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独行法反対首都圏ネットワーク


『毎日新聞』中部版  2003年7月15日付

教授会と対立、異例の信任投票 柳田学長が留任−−名工大


 名古屋市昭和区の名古屋工大(柳田博明学長)で14日、臨時教授会が招集
され、異例の学長信任投票が行われた。国立大学法人法の成立(9日)を受け、
組織改革を急ぐ学長側と「学長の独裁化」を警戒する教授会の対立が深刻化、
柳田学長が「改革の基本方針を受け入れないなら辞任する」と自らの信任を問
う“勝負”に打って出た形。結果は59%の賛成で信任が上回り、留任が決まっ
た。

 発端は、今年5月末の一部の部局長改選。学長の指名制に改めようとの学長
案を教授会が否決、逆に反対派と目された教授2人が当選した。「受け取りよ
うでは私への反対。これでいいのか聞きたかった」と信任投票を決意した。一
方、反対派は、学科廃止など組織改革を進め、教授会より運営協議会などの外
部委員の声を重視する大学運営を問題にしてきた。

 この日は、柳田学長が「法人初代学長を引き受けるに当たり、条件を付けた
い」と述べ、「学内意見と社会の総意が相反したと学長が判断した場合、学長
は拒否権を行使することがある」「大学運営の担当者の任免は学長がすべて権
利を持つ」などの基本方針への同意を求めた。約3時間半にわたって討論し、
投票の是非を問う投票を行った末、助教授以上の230人が投票に参加。信任
136票、反対78票、白票・無効16票で、信任票が上回った。【山田大輔】