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朝鮮学校卒の入学資格、大学判断で 文科省検討 朝日新聞ニュース速報 国内の外国人学校の卒業生が大学入学資格(受験資格)を得られない問題で、 文部科学省が、欧米系インターナショナルスクールの卒業生だけでなく、朝鮮 学校などアジア系民族学校の卒業生でも資格を得られるようにする方向で検討 していることがわかった。朝鮮学校卒業生の場合には、各大学の判断で資格が 与えられる仕組みを構想している。 文科省は現在、案の可否を政府や与党の関係者に打診中。実現の見通しが立て ば、来年度の入学者から対応するため、すぐに関係する省令や告示を改正する などの具体的な作業に入るとみられる。 関係者によると、文科省は、学校単位で認める規定と、個人単位で認める規定 をそれぞれ設ける案を検討している。 学校単位では、多様な国籍の子どもが英語で授業を受けているインターナショ ナルスクールのうち、英米両国にある民間評価機関の認定を受けた学校の卒業 生に資格を与える。 さらに、日本と国交のある外国の子どもが在籍している個別国の学校のうち、 本国が正式に認可している場合には卒業生に資格を認める。こうした学校には インドネシア学校やブラジル学校などがある。 一方で、それぞれの大学の審査で個人単位で資格を与えることも認める。朝鮮 学校卒業生の場合、北朝鮮との国交がないため、学校単位の資格付与の対象に ならない。また、認定されていないインターナショナルスクールや本国に認可 されていない個別国の学校の卒業生も同様だ。その場合でも、志願先の大学が どのような学習の経験があるのかなどを審査し、条件にかなえば認められる。 公私立には自らの判断で受験を認めている大学があるが、国立大は文科省の方 針に従い、大学入学資格検定(大検)に合格しないで受験することを認めてこ なかった。実現すれば、大学の判断によっては、朝鮮学校卒業生にも大検を受 けずに受験する道が開ける。 文科省は3月、欧米系インターナショナルスクールの卒業生に限って資格を認 める方針を公表したが、人権団体や大学教員らから「差別だ」との批判を受け て、再検討してきた。その間、野党だけでなく与党内の公明党や京都、大阪、 兵庫3府県などからも見直し要請が相次いだ。 国立大の中でも京都大が文科省に要望書を提出したり、東京外大の外国語学部 教授会が、文科省が認めない場合には自主的に受け入れるよう学長に求めたり していた。 また、朝日新聞がこの春に実施した学長アンケートでは、8割近い国立大の学 長が「資格を与えたい」と答えていた。 [2003-08-02-06:13] |