めるものではなくて、そういう意味から考えてみても、私は大学の教育研究に文部科学省が介入するということにはならないと、こう思っておるわけでございます。
(平成15年6月5日参議院文教科学委員会)
 ○ 副大臣(河村建夫君) 
今、有馬委員御指摘のボトムアップ、私もこれ大事なことだと、全く同感の思いで今伺っておったわけでございますが、これまで、現在の国立大学、先ほど大臣の答弁にもありましたように、国、文部科学省の行政組織の中にあったわけでございます。したがって、教育研究、組織、予算、最終的には国、政府の責任で定めておるわけでございますけれども、有馬委員御指摘のとおり、文部科学省といたしましても、教育研究、組織の編成については十分国立大学の御意向というものを踏まえながら予算措置を行ってきた、かなり綿密な連携を取ってやってきた、そして大学の意向や自主性を尊重してきた、そのことを御指摘をいただいたと思うんでありますが。国立大学の法人化に伴って、これは、国は所要の財政措置をやるわけでありますが、国立大学は法人化することによって、この運営上の裁量は、これは非常に大幅に拡大をして、そしてその結果、自主性、自律性を高めてまいりたいと考えております。そういう点からいきますと、大学の意向や自主性を尊重するということについては今後ともいささかも私は変わらないものだと、このように思っております。
そういう意味で、これからも中期目標を立てる、策定することになっておるわけでございます。これは文部科学大臣がと、こうなっておるわけでございますが、これは、大臣に対して、御案内のように、第三条では大学の教育研究の特性への配慮義務がございますし、三十条三項には国立大学法人の意見、いわゆる原案への事前の聴取義務、さらに国立大学法人の意見への配慮義務ということも、法律上の義務を課しているのも正にそれでございます。中期目標の実際上の作成主体というのは、これは当然国立大学法人と解されるわけでございますから、これ、大学の方がこれをきちっとやってくるということでございまして、一方、高等教育全体の在り方や財政上の観点から文部科学大臣も関与していかなきゃならぬということで、ともに中期目標を形成していくと、こういう仕組みになっておるわけでございます。
また、各大学は中期目標などに基づいて魅力的で個性ある教育研究を展開するに当たりましては、これまで以上に各国立大学との連携を十分に取りながら、それぞれの理念や使命感、そういうものをお伺いをしながら、その自主性を十分尊重して、中期目標を軸にして各大学の個性や特色を一層伸ばしていく、これができるようにということで文部科学省として取り組んでまいらなきゃならぬと、このように思っているところであります。
(平成15年6月5日参議院文教科学委員会)
  ○ 国務大臣(遠山敦子君) 
中期目標につきましては、高等教育全体の在り方や財政上の観点等から、文部科学大臣
もかかわって、両者が十分に意思疎通を図りつつ協力をして中期目標を形成していく仕組みといたしております。同時に、文部科学大臣に対して大学の意見、すなわち原案への配慮を法律上義務付けていることなどから、中期目標の実際上の作成主体は国立大学法人とも解されるものであります。中期目標に関する国立大学法人の原案への配慮義務を規定いたしました国立大学法人法案第三十条第三項は、教育研究の特性への配慮を定めた第三条と相まって、国立大学法人が作成する原案を最大限尊重するという趣旨であるというふうに考えております。
(平成15年7月8日参議院文教科学委員会)

 B 法人移行期の中期目標の策定手続について

  ○ 政府参考人(遠藤純一郎君) 
  中期目標につきましては、委員御指摘のように、四月一日に法人が成立をしましたらそ
の法人として、今御指摘のように内部の一連の手続を経まして大学、法人において中期目標の原案を作成をし、それを文部科学大臣に提出をするということになるわけでございます。
  ただ、四月一日からこれを全部一連のことをやるということになりますと、法人が成立
をし、いろんな法人の教育研究等をやっていかなくちゃならないわけでございますから、基本的に、議員御指摘のように四月一日に法人が成立をした後でそういう法律に基づく一連の手続をやるわけでございますけれども、その前に、大学の方では諸準備をしておるわけでございまして、それで諸準備をし、素案という形で大学の方でおまとめになるということになろうかと思います。
  素案という、素案につきまして、法人化以前の事実上の行為としまして素案を提出をし
ていただきまして、この法律、法案で十六年四月一日以前の十五年十月一日に国立大学法人評価委員会、これが施行されることになっておりますので、その提出されました素案につきまして、事前の準備として国立大学法人評価委員会で事前に審議をしていただくということにしておるわけでございます。
  御指摘のように、それではその素案が全くそのままの形で原案として四月一日以降出る
のかということでございますけれども、これはやはり四月一日以降、正式の手続の過程におきまして素案と原案が若干違ってくるということも当然あるというふうに考えておるわけでございますが、しかしそれも、先ほど来申しておりますように、国立大学としての同一性というものもあるわけでございますので、そういう意味で、素案を事前にそういう形で慎重に準備をし、そして四月一日以降すぐに業務ができますように、それを早い形で原案、そして目標計画、正式の目標計画という形にさせていただくということを考えておるわけでございます。
(平成15年7月1日参議院文教科学委員会)

C 中期目標と国立大学の再編・統合について

 ○ 政府参考人(遠藤純一郎君) 
   国立大学の再編・統合でございますけれども、各大学の枠にとらわれずに、限られた資
源の有効活用によりまして教育研究基盤の強化を図るためのものでございまして、各大学におきましては、このような観点に立ちまして、それぞれの教育研究の発展という視点から、また更なる活性化の好機として幅広く自主的な検討がなされてきているわけでございます。文部科学省といたしましても、各大学における検討を踏まえまして、大学同士の合意が得られるなど諸条件の整ったものについて再編・統合を進めているところでございます。
   中期目標につきましては、最終的には主務大臣の責任において定めるという独立行政法
人制度の枠組みを活用しながらも、文部科学大臣に対しまして、大学の教育研究の特性への配慮義務、あるいは国立大学法人の意見の事前聴取義務、国立大学法人の意見への配慮義務を法律上の義務として課すことにしているところでございます。
   このような法案の趣旨を踏まえまして、文部科学省といたしましては、中期目標の策定
や中期計画の認可に当たりまして大学の自主性、自律性を最大限尊重するということが大前提でございまして、文部科学省が大学の意に反して中期目標の原案に再編・統合について記載を、強制的に記載をさせるといったようなことはないと考えております。
(平成15年7月1日参議院文教科学委員会)

D 平成14年12月に示した「参考資料」について

 ○ 国務大臣(遠山敦子君) 
 問題となりました御指摘の昨年十二月の資料そのものの作成経緯や性格等について御説明申し上げます。この資料は、昨年三月の調査検討会議の最終報告を踏まえ、同年四月以降、準備作業の検討を開始した国立大学協会から、各大学で検討を要すると考えられる事項のうち、各大学の自主的な準備作業の参考資料として中期目標、中期計画のイメージ的なものが必要であり、文部科学省として協力してほしいとの要請を受け、作成したものでございます。
実際の作成のプロセスといたしましては、国立大学協会からの要請を受けました後に、昨年十一月に、国立大学協会の関係委員会に「検討素案(未定稿)」を提出し、国立大学協会側の意見を伺い、その意見を踏まえて更に修正、簡略化した資料を作成して、同年十二月に「案(未定稿)」として再度国立大学協会の関係委員会に提出したものでございます。
その後、本資料は、同委員会における会議資料の一つとして国立大学協会から各大学に配付されましたことから、今日に至るまで各大学における自主的な準備作業の参考のための資料として活用されているものと承知いたしております。
なお、資料では、中期目標、中期計画の記載内容について、一つは、原則として全学的な視点からのものに限る、二つには、各大学の特性を踏まえ一層の個性化を図る観点を考慮しつつ明確かつ簡潔に記載するとしており、この点はこれまでの国会審議における文部科学省の答弁と矛盾するものではないと理解しております。
また、中期目標、中期計画のほかに、個別の学部等の単位での固有のより具体的な事項を記載したものについては、中期目標、中期計画に記載された内容の背景等を理解するための参考情報として提出を依頼したものでございます。
この昨年十二月の資料については、資料の性格やスケジュールなどの点で配慮が必ずしも十分でなく、結果的に関係者に過度の負担を招いたとの指摘があることについては誠に遺憾でございます。この点については、速やかに資料の正確な趣旨を大学に対して徹底することといたします。
また、各大学におきましては、法案が国会で成立した場合に備えて様々な準備が進められてきましたが、法案の国会提出以前の段階から文部科学省名義の資料が示されたことにより、文部科学省による指示があったと受け止められて法律に基づく中期目標、中期計画そのものの作成が進められてきたとの指摘や、その結果として、国会における審議の尊重という観点から問題だとの指摘を受けたことについては、誠に遺憾であり、深くおわびをいたします。
今後、法案をお認めいただけた際には、中期目標、中期計画の原案はあくまで法人である各大学が主体的に検討すべきものでありますので、法案に関する国会審議の状況を踏まえ、大学に対して改めて必要な情報や資料を適切に提供することといたします。
なお、平成十六年度概算要求作業は、新制度への過渡期のために、中期目標、中期計画の策定作業とは直接関連しないものとして進められているところでございます。
(平成15年6月26日参議院文教科学委員会)


5 国立大学法人の評価について

@ 国立大学法人の評価制度について

 ○ 政府参考人(遠藤純一郎君) 
ただいま副大臣から御答弁申し上げましたように、国立大学の法人評価は、教育研究、業務運営、財務内容等、中期目標、中期計画に記載された各事項につきましてその達成状況を評価するというものでございまして、この評価は、国立大学に対して国が責任を持って予算措置をするということを踏まえまして、その国費が有効適切に使用されたかどうかを国として検証する観点から行うものでございます。文部科学省に置かれる国立大学法人評価委員会が実施するということになるわけでございます。
ただ、このうち、教育研究面の評価につきましては、専門家によって専門的な観点からきめ細かく行うことが求められるということ、教育研究の特性を踏まえて大学の自主性、自律性や学問の自由を尊重して実施することが必要であるということがあるわけでございまして、こういうことから、評価委員会が直接これを行うということではなくて、教育研究の専門的評価機関として国立大学評価に一定の業績を有します大学評価・学位授与機構に実施を要請することとしまして、そして国立大学法人評価委員会はその結果を尊重して教育研究面を含む法人の業績全体の総合的な評価を行うと、こういうシステムにしておるわけでございます。
(平成15年6月10日参議院文教科学委員会)

A 国立大学法人の評価の在り方について

 ○ 政府参考人(遠藤純一郎君) 
学会での評価でございますけれども、当該の研究分野におきまして、個々の研究者あるいは研究グループによります個別の研究に関しまして、その独創性や新規性などの観点から内容を評価するものであると、こう理解しておるわけでございます。
一方、国立大学の法人評価でございますけれども、国立大学に対しまして国が所要の予算措置をするということを踏まえまして、その国費が有効適切に使用されたかどうかを国として検証するという観点から、大学の組織全体としての中期目標、中期計画の達成状況を評価するものでございます。
したがいまして、教育研究面の評価を実施する大学学位授与機構におきましても、このような観点から学部、研究科ごとに中期目標、中期計画の組織としての達成状況を評価するということになろうかと思います。
具体的には、中期目標、中期計画における記載内容に照らしまして、研究の実施体制あるいは研究環境の整備状況とか、例えば当該学部等を構成する教員の学会における学会賞の受賞状況や学会誌への論文掲載状況などの個別業績等を基に、それらを総合した組織としての研究水準が国際的、全国的に見てどの程度の水準にあるか等の要素も勘案しながら、学部等の組織としての達成状況はどうであるかということを評価するということになろうかと思います。
(平成15年6月10日参議院文教科学委員会)
 ○ 副大臣(河村建夫君) 
御指摘のとおりでございまして、教育は今日やったら明日成果が出るというものでもございません。この中期目標、中期計画、それぞれの大学は理念、基本理念とか長期的な目標を実現するために六年間の設定をするということになっておるわけでございます。特に、その教育面についても、中期目標、中期計画の中にそういうものを織り込んで評価を受けるということになるわけでございますが、これに対しても教育の成果に対する目標をどうするか、それから教育内容に関する目標を立てなきゃいけませんし、それから教育の実施体制等に関する目標を立てる、それからさらに大学としては学生の支援に対しても目標を立てる、こういうものが教育について、正に教育の目標といいますか、教育の評価を受ける場合の項目になっていくわけでございます。その際も、各大学が持っている理念、特色、地域性、そうしたものをちゃんとその中に一緒に織り込んで設定をして評価を受けるということになっていくわけでございます。
そういうものに対して、専門的評価機関である学位授与機構が、大学評価・学位授与機構が、それらがどの程度実施されたかということを見ていくわけでございます。これには当然、授与機構は各大学に実地調査に入りますから、その際に学生にも集まっていただいて学生の意見を聴くというようなことも当然あるだろうと、こう思いまして、そういう意味で、大学側自身も自己評価をいたしておりますから、これがどのような形で具現化されているかということも見なきゃなりません。
法人評価も、当然、全体評価されますが、その中でもやっぱり教育の評価というのは、そういう意味ではなかなか目の先だけで難しい問題でありますから、長期を見据えた形での評価、そういう形であれば先でこういうことになっていくだろうというようなことも、恐らく評価する場合にいろいろお考えをいただきながら評価をしていくということになろうと思います。
そういう意味で、絶えず継続的に評価のやり方等々も改善をしながら努めていただく。各大学を回るわけでありますから、いろんな大学の取組もありましょうから、そういうものを十分、評価機関としてはこれからもそれを受け入れ、調査の中のいろんな項目の中に取り入れながら、できるだけ評価が、先を見た、特に教育の長期的な見通しができるような評価をやっていくということでなければならないと、こう思っております。
(平成15年6月10日参議院文教科学委員会)
 ○ 政府参考人(遠藤純一郎君) 
それから、評価の実施に当たりましては、画一化を招かないよう各大学の個性や教育研究の特色を考慮するとともに、大学が作成する資料を精選するなど、大学の過重な負担とならない効率的な評価となるよう十分留意して行うことが必要であると考えておる次第でございますし、また、多元的な視点による評価ということもございますから、評価に学生の声を反映させるといったようなことも必要ではないかと考えておる次第でございます。
それから、国立大学法人に関する評価の具体的な在り方につきましては、今後、評価委員会において検討されていくこととなりますけれども、大枠といたしまして、教育研究の質の向上、業務運営の改善、効率化、財務内容の改善、自己点検・評価及び情報提供といったようなことが中期目標で設定をされておりますけれども、そういった中期目標、中期計画に記載された事項を対象に、投じられた国費が有効適切に使用されたかどうかを国として検証する観点から、例えばその評価でございますけれども、十分達成した、おおむね達成した、ある程度達成したが必ずしも十分ではない、不十分であるといったような段階的な評価区分を設けまして、各評価項目における目標計画の達成状況について評価をすることとなるのではないかと、こう考えておる次第でございます。
文部科学省といたしましても、評価の結果が社会一般に分かりやすく大学の状況を示すものとなるよう意を用いてまいりたいと、こう考えておる次第でございます。
(平成15年6月5日参議院文教科学委員会)
 ○ 副大臣(河村建夫君) 
先ほどから御答弁申し上げ、またお話出ておりますように、教育研究面の評価は大学評価・学位授与機構が専門的見地から行うわけでございます。その際、御指摘がありましたいわゆる文系分野の評価、この点につきましても、その論文を引かれる回数が一定の基準を、一律にあるから、幾つあるからということで、そういうことで単に評価するということじゃなくて、その大学がそれぞれ持っている中期目標、中期計画に照らして学問分野ごとの特性に応じて行わなきゃならぬわけでございまして、先ほど局長からも一部答弁申し上げたと思うんですけれども、研究の実施体制がどのように整備されているか、成果が地域の文化等にどの程度貢献しているかとか、それからその学問分野の中で大学の研究水準がどの程度であるかというような、そういう目標、計画を踏まえてその達成状況を評価するということでありまして、国立大学は文系の分野を含めて我が国の学術、文化等の面から重要な学問分野の研究、教育研究に大きな役割を担っておるものでございます。
したがって、様々な学問分野通じて公平かつ適切な評価をされなきゃなりませんので、そういう意味で、一見すぐそれが企業に結び付いて何か大きな社会貢献をするというだけではなくて、やっぱりその地域の文化に大きく貢献をするというような面もございます、そういうことも十分評価の基準。だから、したがって、こういう研究はこういうふうにつながるんだという、ある程度の目標というものが事前にあって、それに対してどこまで達成したかというようなことを見ていくわけでございますので、そういう面で学問分野の特性というものを十分配慮して、今おっしゃった文系の分野についても、最初の計画のときにもきちっと入れながらその評価を受けるということが大事ではないかと、このように思っております。
(平成15年6月10日参議院文教科学委員会)
  ○ 政府参考人(遠藤純一郎君) 
評価におきまして過度の負担とならないよう、資料等につきましても、原則的には大学
の自己点検・評価の資料を用いるなど、そういった配慮をしてまいりたいと、こう考えております。
(平成15年7月8日参議院文教科学委員会)




B 国立大学法人評価への学生の意見の反映について

 ○ 政府参考人(遠藤純一郎君) 
国立大学法人評価を的確に行う上で、学生の声を評価結果に反映させるということは極めて重要なことである、こう考えております。
教育研究の状況につきまして、国立大学法人評価委員会から大学評価・学位授与機構に評価の実施を要請して、その結果を尊重するということにしておりますが、現に今、大学評価・学位授与機構におきましては、分野別の教育評価といったようなものを試行的にやっておるわけでございます。その中では、ほとんどの国立大学では学生による授業評価の結果も踏まえた自己点検・評価というものを行っておりまして、機構は、それをもとに評価結果に反映をするということが一つございます。
それから、各大学に実地調査時に、評価委員が学生に面接を行い、大学の教育活動についてすぐれた点や改善を要する点等を学生から直接聞くといったようなこととしておりまして、このことを評価の実施手引書に明記をしているし、公表しているということなどもやっておるということでございます。
したがいまして、国立大学法人評価については、どう行っていくかというのは今後の検討課題ということになりますが、教育の実施状況を評価する際には、学生による授業評価が重要な資料になると考えておりますし、また、実地調査等を実施しまして、面接をして学生から直接いろいろなことを聞くというようなこともあるものと考えておる次第でございます。
(平成15年5月14日衆議院文部科学委員会)

C 国立大学法人評価委員会について

 ○ 政府参考人(遠藤純一郎君) 
評価委員会の構成等のお話として今お答えさせていただきますけれども、国立大学法人評価委員会の委員としては、社会、経済、文化等の幅広い分野の有識者を始め、大学の教育研究や運営に関して高い識見を有する方々によって構成することを考えておりまして、例えば国際的水準の研究に従事している方、学長経験者など大学の管理運営の責任者として従事した経験を有する方、文明や広く社会の在り方について大局的な見識を有する有識者など、公正かつ的確で大学や社会から信頼される適切な評価を実施し得る方々を選任するということを考えております。
大学関係者につきましては、現に所属する又は過去に所属した大学の個別評価に参加することはできないとする予定でございまして、これらの委員の氏名や経歴などにつきましては社会に公表するということを考えてございます。
組織でございますけれども、これにつきましても政令で定めるということにしておりますが、法案成立後、関係省庁とも協議しながら、パブリックコメントを通じて社会にも広く意見を求めた上で、委員の人数、任期あるいはその分科会の構成、その他会議の定足数等々議事運営に関する事項といった内容をできるだけ速やかに決定することを考えております。
具体的には、委員の人数としましては有識者十数名程度で構成することを考えておりますし、国立大学法人と大学共同利用機関法人とをそれぞれ担当する分科会を設けるということにしておりますとともに、その下で専門的な事項について審議できるよう必要に応じ各種の部会を設置をするということなどを考えてございます。
さらに、評価委員会の会議でございますけれども、原則として公開するということと考えておりますし、議事録も公表することを考えていますほか、評価結果を決定する前に大学から意見の申立ての機会を設けるということなども予定をしているところでございます。
(平成15年6月26日参議院文教科学委員会)
  ○ 政府参考人(遠藤純一郎君) 
御指摘のように、公正性、透明性を確保しつつ適切な評価を行うためには、評価する側
が一方的に行うのではなくて、大学の意見をよく聴きながら行うことが重要であると考えております。このため、国立大学法人評価委員会が国立大学法人の業績全体の評価を行う場合、あるいは大学評価・学位授与機構が評価委員会の要請を受けて教育研究面の評価を行う場合のそれぞれにおきまして、大学からの意見申立ての機会を付与する旨の規定を法令で整備することを予定しているところでございます。
(平成15年7月8日参議院文教科学委員会)
  ○ 副大臣(河村建夫君) 
大学評価におきましては、一方的な評価を行うものではなくて、評価する側とされる側、
やっぱり双方向でやり取りをしながら評価の適正が期されていかなきゃいかぬ重要なことであろうと思っておりまして、正に御指摘のとおりでありますから、評価に関する大学からの事前の意見申立ての機会の付与についてはきちっと対応していきたいと、このように考えております。
(平成15年7月8日参議院文教科学委員会)
  ○ 政府参考人(遠藤純一郎君) 
評価委員会の組織等につきましては政令で定めることとしておりますが、法案成立後、
関係省庁とも協議した上で決定することとなると思います。例えば、組織につきましては、国立大学法人と大学共同利用機関法人とをそれぞれ担当いたします分科会を設けるとともに、その下に必要に応じて各種の部会を設置する予定でございます。規模につきましては、例えば国際的水準の研究に従事している方、学長経験者、文明や社会の在り方に大局的な見識を有する方など、社会、経済、文化等の幅広い分野の有識者十数名程度の成員で構成することなどを検討をしているところでございます。また、評価委員会の委員の氏名や経歴、会議の議事録を公表するとともに、会議自体も原則公開とするなど、公正性、透明性の確保にしっかり取り組んでまいる予定でございます。また、評価委員会が行う評価の基準につきましては、より一層適切な評価としていくためにも不断の見直しを行うことといたしております。なお、我が国におきましては、大学の質の向上を図るための評価は諸外国と比べましてまだまだ未成熟な段階にございますので、多様な評価主体を育てるためにも国としても各般の支援を行うことを考えておるところでございます。
(平成15年7月8日参議院文教科学委員会)
  ○ 副大臣(河村建夫君) 
前段の評価委員会の委員の中に地域性といいますか、そうした研究評価ができる人たち、
そういうことが評価できる人を評価委員ということでございます。これは、そういう方向で委員の選任については検討いたしておるところでございます。それを含めて委員を選ぶということが前提になっておるということをまずお答えしておきます。それから、評価委員会につきましては、今、委員御指摘をいただきました評価委員会の公正性、透明性、これを高めていく、これは非常に大事なことでございますから、会議の議事録の作成、公表を含めて、委員会の公正性、透明性の確保をきちっと図っていくということでございます。委員の御指摘のとおりの形、委員会規則等々ではっきりさせるという方向で検討いたしておるところでございます。
(平成15年7月8日参議院文教科学委員会)

D 評価結果の運営費交付金配分への反映について

  ○ 政府参考人(遠藤純一郎君) 
評価結果の運営費交付金への反映の具体的な在り方につきましては、国立大学法人評価
委員会における結論を待って検討をするということになってございますが、運営費交付金の算定に用いる評価項目につきましては適切なものとなるよう慎重に検討するとともに、各大学の自主性、自律性や特性、個性が結果として制約されることのないよう配慮してまいりたいと、こう考えております。また、評価結果を反映させるための具体的な方法等につきましては、これを公表いたしまして透明性の確保に努めてまいりたいと、こう考えております。
(平成15年7月8日参議院文教科学委員会)

E 政策評価・独立行政法人評価委員会(総務省)との関係について

 ○ 政府参考人(遠藤純一郎君) 
国立大学法人評価委員会でございますけれども、これは国立大学法人の業務実績全体の総合的な評価を行うものでございます。このうち教育研究面の評価につきましては、専門的な観点から大学評価・学位授与機構に実施を要請して、その結果を尊重すると、こういう仕組みになっておるわけでございます。この国立大学法人評価でございますが、国立大学に対して国が責任を持って予算を措置をすることを踏まえまして、その国費が有効適切に使用されたかどうかということを国として検証する観点から、各国立大学法人の中期目標、中期計画 の達成状況を評価するものでございます。総務省の評価委員会でございますけれども、国立大学法人制度における評価機能を客観的、中立的な立場から二次評価をするというものであるわけでございます。
このように各評価機関の役割は明確に整理されていると考えておりまして、国立大学法人が同一の事項についてそれぞれの評価機関から重複して評価を受けるということはないような仕組みとなっていると考えておる次第でございます。したがいまして、国立大学法人が同一の事項について作成する資料は一種類になるというふうに私どもは考えておる次第でございます。
(平成15年6月26日参議院文教科学委員会)
 ○ 副大臣(河村建夫君) 
先般の委員会におきまして、内藤議員の国立大学法人に対する文部科学省と総務省の評価の関係はとの御質問に対しまして、私が、二重評価ということがあり得ないように、そういう前提に立ってきちっと詰めさしていただきますと答弁を申し上げたところでございます。
この趣旨は、総務省の評価委員会が毎年度行う評価について、国立大学法人を直接の評価対象とすることではなく、国立大学法人評価委員会が行った評価結果を対象に二次評価として行うものであり、それぞれの役割を明確に整理すると、こういう意味で、いわゆる文部科学省が行った、大学評価委員会が行ったものをまた総務省がそれをということ、この役割は、それはあり得ないことだというふうに申し上げたわけでございます。
しかし一方、総務省の評価委員会には、こうした評価のほか、中期目標期間終了後に文部科学大臣に勧告を行うことができると、こうなっておるわけでございます。この勧告は、一次評価の結果について評価を行うというものではなくて、総務省の評価委員会として自らの判断によって行うものであると、こういうことでございます。
(平成15年6月26日参議院文教科学委員会)
 ○ 政府参考人(田村政志(総務省行政評価局長)君) 
   最初に、総務省の独立行政法人評価委員会の勧告は、二次評価ではなくて、自ら直接判断を行うという性格のものかどうかということでございますが、総務省の評価委員会は、本法案による独法通則法の準用規定に基づき、中期目標期間の終了時に主務大臣である文部科学大臣に対して行うことが、勧告を行うことができるとされているところでございます。この勧告は、一次評価の結果について評価を行い意見を述べるという毎年度の評価の仕組みとは異なりまして、自ら直接判断を行うという性格のものでございます。
   ただし、この勧告は直接国立大学法人に対して行うものではございませんで、文部科学大臣に対して行うものでございます。この勧告を受けて、文部科学大臣は自ら見直しの検討、判断を行うものでございます。
   次に、勧告を行うに当たって直接国立大学法人に対して調査を行うのかということでございますが、総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会が勧告を行うに当たっては、国立大学法人法案第三条の規定の趣旨を踏まえ、必要な資料の提出等の依頼は直接国立大学法人に対して行うのではなく、文部科学大臣に対して行うこととすることを検討しているところでございます。
   現在検討している勧告の取組の方針案というものは、現在の既存の独立行政法人の勧告についての方針でございます。国立大学についての方針の策定に当たっては、法案の第三条に十分配慮してまいります。
(平成15年6月26日参議院文教科学委員会)
  ○ 政府参考人(遠藤純一郎君) 
私どもは、総務省の評価委員会から直接国立大学に対して資料の請求をするということ
はないというふうに理解しております。
(平成15年7月8日参議院文教科学委員会)
  ○ 副大臣(河村建夫君) 
私もかねてからこの評価について、いわゆるダブルチェック的なものというのは避けな
きゃいかぬということでありまして、評価が適正に行われるということは当然でありますから、大学評価委員会がきちっと評価したものが適正であったかどうかを見ていただくということは、これは必要なことだと考えておりますが、委員の御指摘のように、それが第三条に立ち入るようなことがあってはならぬわけでございますので、その点だけはきちっと明確にしていかなきゃならぬと思います。
(平成15年7月8日参議院文教科学委員会)
  ○ 政府参考人(田村政志(総務省行政評価局長)君) 
総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会、以下総務省の評価委員会と略称させてい
ただきますが、この評価委員会が行う独立行政法人通則法三十二条による年度評価及び独立行政法人通則法三十四条による中期目標期間終了時の評価、それぞれ準用されている規定でございますが、この評価につきましては、国立大学法人制度における評価機能を、国立大学法人法案第三条の規定の趣旨を踏まえつつ、客観的、中立的な立場から「二次評価」を行うものでございます。具体的には、一次評価の結果を対象に、例えば把握すべき実績が適切に把握されているか、評価基準の当てはめが適切か、適切なデータに基づいているか、評価結果の根拠、理由等は明確かつ妥当かといったようなことにつきまして、国立大学法人評価委員会の評価の手法、在り方などについて、必要があると認めるときは国立大学法人評価委員会に対して意見を述べることができることとされているものでございます。これによりまして、文部科学省に置かれます国立大学法人評価委員会が国立大学法人を評価することについて、客観性、厳格性、公正性等が更に確保されることになり、評価の社会的な信頼が確保、向上するものと考えております。
(平成15年7月8日参議院文教科学委員会)
  ○ 政府参考人(田村政志(総務省行政評価局長)君)
総務省の評価委員会は、評価に当たりまして、文部科学省の国立大学法人評価委員会の
評価の結果について同委員会に対して意見を述べるものでございまして、各大学の設置や運営、教育研究活動について直接意見を申し上げるものではございません。
(平成15年7月8日参議院文教科学委員会)
  ○ 政府参考人(田村政志(総務省行政評価局長)君)
勧告の対象となります国立大学法人の「主要な事務及び事業」とは、現段階では法人の
中期目標、中期計画の内容が明らかでございませんので確たることは申し上げられないわけでございますけれども、一般的には、中期目標、中期計画に記載される主要な事務事業程度のものを想定しておりまして、これには大学本体や学部等の具体的な組織そのものは含まれないと考えております。次に、勧告の手続についてでございますが、詳細な手続は今後、法案第三条の規定の趣旨及び国立大学法人評価委員会の評価手法などを踏まえつつ検討していくこととなりますが、その概略につきましては、総務省の評価委員会が国立大学法人評価委員会から毎年度通知された評価結果を基に検討を行い、必要と認められる場合には中期目標期間終了時に文部科学大臣に対して勧告を行うことになるものであります。その勧告の内容としては、例えば国立大学法人評価委員会の意見が当該事務事業に係る国立大学法人の中期目標、中期計画の見直しに反映されていないときなどにおいて、国立大学法人評価委員会の意見に即した事務事業の見直しが行われるべきことなどについて文部科学大臣に勧告することなどが考えられます。なお、勧告を受ける対象は文部科学大臣のみでございまして、国立大学法人が直接勧告を受けることはございません。また、総務省の評価委員会が勧告を行うに当たっては、法案第三条の規定の趣旨を踏まえ、必要な資料等の提出等の依頼は直接大学に対して行うのではなく、文部科学大臣に対して行うこととすることを検討中でございます。勧告に対する反論の機会ということでございますが、勧告を受けた文部科学大臣は、その内容も踏まえて法人の業務全般について検討を行うこととなりますが、その勧告に沿った措置を講ずるかどうかは文部科学大臣の判断であることから、勧告に対する反論のための特段の制度を設けることは予定してございません。ただ、勧告の検討の過程では、国立大学法人、文部科学大臣及び国立大学法人評価委員会の見解を伺うような手続を検討してまいりたいと考えております。
(平成15年7月8日参議院文教科学委員会)
  ○ 政府参考人(田村政志(総務省行政評価局長)君)
(総務省の評価委員会による二次評価に関して)最終的に今の資料の要請、直接大学に
は要請しないということで、文部科学省、委員会にお願いする、国立大学評価委員会にお願いするということはそのとおりでございます。
(平成15年7月8日参議院文教科学委員会)


6 多元的な評価の充実について

 ○ 副大臣(河村建夫君) 
他の内閣委員会に出ておりまして、中座して失礼いたしました。お許しをいただきたいと思いますが。
今の鈴木委員の御指摘は、私は非常に大学評価、大事でありますし、そういう観点をこれから高めていかなきゃいかぬと、こう思っております。
現在、大学基準協会あるいは短期大学基準協会等の評価機関が大学の質の向上を図る観点から評価活動を展開をいたしておるところでございます。また、多くの私立大学が加盟しております日本私立大学協会を中心に新たな評価機関を設立したいというような動きもございまして、私はこれらの機関が早く立ち上げて活動をしてもらいたいと、こう思っておるわけでございます。
残念ながら、日本においてはまだこうした第三者評価機関というものの成熟度が高まっておりません。平成十五年度予算でも第三者評価に関する調査研究費を措置をいたしておりまして、認証評価機関としての認証を受けて、第三者評価を実施しようと準備を進めている機関に対しては、その体制整備を進めるための経費を委託するということにいたしておるわけでございます。認証を受けた評価機関に対してこれから国の支援をどうするかということについても今検討をいたしておるところでございます。
おっしゃるように、国の機関でもない、ただ身内の自己評価というのがございますが、それの外の段階で評価を受ける、非常に公正な評価機関というものが是非私は必要だと考えておりますので、文科省としてもそうした多元的な評価を行えるような機関の設置といいますか、それについては積極的に支援をしてまいりたいと、このように考えております。
(平成15年6月5日参議院文教科学委員会)


7 中期目標期間終了時に文部科学大臣が行う「所要の措置」について

  ○ 国務大臣(遠山敦子君) 
御指摘の国立大学法人法案で準用しております独立行政法人通則法第三十五条に言いま
す「所要の措置」といたしましては、一般的には当該法人の廃止あるいは組織の見直し等が含まれるものとされているところでございます。しかしながら、国立大学法人につきましては、法案第三条に規定された教育研究の特性への配慮義務などを踏まえまして、中期目標期間の終了時における検討結果につきましては、まず各国立大学法人においてこれをしっかりと受け止めて、次期中期目標期間における大学運営に責任を持って反映させることが大前提となっているところであります。また、効率的な運営といいますものは国立大学法人にとっても重要であるわけですが、例えば学内の教育研究組織の編制などについて、業績評価と関係なく機械的にスリム化を図るというようなことはしない考えでございます。
(平成15年7月8日参議院文教科学委員会)

8 大型プロジェクトの推進について

 ○ 政府参考人(石川明君) 
ただいま先生からお話のありました、例えば東京大学の宇宙線研究所におけるスーパーカミオカンデは、大変今重要な研究が進められておりまして、優れた研究成果が生まれているところでございます。
今後とも、国立大学の附置研究所等におきまして、先生今お話ございましたように、このように大型で重要な研究プロジェクトの実施というのは予想されるところでございます。このように重要と考えられます新たな大型のプロジェクトに係る施設費とか大型の設備費等というようなものにつきましては、施設費補助金というところにおいてまず措置をすることになるというふうに考えておるところでございます。
 また、そういった施設設備の運営等に係る経費につきましても、これは運営費交付金によりまして適切に対応していきたいと、このように考えているところでございます。
(平成15年6月26日参議院文教科学委員会)


9 学内の教育研究組織の編制について

 ○ 政府参考人(遠藤純一郎君) 
学部、研究科、附置研究所というその国立大学の基本的な組織についてでございますが、最終報告におきましては、理由としまして、これらの組織の在り方は各大学の業務の基本的な内容と範囲と大きくかかわるものであり、あらかじめできるだけ明確にしておく必要がある、明確にしておくというのが一つあるということ。それからもう一点、一つの観点として、独立行政法人制度における各法人の内部組織が原則として各法人の判断にゆだねられているということを考慮する必要があるということで、各大学の業務の基本的な内容や範囲を法令等で明確化する方法を工夫するということが提言をされているわけでございます。
法案の立案に当たりまして、このような提言を受けまして、学部や研究科の名称につきまして文部科学省令で規定するということも検討したわけでございますが、検討の結果、最終的には、教育研究組織の編制を始めとする大学運営につきましては大学の裁量を尊重するというその法人化の趣旨を踏まえまして、学部、研究科等の名称につきましては、文部科学省が法令で規定するということではなくて、中期目標記載事項に共通する基本的な事項として大学の意見を踏まえた形の中期目標に記載するということを予定しているということにしたわけでございます。
これによりまして、最終報告の提言の趣旨、あらかじめ明確にする、そして内部組織は原則として各法人の判断という趣旨が実現されているというふうに考える次第でございます。
(平成15年6月26日参議院文教科学委員会)
 ○ 副大臣(河村建夫君) 
   今回の、このたびの法人化によって組織編制における各大学の裁量が拡大をしてまいります。各大学が一層創意工夫をして教育研究の活性化を図ることを可能にするんだと、こういうことでありますから、このために法人化後の国立大学は、学部、学科については、第一は、学部はあらかじめ大学から提出された原案に十分配慮した上で中期目標に記載をすることになっておりますし、学科につきましては、各国立大学法人の判断によって弾力的な編制を可能にすると。こうした各大学が主体的な判断によって弾力的に取組をやっていくものでございます。
   したがいまして、これまでの既設の教育組織の改編に伴いまして、学生募集をする、これについては、まずは、今御指摘のように何か目の前で急に変わったということにならないように、八月末の概算要求後におけるPRをまずきちっと実施すること。それから第二点は、十二月下旬の政府予算原案成立後の募集要項の発表など、予算の流れを踏まえてこれまで実施していたところでございますけれども、これを法人化後におきましては、それぞれこれまで以上に早期に対応することが可能にするということにいたしまして、予算ができなきゃできないよというようなことじゃなくて、やっぱり学生の方を向いて、早く事前にそういう方向をPRする、知らせるということをまず考えなきゃいかぬというふうにしておるわけでございます。
   なお、教育研究組織の見直しについては、各大学の個別な事情だけじゃなくて、学生を始め社会や地域のニーズを踏まえて、各大学がやっぱり創意工夫を生かしながら責任ある対応を取ってもらいたいと考えておりますから、委員の御指摘のように、いわゆる大学に入ろうとする人たちの期待に反するようなことにならないように最大の注意を払って大学運営をやってもらうということを期待をいたしておるわけであります。
(平成15年6月5日参議院文教科学委員会)
  ○ 政府参考人(石川明君) 
共同利用の形態の研究所についてのお尋ねでございます。
このように、今お話しのございました共同利用という研究所の形態、これは研究遂行上、大変大きな意義を持つものだというふうに私どもも考えておるところでございます。
今回の法人化に当たりましても、引き続きこのような共同利用の形による研究活動の仕組み、そしてまた、この体制といったようなものはしっかりと維持していくべきものというふうに考えております。
こういう観点から、私ども文部科学省といたしましても、我が国の学術研究において中核的な研究組織、そういった位置付けのものにつきましては、例えば国立大学法人の意見に配慮をして、中期目標あるいは計画において適切に位置付けるなど、引き続き十分にその役割を果たしていけるような、そういったような対応をしてまいりたいと思っております。
それから、先生から、この共同利用に係る経費といいましょうか予算上の御心配、お話ございました。もう先生、既に御存じと思いますけれども、こういった共同利用のために掛かる経費につきましては、現在、その附置研究所やそういった研究施設につきましてそういった経費が措置されております。共同利用の形態の研究活動というものの重要性にかんがみまして、これをきちっと維持をしていかなければならないというふうに私ども思っておりまして、こういった経費につきましては、今後とも所要の措置を行うことが必要であるというふうに考えておるところでございます。
(平成15年6月5日参議院文教科学委員会)

10 役員の職務と選任について

@ 学長のリーダーシップの確立について

  ○ 政府参考人(遠藤純一郎君) 
御指摘のように、法人化後の学長でございますが、教育研究面と経営面の両方の最終責任者として強いリーダーシップを発揮することが要請されるために、教育研究に関する高い識見とともに、経営面での優れた手腕を有しているということが求められるわけでございます。
 一つは、選び方でございますけれども、法人化後は、学内者のみで構成される評議会が学長選考を行っておりましたこれまでの方式を改めまして、法案第十二条におきまして、経営協議会の学外委員の代表者と教育研究評議会の代表者とが同数で構成する学長選考会議におきまして、学長選考の基準や手続を定めるとともに、具体の候補者の選考を行うという方式を導入をするということにしておるわけでございます。この新しい方式によりまして、学外者の知見も取り入れまして、経営面の手腕も十分見極めながら、広く学内、学外から法人化後の学長にふさわしい人を求めまして、学長選考会議が責任を持って選考するということになるものと考えておるわけでございます。
もう一つは、実際での運営面における体制の問題でございますけれども、理事や経営協議会の委員に経営面での優れた識見や豊富な経験を有します学外の人材を招聘をするなど学長の経営を支えるスタッフを厚くしておりまして、学長を中心とした責任ある大学法人の経営が行われるものと考えている次第でございます。
(平成15年6月10日参議院文教科学委員会)

A 学長の選考方法について

  ○ 政府参考人(遠藤純一郎君) 
 これまでの国立大学の選考の仕組みでございますが、制度上、学内の教員組織の代表者のみで構成されております評議会で選考を行うということになっておりまして、具体的な選考方法といたしましては、多くの大学で教員による投票で学長の選考が行われてきたという実態があったわけでございます。
今回、法人化後でございますけれども、学内者のみで学長選考を行っていた方式を改めまして、経営協議会の学外委員の代表者と教育研究評議会の学内の代表者が同じ人数で構成されます学長選考会議におきまして、学長選考の基準や手続を定めるとともに、具体の候補者の選考を行うという方式を導入することとしてございます。
この新しい方式によりまして、外の方の知見も入れながら、従来の学長選考の見直しを進めるとともに、経営面の手腕を十分見きわめながら、広く学内外から学長にふさわしい人を学長選考会議が責任を持って選考するということになるものと考えております。
(平成15年4月16日衆議院文部科学委員会)
 ○ 副大臣(河村建夫君) 
通常の独立行政法人では、法人の長は大臣の裁量で任命することになっているわけでありますが、国立大学の学長については、大学の自主性、それから自律性尊重という立場で、学長選考会議の選考結果を大学が申し出て、それに基づいて行う、こうなっておりまして、したがいまして文部科学大臣は、大学の申出に法的に拘束をされて、例えば所定の手続を経ていないとかの申出があった場合に、あるいは学長に誠にふさわしくない著しい非行がある、申出に明白な形式的な違反性がある、そういう違法性があるというような場合、明らかに不適切と客観的に認められる場合、これを除いては拒否することができないと、こうなっておるわけでございます。
したがいまして、今御指摘があったように、学長が独断専行になった場合、暴君だと、こういうような場合、学長が意思決定を行うに当たっては、経営協議会あるいは教育研究評議会、これが審議や役員会の議決を踏まえる必要があるなど、一定のチェックの仕組みはあるわけでございます。しかし、万一、学長個人の職務執行に起因して学内が混乱をしたというようなケース、それから正常な教育活動ができない、これが長期にわたるという場合に、学長が交代しない限り改善の余地がないと、こうなった場合には、第十七条に基づいて学長選考会議が学長の解任を大臣に申し出ることが可能になっておるわけでございます。
このように、学長選考会議の申出があった場合には、大臣は所定の手続を経ているからといった点や、解任要件に当たって、当てはまるかといったチェックは一応いたしますが、申出に従って学長を解任することができると、こういうふうになっております。
(平成15年6月5日参議院文教科学委員会)
  ○ 副大臣(河村建夫君) 
国立大学法人法案第十二条第三項におきまして、学長選考会議の定めるところによって、
学長選考会議の委員に学長を加えることができるといたしておるところでありますが、制度上、現学長が学長候補になり得ないことがあるといったことを考慮したものであるわけでありまして、具体的には、学長選考会議に学長が加わることができるのは、例えば各国立大学法人の規定等で再任が認められておらず、現在の学長が学長候補において当事者にならない場合に限られるということが望ましいわけでございます。このような規定の趣旨について先ほど来御疑念をいただいておるわけでございますから、文部科学省としては、この点については責任を持って明らかにして、各大学において公正な学長選挙の確保、これに努めてまいらなきゃいかぬと、このように思っております。
(平成15年7月8日参議院文教科学委員会)

B 理事及び監事について

  ○副大臣(河村建夫君) 
監事の具体的なイメージでありますけれども、これ二名ということになっておりますが、
一名は会計監査に精通した者、もう一名は当該大学の行う業務に精通した者というふうに考えられるわけでございます。法人の適正な業務運営を確保するために運営状況の監査を行うというのが監事の職務の性格でございますが、また国立大学法人が国の財源措置を前提としているということから勘案をいたしましても、監事の任命は大臣が行うということは適当であると考えておるところでございます。そして、その任命に当たりましては、もちろん各方面の意見を聴く中で、その中で大学の意向も聴くということになろうと思いますが、これを反映するということもあると思いますが、ただ、これは監事の立場でありますから、中立的な立場を取れる人でなきゃいかぬわけでありまして、大学が推薦する人がそのまま望ましいかどうかということもございますので、意見は十分聴きながらも、そうした監事の性格を考えて、今のイメージに沿った形で任命をしていくという方向だと思います。
また、理事につきましては、基本的には現在の副学長や学長補佐などのように全学的視
点から学長を補佐する者を想定をしておるところでございまして、学外理事には、経済界や私学関係者あるいは高度専門職業人など、広く学外有識者の登用を期待をいたしておるところでございます。こうした理事の任命に当たって学長は、これは責任を持って自ら行うということになっておるわけでございまして、それに対して文部科学省が学長の意に反して理事を割り振るというようなことは全くあり得ないと、このように考えております。
(平成15年7月8日参議院文教科学委員会)
  ○ 国務大臣(遠山敦子君) 
法人化後の国立大学の理事につきましては、学長が自らの考え方に基づいて幅広い分野
から任命することとされているわけでございます。学長は、私は、高い見識を持って、その点については十分配慮して任命をされると思うわけでございます。学長が適材適所の観点から自らの判断によって文部科学省職員又は職員であった者を理事に選任することもあり得るわけではございますけれども、それは大学の自主性、自律性を阻害すると批判されることがないように、法人化の趣旨を十分踏まえて私どもとしても配慮をしていきたいというふうに考えております。
監事につきましては、既に副大臣からの答弁もありました。監事は法人の業務の適正な
執行を担保するために運営状況の監査を行うという職務を持っているわけでございまして、その性格を踏まえて適材適所の考え方に基づいて選任するわけでございますが、その際に、官民を問わず幅広い分野から考えてまいりたいと考えております。いずれにしても、国立大学法人にかかわる人事の基本的な制度にのっとって我が省としては適正に対応してまいる考えでございます。
(平成15年7月8日参議院文教科学委員会)


11 学内の諸機関の役割分担について

@ 経営協議会と教育研究評議会について

  ○ 副大臣(河村建夫君) 
国立大学法人におきましては、教育研究評議会が教育研究面を、それから経営協議会が
経営面を審議すると、こうなっておるわけでございます。したがいまして、教育研究評議会は各学部や研究科の議論を踏まえて全学的な教育研究の方向性を審議するということであります。その中でそれに必要な予算、支出面についても議論をすることはあり得るわけでございますが、主として教育研究の方向性をこの教育研究評議会でしていただく。そして、経営協議会は大学全体の経営面について協議するわけでございますが、その中には当然、教育研究評議会の議論も踏まえてやらなきゃならぬということになるわけでございます。しかし、基本的には経営協議会は大学全体の経営について行うということで、かなりそういうことを峻別するとなりますと、当然教育面の部分も経営の全体の中に入ってまいりますから完全に切り離して考えられませんけれども、方向としてはいわゆる全体の経営をやる経営協議会とそれから特に教育面の研究評議会という形で役割分担をいたしておる、こういうことでございます。
(平成15年7月8日参議院文教科学委員会)
  ○ 副大臣(河村建夫君) 
委員の御指摘のとおり、それぞれの協議会、評議会、それぞれの立場から十分な議論を
していただいて、その両機関が連携をきちっと取り合って、そして学長が最終的にその大学にとって良き方向というのを見いだしていただくという方向になるというふうに思っております。
(平成15年7月8日参議院文教科学委員会)
  ○ 国務大臣(遠山敦子君) 
国立大学法人におきましては、今答弁にもありましたように、教育研究評議会が教育研
究面、それから経営協議会が経営面を審議することとなっているわけでございますが、教育研究評議会は、各学部あるいは研究科の議論を踏まえて全学的な教育研究の方向性を審議するものでございます。その中でそれに要する予算、支出についても議論することがあり得るわけでございます。その場合には、経営協議会は教育研究評議会の議論をも踏まえて予算、特に支出面について審議するわけでございまして、学内の意思形成に当たって弾力的に調整できる、そういうシステムになっているわけでございます。このような調整といいますものは正に各大学において行われるものでございまして、そうした大学の自主的な取組に文部科学省が関与することはないわけでございます。
(平成15年7月8日参議院文教科学委員会)

A 教授会について

 ○ 政府参考人(遠藤純一郎君) 
国立大学法人制度におきましては、各法人の自主性、自律性を高め自己責任の拡大を図っていくという観点から、内部組織につきましては可能な限り法人の裁量にゆだねて、法令等での規定をしないということを原則としているわけでございまして、これまで教授会の設置の単位とされてきました学部あるいはその研究科につきましても法律上規定を設けていないということになっているわけでございます。
こうした点を踏まえまして、どのような教育研究組織の単位にどのような形で教授会を置くかということにつきましては法人の定めにゆだねるということとしたものでございますが、学校教育法第五十九条の規定に基づいて法人化後の大学に教授会が置かれるということには変わりはないわけでございます。
現在、教授会につきましては、国立大学については、国立学校設置法におきまして、学部又は研究科の教育課程の編成に関する事項、学生の入学、卒業又は課程の修了その他その在籍に関する事項及び学位の授与に関する事項、その他当該教授会を置く組織の教育又は研究に関する重要事項を審議すると、こういう規定をされておるわけでございますが、法人化後も引き続きこうした役割を担うというふうに理解をしておるわけでございます。
(平成15年6月5日参議院文教科学委員会)
 ○ 国務大臣(遠山敦子君) 
基本的な考え方は副大臣からお答えしたとおりでございますが、少し教授会というものについて御説明いたします。
学校教育法上で教授会について書いてあるわけでございますね。これは、法人化後の国立大学についても当然適用されるわけでございます。他方で、法人化後の大学運営につきましては、経営に関する事項についての社会との間の意思疎通、それから教育研究に関する事項についての学内の合意形成とのバランスを確保するという観点から、経営協議会と教育研究評議会の二つの審議機関を置いて、これらの審議事項を踏まえて、事柄によっては役員会の議決を経て学長が最終的な意思決定を行う。
それでは、学校教育法上の役割を持っている教授会というのはどういうことになるのかということでございますが、その点につきましては、各学部等の教育研究に関する重要事項を審議する機関であるということについては変わりはないわけでございますが、全学的なことについては評議会がやってくれるわけでございます。
したがいまして、審議事項を真に学部などの教育研究に関する重要事項に精選するということが大事だと思っております。それによって、教育研究活動以外の教員の負担、これは非常に大きいわけですね、長い教授会をやったりとさまざまな負担があるわけでございますが、教授会をむしろ教育研究に関する重要事項に絞ってそれぞれの学部の範囲内におけるものをやっていただいて、そしてそういう教員の負担をできるだけ軽くして本来の仕事に専念していただく、そういう関係になるというふうに考えます。
(平成15年5月14日衆議院文部科学委員会)
  ○ 政府参考人(遠藤純一郎君) 
法人化後の国立大学におきましても、学校教育法第五十九条の規定に基づきまして教授
会が置かれるということには変わりがないわけでございます。教授会におきましては、引き続き当該教授会が置かれている学部や研究科の教育研究に関する重要事項を審議するものでございまして、そうした事項を審議する中で予算や組織編制など経営的な事項について議論することもあるというふうに考えておるわけでございます。
(平成15年7月8日参議院文教科学委員会)
  ○ 政府参考人(遠藤純一郎君) 
国立大学の法人評価でございますけれども、中期目標、中期計画に記載されました事項
につきまして、その達成状況を評価するというものでございます。教授会を始め各種審議機関の在り方につきましては、中期目標、中期計画の必須記載事項ということではないと考えられますので、これらの事項が国立大学法人の中期目標、中期計画に記載されていない限り直接の評価対象となることはないと、こう考えております。
(平成15年7月8日参議院文教科学委員会)


12 学生に対する支援について

 @ 学生にとっての法人化のメリットについて

  ○ 副大臣(河村建夫君) 
大学においてまず学生に求められることは、高い自らの学習意欲や目的に応じて、様々な学習機会を、これを主体的に活用しながら、そして社会で活躍できるような付加価値を付けて、高い付加価値を自ら付けて出ていく、そして学生が学習活動とか、それから学生が社会に出た後の評価等を通じて大学の教育研究活動そのものが活性化されていくというふうに考えておるわけでございまして、このような学生の在り方が今回の国立大学の法人化されてからより私は強く求められていくと、こう思うわけでございます。大学そのものの評価というのも、そこから出ていった学生の活躍ぶりというか、そういうことにも懸かってくるんではないか、そういうことが問われてくると、こう思うわけでございます。
  今回の法人化によってやっぱり教育の受け手側である学生の立場に立った大学運営をやっていくんだと、これも大事な視点でございまして、委員からも御指摘ありましたが、学生あっての大学でありまして、大学運営を実現、そうした大学運営をやっていくんだという意識改革を、今回、この法人化によって改めて大学を運営する方々がそうした視点からこの大学運営に取り組むという大きな意識改革の契機になると、こう考えております。
 具体的に申し上げるならば、法令や予算による制約というものはかなり緩和されます。 したがって、学内の資源配分を弾力的に行うことができる。そして、それが、各大学がやっぱり学生のニーズといいますか、そういうものを十分斟酌しながら、より柔軟にカリキュラムを作っていく、あるいは学科やコースを編成する。やっぱり学生の方へ目を向けてそうしたものを作っていくことができる。
 それから、学生による授業評価ですね、これはかなり大学の教育面での取組状況が法人評価の中でもやっぱり適切に評価されると。これ、学生の授業評価を入れるということはかなり私は大きな改革になるわけでございまして、これによって授業内容の充実や指導方法の改善が図られていくだろう、こう考えますし、あわせて、大事なことは、学生に対するカウンセリングや就職支援等を今回の法案で業務としてはっきり明記をするということによって学生サービスの向上が、充実改善が図られるということでありまして、こうした学生の立場に立った大学運営を是非やっていただく。
 そのことを大いに期待をいたしておるわけでございまして、今回の法人化によってその法人化の趣旨というものが十分生かされて、学生の視点を重視することによって、いわゆる高等教育機関としての質の高い教育が提供できる大学になってもらいたい、このように考えるわけであります。
(平成15年6月5日参議院文教科学委員会)

 A 学生納付金の在り方について

  ○ 副大臣(河村建夫君) 
我が国の国立大学は、全国的に均衡の取れた配置、今全県にあるわけでございますが、
地域の教育、文化、産業の基盤を支えて、学生の経済状況に左右されない進学機会を提供する上で極めて重要な役割を果たしてきております。こうした国立大学の役割というものは法人化によっても変わるものでないということでございます。そして、法人化後の授業料でございますが、各国立大学法人が定めることになるわけでございますが、今申し上げましたような国立大学の役割にかんがみまして、今後とも必要な財源措置など国の事業としても責任を持って対応することとなるわけでございます。授業料につきましても、国として「標準額」を示すことによって適切なものになるように努めてまいりたいと、このように考えております。国が示す「標準額」は、各国立大学法人が具体の授業料設定の際の共通的な指標となるとともに、学生納付金収入額を積算するための基準額にもなるわけでございます。これによって算出をされます納付金収入にほかの自己収入を合わせた収入見込額と大学の支出見込額との差額が運営交付金として措置されると、こういう仕組みでございます。
(平成15年7月8日参議院文教科学委員会)
  ○ 政府参考人(遠藤純一郎君) 
「標準額」及び「一定の範囲」につきましては、文部科学省令で明確に規定することと
予定をしておりまして、その範囲内で各大学が自主的に授業料を設定する方向で検討をしていることでございます。省令の規定に違反した設定が行われることはないというふうに考えておるわけでございますが、仮に省令の規定に違反した設定が行われました場合には法令違反と、こうなりますので、文部科学大臣はその是正のために必要な措置を講ずることを当該の国立大学法人に求めるということになろうかと思います。
(平成15年7月8日参議院文教科学委員会)
  ○ 政府参考人(遠藤純一郎君) 
毎年度定めるかということでございますけれども、「標準額」は文部科学省令で規定する
ことを予定してございまして、社会経済情勢等を総合的に勘案し、必要に応じて改定をするということになろうかと思います。見直しはどのように行うのかということでございますが、従来から国立大学の授業料は社会経済情勢等を総合的に勘案しまして、予算編成を経て決定されてきたところでございます。「標準額」につきましても、予算編成過程の中で、社会経済情勢等を総合的に勘案して検討がなされるということになろうかと考えております。なお、国立大学の役割は法人化によって変わるものではございませんで、今後とも必要な財源措置など国の事業として責任を持って対応をするということにしているところでございます。
(平成15年7月8日参議院文教科学委員会)
  ○ 国務大臣(遠山敦子君) 
委員御指摘のとおり、授業料の在り方といいますものは国民にとりまして大きな関心事
でございます。そして、特に国立大学の担う、経済的な状況にかかわらず進学できるようにしていくための必須の大変大事な額であると思っております。標準額、それから一定の範囲、これを定めることになっておりますが、その具体的な在り方につきましては、今申しましたような経済状況に左右されない学生の進学機会を提供するという国立大学の役割と同時に、各国立大学の自主性、自律性を尊重するという観点にも留意しながら現在検討を進めているところでございます。じゃ、どのようなことになりそうかということでございますが、私どもとしては、最終的な決定というのはまだもちろんできないわけでございますね、予算にも絡むわけでございますが、我が省としましては、標準額については法人移行時の授業料をベースに設定する方向で検討をいたしております。それから、一定の範囲についてでございますけれども、これも先ほど申し上げましたような国立大学の役割というものを十分に尊重して考えていく必要があると思っております。したがいまして、その一定の範囲につきましても限定的なものと考えているところでございます。
(平成15年7月8日参議院文教科学委員会)
  ○ 副大臣(河村建夫君) 
学部別や研究科別授業料の導入については、経済的理由によって希望する専門分野への
進学の機会に制約を生ずる、あるいは個人の能力に応じた教育の機会均等が損なわれるおそれがあると、こういうことも考えながら、現在、国立大学におきましては全学部、研究科、同額の授業料になっております。そのような考え方から学部別の「標準額」を導入していくということは全く考えていないところでございまして、その方向でこれからも進めていかなきゃならぬと思っておるところでございますが、御指摘の法科大学院でございます。これは、新たな法曹養成制度の中核的な機関として平成十六年四月以降、国公私立を通じて開設されるということになっておるわけでございまして、これをどのような取扱いにするかということは、正に今検討いたしておるところでございます。国立大学法人化後の国立の法科大学院の授業料についても、これまでのような取扱いの例外にしていくかどうかを含めて、平成十六年度の概算要求、これは八月末になりますが、に向けて、できるだけ速やかにそのお考え方を示すことができるように対応していきたいと、このように考えておるところでございます。
(平成15年7月8日参議院文教科学委員会)

 B 奨学金等の充実について

 ○ 政府参考人(遠藤純一郎君) 
まず、奨学金についてでございますが、御指摘のように、日本学生支援機構法案ということで現在御審議をいただいているところでございますけれども、独立行政法人移行後におきましても、これまでの奨学金事業をしっかりと継続をしまして、教育を受ける意欲と能力のある学生が経済的な面で心配することなく安心して学べるよう更なる充実に努めてまいりたいと、こう考えております。
それから、授業料免除の制度につきましては、その経済的理由などにより授業料納付が困難である者などを対象に、修学継続を容易にし教育を受ける機会を確保するという意義を有しておりまして、法人化後もこのような観点から授業料免除の仕組みにつきましては維持をする必要があると、こう考えております。
入学料につきましては、既に災害等の特別な事情がある場合、免除できる制度を現在既に実施をしているということがございます。
免除枠につきまして拡大できないかということでございますが、私ども努力をしていきたいと、こう思っておりますけれども、厳しい財政状況の下でございますので一層の努力をしたいと、こう思っております。
(平成15年6月5日参議院文教科学委員会)
  ○ 副大臣(河村建夫君)
また、奨学金の事業につきましては、学ぶ意欲と能力のある学生が経済的な面で心配す
ることなく安心して学べるように引き続き充実に努力していく所存でございます。さらに、各国立大学法人独自の奨学金創設への支援策につきましても、これまでと同様に、寄附金の優遇措置を講ずる等々、支援策を考えておるところでございます。また、御指摘のありました授業料免除制度でございますが、経済的理由によって授業料納付が困難である者などを対象にして、修学継続を容易にし教育を受ける機会を確保する、この意義を授業料免除制度は有しておるわけでございますから、国立大学法人化後もこのような観点から授業料免除の仕組みは維持する必要があると、このように考えておるわけでございまして、その方向で今検討をいたしておるところでございます。
(平成15年7月8日参議院文教科学委員会)


13 円滑な法人への移行について

@ 労働安全衛生について

 ○ 国務大臣(遠山敦子君) 
   今、委員御指摘のように、大学におきます安全衛生管理の実施につきましては、現在でも人事院規則にのっとって各大学が責任を持って取り組むべき課題であるわけでございます。今もその規則に違反していてはいけないわけでございます。
   本年五月の調査結果といいますものは、各大学等が責任を持って報告してきた見積額を集計したものでございまして、文部科学省としてはこの数字を基に対策を講じるということが適切であると考えております。
   五月二十八日にその見積額を取りまとめて発表しまして、同時に、その改善対策について私どもの考えに基づいて各大学を指導し、必要な支援を行って、その改善状況についてはしっかりと把握していきたいというふうに考えておりまして、年度内に安全衛生の改善が図られるように万全を期していきたいと、こういうふうに考えているところでございます。
(平成15年6月26日参議院文教科学委員会)
  ○ 国務大臣(遠山敦子君) 
大学におきます安全衛生管理、これは教職員、学生等の安全と健康確保をいたしますと
ともに、快適な教育研究環境を形成する上で必要不可欠なものであるわけでございます。我が省といたしましては、五月二十八日に取りまとめて発表いたしました改善対策に基づいて各大学を指導しますとともに、必要な支援を行い、年度内に安全衛生管理の改善が図られるよう万全を期してまいりたい考えでございます。また、大学関係者に過度の負担が掛からないように、我が省、大学、教職員等がそれぞれ責任を持って円滑な安全衛生管理の改善が行われるよう取り組んでまいりたいわけでございます。さらに、改善状況につきましては、四半期ごとにフォローアップを行って、移行時点での対応状況について公表をし、法人化後も良好な教育研究環境を保てるよう努めてまいりたいと存じます。
(平成15年7月8日参議院文教科学委員会)

A 労働関係法規への対応について

 ○ 政府参考人(玉井日出夫君) 
国立大学法人化後は、御指摘のとおり労働基準法等が適用されるわけでございまして、したがって、勤務時間や給与等に関する事項を規定した就業規則を作成し、これを所轄の労働基準監督署に届け出ます。したがって、法人化に向けた準備というものが大変重要になってくる、こういうふうに考えております。これからさらに具体的になってくるわけでございますけれども、具体的な手順としては、各国立大学があらかじめ就業規則をどういうものにするかと考えていく必要があるわけでございます。その規則を考えて案をつくっていく際には、まだ法人化されておりませんので、したがって、職員の過半数で組織する職員団体がある場合にはその職員団体の意見を聞く、あるいは、過半数で組織する職員団体がない場合には、職員の過半数を代表する者の意見を聞くなどの移行準備を行う必要があると考えておりまして、法人移行時に就業規則を作成し、職員等からの意見を記した書面を添付して所轄労働基準監督署に届け出るということになります。
それから、今のは就業規則だけですけれども、そのほか、労基法三十六条に基づきます時間外給付金などのいわゆる書面協定、こういうものも同様の準備が必要でございます。
さらには、法人化になりますと、給与や労働条件につきましては、法人化移行後は労働組合法に基づきます、労働者側の求めによって労使交渉に及ぶということも当然あり得るわけでございます。そういたしますと、法人化移行前にあらかじめ職員団体に、ありましたら、その内容等を説明し理解を得るということもやはり一つの準備作業かというふうに考えておりまして、各大学、今、民間なり私学の就業規則をそれぞれ見ながらいろいろな準備をしているところでございます。
なお、先ほど若干労働安全衛生法の御指摘がございました。先ほど施設の面でのお話でございましたけれども、人事管理も含めて労働安全衛生ということはきちんと適用していかねばなりませんので、その指導を行っておりますし、準備を進めているわけでございま
す。その間において、細かい運用面についての若干の調整もそれぞれ必要になってまいりますので、そういったところも、厚生労働省の方にもいろいろ御意見を伺いながら、また私どもとしてきちんとした対応をしていきたい、かように考えているわけでございます。
(平成15年5月14日衆議院文部科学委員会)

B 移行経費の確保について

  ○ 副大臣(河村建夫君) 
現在、国立大学におきましては、法人化に備えて諸準備を進めてきておられるところで
ありますが、このうち、法人資産の確定や新会計システムの導入などの準備作業につきましては、平成十五年度予算におきまして国立学校運営改善経費として約百三十六億円を計上いたしたところでございます。また、国立大学が法人化された後、各大学共通に新たに必要となる経費が想定をされるわけでございます。具体的に申し上げれば、事業主として各大学に加入が義務付けられる労災保険や雇用保険に関する事業主負担分、あるいは法定監査人への監査に関する費用があります。このうち、例えば労災保険及び雇用保険の事業主負担につきましては、仮に平成十五年度の人件費予算額をベースに試算をいたしますと、約百六十七億円程度の所要額が見込まれます。これら移行後に必要となる経費につきましては、今後更に精査をいたしまして、運営費交付金の算定に当たり配慮してまいりたいと、このように考えております。
(平成15年7月8日参議院文教科学委員会)

C 財務会計事務の簡素化について

  ○ 国務大臣(遠山敦子君) 
国立大学法人になりますと、企業会計原則が原則的に適用されることになります。
そうなりますと、貸借対照表を始めとした財務諸表の作成が求められるわけでございまして、これまでのような特別会計という形でやってきた方式とは違うわけでございます。その意味で、新たな会計事務が生じるわけでございますが、一方で、法人化により会計事務が軽減される面があるわけでございます。
例えば、国の会計法令の適用が基本的になくなるわけでございますので、例えば、毎月行うこととされております歳入の徴収や支出に関する報告書といった国の会計法令に基づく各種報告書の作成、提出が不要となります。それから、会計検査院に提出することとされております計算証明関係書類につきましても、他の独立行政法人の場合、大幅な簡素化が図られているところでございます。
具体例でいいますと、かなりの計算証明書類が今要るわけでございますが、これは大きな総合大学でございますけれども、今、五十六万三千枚要るわけでございますが、これはもう要らなくなるということでございます。その他、これまで毎月取っていたような徴収済額報告書でありますとか支出済額報告書でありますとか、こういうものがなくなりますし、そのなくなるものの一覧も大変な膨大なものになるわけでございます。
文部科学省としましては、むしろトータルでは軽減の方向であると考えております。ただ、新しい会計事務に移るということで、今の準備段階におきましては、新たなそれへの適応ということでいろんな仕事があるかもしれませんが、トータルとして見れば、これは事務が簡素化になるわけでございますし、また、そうでなくてはならないというふうに考えております。
(平成15年6月26日参議院文教科学委員会)

D 既存債務について

  ○ 政府参考人(玉井日出夫君) 
長期借入金の償還についてでございますが、これまでも借入時の条件に従って償還計画
を立て、附属病院収入等をもって確実に償還を行ってきたところでございまして、法人化後も基本的には同様であるというふうに考えているわけでございます。なお、国立大学法人は、そもそも独立採算制を前提とするものではなく、その業務の実施に当たっては文部科学省としても所要の予算措置を確実に行うこととしているわけでございます。したがいまして、御懸念のといいますか、御指摘のように、債務償還のために例えば授業料の値上げ等による増収だとか、あるいは経費削減を迫られるというような事態が生ずるとは考えていないわけでございます。
(平成15年7月8日参議院文教科学委員会)

E 法人化後の訴訟の取扱いについて

  ○ 政府参考人(玉井日出夫君) 
訴訟の引継ぎについてでございますが、現在、各国立大学が抱えております訴訟事件に
つきましては、国立大学法人法の附則第九条の規定がございまして、各国立大学法人が引き継ぐことになります。その場合には各法人が訴訟を実施するということとなりますけれども、訴訟への対応の継続性等の観点から、引き続き国であったときと同様に法務省と各法人が協力して訴訟を実施するということとしているところでございます。また、法人化後に訴訟が提起されたものにつきましては、各法人はそれぞれの法人格に基づき訴訟の当事者となり、自らの責任で訴訟を実施するということになりますけれども、必要に応じ法務省の協力の下に訴訟を実施することもあるわけでございます。
(平成15年7月8日参議院文教科学委員会)
  ○ 政府参考人(玉井日出夫君) 
法人化後は、御指摘のとおり、基本的には各法人が訴訟を実施することとなります。し
たがって、仮に敗訴等となった場合の賠償費用の支払は、これは原則として各法人において対応するということになるわけでございます。そこで、法人化後における国立大学法人の業務でございますけれども、当該国立大学法人が主体的に運営を行うということでございますので、今申し上げましたようなことで、仮にその業務の実施に当たって損害賠償が生じた場合には、第一義的には当該国立大学法人が責任を負うということになるわけでございまして、したがって各法人においては不測の事態に備えて必要に応じ損害賠償保険等に加入することも考えられるというふうに思っておりますが、これはあくまでも各法人の判断によるものでございますので、その保険料につきましては、基本的には一般的な管理経費として算定される運営費交付金等により対応するということになると考えているわけでございます。
(平成15年7月8日参議院文教科学委員会)


14 長期借入・債券発行について

  ○ 政府参考人(玉井日出夫君) 
御指摘の国立大学法人法案第三十三条でございますが、第一項において、国立大学法人等は、政令で定める土地の取得等に必要な費用に充てるため、文部科学大臣の認可を受けて、長期借入金をし、又は債券を発行することができると規定しているわけですが、この長期借入金あるいは債券発行の対象につきましては、政令で附属病院の整備事業及び移転に伴う施設整備事業に限定することを予定をしているわけでございます。
なお、第二項は、文部科学大臣の認可を受けて、長期借入金又は債券の借換えができる旨等について定めております。
そこで、なぜこういう規定を入れているのかということでございますが、現在、国立学校特別会計におきましては、国立学校施設の整備の促進を図るために、附属病院の整備事業、それから移転に伴う施設整備事業等につきまして借入金を行うことができるということとしているわけでございまして、各大学において必要となる施設整備を安定的に実施するために、従来より長期借入金を活用した施設整備を行ってきたところでございます。
したがって、また法案をお認めいただきました後には国立大学等の法人化、なるわけでございますが、その後の施設整備につきましては基本的には施設整備費補助金で措置をするというふうに考えておりますけれども、引き続き国立大学等の施設整備を確実に実施していくためには長期借入金又は債券発行による整備を可能とすることが必要であるというふうに考えたわけでございます。
そして、その整備対象は、正しく先ほど政令のところで限定すると申し上げましたように、現在同様、病院収入を償還財源とする附属病院の整備、それから移転後の土地処分収入を償還財源とする移転に伴う施設整備に限定することを予定しているわけでございまして、しかも、それはこの委員会で何度か御説明いたしましたけれども、当面は独立行政法人国立大学財務・経営センターを通じた財政融資資金からの長期借入金のみを今念頭に置いているわけでございまして、もちろん、今後の財政融資資金の在り方など諸般の動向等によりましては、将来的には各法人が債券発行による資金調達を行うこともそれはあり得ると考えておりますが、当面は今申し上げた国立学校特別会計のあの機能を国立大学法人化後にも生かしていきたいと、こういう考え方でございます。
(平成15年6月26日参議院文教科学委員会)
 ○ 政府参考人(玉井日出夫君) 
御指摘のように、私立大学は今いわゆる学校債というものを発行できる形になっています。これは正しく多様な自己資金を調達するものであって、正に発行目的にかかわらずそれぞれの法人の判断で発行するということですけれども、しかし一方、今申し上げました国立大学法人が発行する債券は、その当該法人の経営の健全性を確保するために、債券の発行目的を収入が見込まれる附属病院の整備及び移転に伴う施設整備に限定しますし、また発行に当たっては文部科学大臣の認可を受けるという仕組みにしておりますので、両者は性格、目的を異にするものと、また手続にも異にするものと考えております。
(平成15年6月26日参議院文教科学委員会)
 ○ 政府参考人(遠藤純一郎君) 
国立大学法人の評価でございますけれども、これは中期目標、中期計画の達成状況を評価するということでございまして、長期借入金等の対象となります附属病院の整備事業や移転に伴う施設整備事業の実施については中期計画に記載されるということになろうかと思いますけれども、その資金調達方法まで記載するという必要はないわけでございますし、また仮に長期借入金等を実施するということにつきましては、今回の法案の中で別途、文部科学大臣の認可事項として中期計画とは別に規定をしているということもございますので、長期借入金等の取組状況がその国立大学法人評価における評価の対象になるというものではないというふうに考えております。
(平成15年6月26日参議院文教科学委員会)


15 国立大学の職員を国家公務員から国立大学法人の職員とする法的根拠について

  ○ 国務大臣(遠山敦子君) 
端的に何が法的根拠かという御質問ととらえさせていただきますと、それは国立大学法
人法案附則第四条でございまして、ここにおいて、法人成立の際、現に国立大学の職員である者は引き続き国立大学の職員となるものとの規定を設けているところでございます。国立大学法人化は、法制的にも国の財政措置を前提といたしますとともに、現在の国立大学の権利義務を引き継ぎ、かつ、大学としては法人化前後で同質であると規定されているところでございます。したがいまして、現在の国立大学の教職員は、法人化後も引き続いて国立大学法人の職員として教育研究や組織運営に当たることが妥当であるわけでございます。そのために承継の規定が設けられているわけでございますが、この規定は、国家公務員としての身分がなくなるのと同時に、国立大学法人の職員としての身分を取得するという法的効果を持つものでございまして、これによって国立大学の職員は雇用が保障をされ、就業規則等によってその処遇は保障されることになっているわけでございまして、引き続き国立大学の業務に従事するということになるわけでございます。このように国立大学法人の職員が非公務員となる、非公務員というのは民間人ではございません、非公務員というそういう方であるわけでございますが、これは国家公務員法の個別の規定ではなくて国立大学法人法案の規定によるものでございます。このような法的仕組みは既に他の法律によっても用いられているところでございます。
(平成15年7月8日参議院文教科学委員会)


16 高等教育のグランドデザインについて

  ○ 国務大臣(遠山敦子君)
グランドデザインという考え方はいろいろな角度があると思いますけれども、高等教育
の在り方につきましては、平成十年の大学審議会答申、「二十一世紀の大学像と今後の改革方策について」というところで改革の方向性が示されたわけでございまして、文部科学省としては、これを踏まえた上で様々な改革に今取り組んでまいっているところでございます。その中身としては、様々な規制を緩和をして、各大学が互いに切磋琢磨するという「競争的な環境」の中で、それぞれが多様かつ個性的な教育研究を展開していく「個性輝く大学」であってほしい、そういう方向性が示されたわけでございます。
現在、中央教育審議会において、このような改革の進展あるいは社会経済の状況などを
踏まえて、今後の高等教育に関する新たなグランドデザインについて御審議をいただいているところでございます。そこでは、正に委員の御指摘になりましたように、生涯学習社会形成の観点、あるいは人材養成に関する社会の多様な要請などというものを十分に勘案しながら御審議がなされなくてはいけないと思います。その中では、大学等の高等教育機関が質の高い教育を提供し、社会の発展を支える人材を養成するために、それぞれの機関の在り方はどうあったらいいのかという点、また、基礎研究、人材養成、教育機会の確保などにおける大学などの高等教育機関の役割はどうあるべきかという観点、さらには、国公私立を通じた高等教育への行財政措置の在り方はどうあるべきか、そういったような視点から御検討いただいておりまして、今後とも、各界の御意見も幅広くいただきながら御審議をいただきたいと考えているわけでございます。
我が省としましては、そういう審議を踏まえた上で、引き続き国公私を通じた日本の高
等教育の発展のために力を尽くしてまいりたいと考えます。
(平成15年7月8日参議院文教科学委員会)