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asahi.com 2003年7月14日付
97国立大、土地価格で200倍の格差 裕福な旧帝大
来春、法人化する国立大学の土地や建物について、桜美林大の大学教育研究
所(東京都町田市、高橋真義所長)が調査し、14日発表した。1位の東京大
の資産は最も条件に恵まれない大学に比べて、土地価格で約200倍、建物の
延べ床面積で約85倍に上る。特に、旧帝大と地方単科大との格差が浮き彫り
になった。
昨年度時点で、97の国立大の要覧からキャンパスの土地面積や建物の延べ
床面積を集めた。土地価格はキャンパスに接する道路の路線価から計算した。
結果によると、全大学の土地面積の合計は約5200万平方メートルで東京
ドーム約1100個分。土地価格の総額は約5兆7000億円だった。建物の
延べ床面積は計約2000万平方メートル。建築可能な延べ床面積に対する、
建物の実際の延べ床面積の利用割合は平均で17%だった。
大学ごとにみると、土地価格の1位は東大で、約6100億円。市街地から
離れ、路線価の設定されていない大学を除けば、30億円台で最も低いグルー
プの政策研究大学院大(東京)、北見工業大(北海道)の約200倍だ。旧帝
大が10位以内にすべて入った。
土地面積の1位は広島大。最小の政策研究大学院大の400倍を超える。
建物の延べ床面積の1位も東大で、最も少ない政策研究大学院大の85倍。
利用割合が最も高いのは、その政策研究大学院大で54%。最も低いのは鹿屋
体育大(鹿児島)、帯広畜産大(北海道)の3%だ。
また昨年10月から12月にかけて同じ97校にアンケートし、61校から
回答を得た結果によると、9割を超える大学が「法人化で資産の新たな活用方
法を考えておくべきだ」と答えた。「資産価値を把握していない」大学も3割
あった。特に地方大で約4割に上った。
法人化で土地や建物は国から大学の手に移り、大学は駐車場運営など資産運
用の自由度が増す。「地方大は旧帝大などに比べて不利に見えるが、利用割合
が少なく可能性を秘めている。国立大の資産活用は、自治体や住民、企業が広
く利用できるよう地域貢献の道を探ることが求められている」と高橋所長は話
している。